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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2019年3月

改正フロン法が閣議決定 処理業者の証明確認を義務化

政府は3月19日、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定した。今国会に提出される見通し。
今回の改正の概要は以下の通り。

①機器廃棄の際の取組
1.都道府県の指導監督の実効性向上
 ・ユーザーがフロン回収を行わない違反に対する直接罰の導入
2.廃棄物・リサイクル業者等へのフロン回収済み証明の交付を義務付け(充?回収業者である廃棄物・リサイクル業者等にフロン回収を依頼する場合などは除く。)

②建物解体時の機器廃棄の際の取組
1.都道府県による指導監督の実効性向上
 ・建設リサイクル法解体届等の必要な資料要求規定を位置付け
 ・解体現場等への立入検査等の対象範囲拡大
 ・解体業者等による機器の有無の確認記録の保存を義務付け等

③機器が引き取られる際の取組
1.廃棄物・リサイクル業者等が機器の引取り時にフロン回収済み証明を確認し、確認できない機器の引取りを禁止(廃棄物・リサイクル業者等が充?回収業者としてフロン回収を行う場合などは除く。)

④その他
 ・継続的な普及・啓発活動の推進のため、都道府県における関係者による協議会規定の導入等
 *  *  *  *  *  *
フロン類は、エアコンや冷蔵庫などの冷媒等の様々な用途に活用されてきた一方で、特定フロンと呼ばれるフロン類はオゾン層を破壊する効果を有している。また、代替フロンと呼ばれるフロン類は、オゾン層は破壊しないが、特定フロンと同様に強い温室効果(二酸化炭素の数十倍から一万倍超)を有する。このため、フロン類の排出抑制は、オゾン層保護及び地球温暖化対策の両面から、極めて重要な課題となっていた。
特に、業務用冷凍空調機器の廃棄時の冷媒フロン類の回収については、平成13年の「フロン排出抑制法」において、機器ユーザーは、機器の廃棄等を行おうとする際、機器に冷媒として充填されているフロン類を第一種フロン類充填回収業者に引き渡さなければならないこととされているが、機器廃棄時の冷媒回収率は、10年以上3割程度に低迷しており、直近でも4割弱に止まっていた。
こうした状況を受けて、産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策WG及び中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の合同会議において、廃棄時回収率の向上対策について議論が行われ、今年2月に「フロン類の廃棄時回収率向上に向けた対策の方向性について」が取りまとめられた。


鉄リサイクル工業会東北支部が外国人技能実習制度の説明会

3月14日、仙台市内「ホテルメトロポリタン仙台」において(一社)日本鉄リサイクル工業会東北支部(齋藤祐司支部長)主催の「外国人技能実習制度」の概要説明会が開催された。
齋藤祐司支部長は次のようにコメントした。
「これまでは後継者懇談会ということで様々な問題に取り組んできましたが、今回は外国人技能実習制度を取り上げ、後継者にこだわらず多くの会員の方にご参加いただけるように手配しました。技能実習制度は工業会本部でも対応を検討している喫緊の課題です。組織強化にもつながる案件であります。今後の経営に生かしていただければ幸いです」。
講師は公益財団法人国際研修協力機構仙台駐在事務所所長の佐藤邦長氏。会員・報道など17名が参加した。
使用したテキストは「外国人技能実習制度の現状と技能実習生受け入れの留意点」。
講義のポイントは次の通り。

新在留資格「特定技能」の創設
A・受け入れ対象分野―人材を確保することが困難な状況にあり、外国人による人材の確保を図るべき産業上の分野
 ・厚生労働省―①介護②ビルクリーニング
 ・経済産業省―③素形材産業④産業機械製造業⑤電子・電気機器関連産業
 ・国土交通省―⑥建設業⑦造船船用工業⑧自動車整備⑨航空⑩宿泊
 ・農林水産省―⑪農業⑫漁業⑬飲食料品製造業⑭外食業
B・受け入れ対象者
 ・1号特定技能外国人 相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有するもの。ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有するもの(受け入れ分野ごとに定める試験などにより技能・日本語水準を確認する)在留期限の上限は通算5年とし、家族の帯同は基本的に認めない。
なお、経済産業省③の素形材産業は次のようなものを指す。
素形材産業―金属などの素材に、鋳造、塑性加工の方法により形状を付与し組立産業に供給する産業。従業者数15万9000人、出荷額4兆円の一大産業である。そのうち最も出荷額が大きいのは金属プレス加工業で1兆円、次いで銑鉄鋳物業8900億円となっている。素形材加工法は大別して鋳造、鍛造、プレス、粉末冶金 (やきん) の4つの方法があるが、粉末冶金は最も新しい技術であり、新素材の開発にあたっても多用される技術である。素形材の場合、最終材はほとんどなく中間投入材であるが、その需要構造は輸送機械工業に大きく依存している。


東港金属が不用品売買のアプリを開始

東港金属株式会社グループのトライシクル株式会社(福田隆代表取締役CEO)は、企業間に特化した、リユース、リサイクル、廃棄までのマッチングを行うアプリ、「ReSACO」をリリースした。
同アプリは、OA機器やオフィス家具など、企業(売手)の不用品を最適な販売方法で買手企業にマッチングするだけでなく、買手が付かない中古品を資源として買い取ったり、産業廃棄物として処分まで行える、世界初の「B2Bサーキュラー・エコノミー(循環型経済)対応プラットフォーム」。パソコン・スマートフォンの両方で利用可能となっている。
同アプリでの販売方法は出品者が売却希望価格を提示する「フリマ」、価格だけでなく、取引条件などを含めて出品者が購入者を検討、指名する「コンペ」、優良買取業者がすぐに買取れる価格を掲示する「クイック」の3パターン。スマホアプリで写真を撮るだけで、AIが参考価格を算出する。市場化価格を調べる手間が省けるだけでなく、出品物のカテゴリ名やタグ付けもされ、簡単に出品できるのが特徴だ。また、売れ残った場合でも、全国の資源買取企業や産業廃棄物企業と提携し、資源としての買い取り、もしくは産業廃棄物として処分する手続きが簡単に行える。
リリースに際し福田隆CEOは「企業が保有する資産は廃棄時にリサイクルばかりが叫ばれますが、資源リサイクルばかりの循環は、無駄が多いと言わざるを得ません。再利用や修理が最も効率のよい循環なのです。私たちは IT 技術を活用し、企業で不要になったモノを必要とする企業にマッチングさせる、更に売れないものは資源リサイクルを促すプラットフォームの開発を思い立ちました。これが私たちのサーキュラーエコノミー対応サービスReSACOです」とコメントした。今後はさらに、リユースや廃棄だけでなく、リペア、リファ―ビッシュ、リメイク、アップサイクルなどにも今後対応していく予定だ。


第15回ガラスびんアワードに362エントリー

ガラスびんアワード

ガラスびんアワード


日本ガラスびん協会(齋藤信雄会長)が主催するガラスびんアワードにて、日本コカ・コーラ株式会社の「い・ろ・は・すグラススパークリングウォーター」が最優秀を受賞。3月13日、都内で授賞式が開催された。
式冒頭、齋藤会長は「今回のアワードには362本のエントリーがあった。今回も数多くのエントリーをいただき、デザイン性、機能性、環境性、オリジナリティなど、時代を写し出すガラスびんたちがその魅力を競い合った。近年は高度な加飾技術によりグラフィカルにガラスびんを表現する流れがあるなか、今回は透明感のあるガラスびん本来の美しさを表現し、中身をストレートにアピールする商品が際立ち、新鮮な印象を受けた。また、他素材容器でおなじみの商品がガラスびんで発売されエントリーいただくなど、あらためてガラスびんの持つ素材特性、環境特性を評価いただいたものと感じている」と挨拶した。
最優秀賞の「い・ろ・は・すグラススパークリングウォーター」は「ガラスびんに描かれた波紋のレリーフが美しく、手に持ってもオシャレでテーブルに置いても映える点などが評価された。また、PETボトルのイメージが強いブランドながら、炭酸水に耐えうる強度を持たせたガラスびんで中味を美味しそうに見せる工夫が施された商品である点なども選考理由となった。


新聞は主要メーカーで2桁減に 2018暦年の製紙メーカー別古紙消費実績

国内製紙メーカーの古紙消費量の推移
古紙消費量推移

(公財)古紙再生促進センターではさきごろ、2018暦年の製紙メーカー別の古紙消費実績をまとめた。
それによれば、2018暦年の製紙メーカー全体の古紙消費量は、1695万6812トンで前年比15万6890トン、率にして0.9%の減少となったが、上位20社では1451万7125トンで同比10万8488トンの減少となった。
順位について見ると、2018年は王子マテリア、日本製紙、レンゴー以下、2017年とほとんど順位が変わらず、上位20社では前年20位の北上製紙が22位となり、同21位の富山製紙の順位が繰り上がっている(表参照)。
また、数量に関しては板紙の好調を反映し、段ボールの消費量の多いメーカーが前年比で古紙消費量プラスとなる状況が継続している。
主要3品目の品目別の消費量は、全体では古紙の消費量は雑誌の消費量が対前年比9.7%増加したが、新聞と段ボールについてはそれぞれ9.9%、0.2%減少した。上位10社では段ボールの消費量が前年比0.3%増、雑誌が同比11.0%増と増加したが、新聞の消費量は10.3%減と2桁の減少となっている。
我が国の古紙消費は2007年の1931万トンをピークに、リーマンショック後の2009年には1679万トン、東日本大震災の翌年の2012年には1677万トンにまで落ち込んだ。その後、2015年の1698万トンを除いて1700万トン台で推移、一昨年(1703万トン)、昨年(1712万トン)には再び1700万トン台乗せとなったが、ここにきて再び1700万トン割れとなっている。(グラフ参照)
製紙メーカーの2018年古紙消費量
製紙メーカーの古紙消費ランキング2018年



廃電池のパニック売りは沈静へ 売り一巡で需給バランスも

韓国向け廃バッテリー輸出の激減と、これらの国内リサイクル市場への還流によって需給が暗転した再生向けバッテリーの炉前価格暴落は、一部精錬筋による買い止めの動き等もあって急速に冷え込んだ。回収サイドの採算割れ必至という状況の中で、廃バッテリー回収ルートからの離脱懸念が台頭。将来的には使用済み廃バッテリーの市中散乱という社会問題化等最悪のケースを想定する向きも出始めている。
足元で表面化した廃電池リサイクル需給の急激な暗転という状況でパニックに追い込まれた中間の回収筋は、更なる炉前価格の下落による採算悪化の中で、リサイクル体系からの離脱による再資源化構造の崩壊を想定する向きもある程だ。
だが、冷静に事態を分析すると、「元々のわが国の鉛2次精錬市場は、国内発生量で約2万トン、一方の精錬能力は2万トン以上というバランス実績があるのだから、季節的に発生が落ち込む3月以降は徐々にバランスに向かうのは確実だ」(某市中の専業2次精錬メーカー筋)とする見解も。
昨年末の段階でいずれ韓国の買いが再開すると高を括っていた手持ち筋が年明けになって慌てて手仕舞いに走ったのが足元の炉前急落に結び付いたものだと分析している。