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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

ステンレススクラップ

ステンレス鋼の特徴

ステンレス解体スクラップ

ステン新切れ

字義通りの意味で、Stain(錆び、汚れ、染み)Less(~の無い、~の少ない)Steel(鋼)からとったもので、西暦913年に鉄にクロム(12%)を合金することで、酸の腐食に耐える合金鉄が作られました。 化学成分としての分け方ではCr(クロム)系とCr-Ni(クロム、ニッケル)系に大別され、1920年代末にはCr13~18%のマルテンサイト系とCr18%-Ni8%のオーステナイト系、所謂18-8ステンレスが開発され、その後も新しい合金が開発されています。

ステンパーマ粉

ステンパーマ粉

耐食性、耐久性、耐火性、低温特性、意匠性、加工性とメンテナンスが容易などの特性を生かしたステンレスの主な用途は、建築金物、化学機械他の産業用、精密機械に厨房向けなどの民生用ガス器具から車両、船舶、鉄道車両まで多岐にわたっています。 国内で生産されるステンレス鋼は、年間三百二十万トン台で推移していますが、使命を終えたステンレス製品のほとんどは、専門業者の手を経て回収され、リサイクルされています。

2000年に世界で生産されたステンレス鋼は約千八百万トン。このうち日本では三百四十万トンが生産され、全世界生産の19%を占めています。我が国で生産された三百四十万トンの内、百五十万トンから二百二十一万トンが国内で消費され、残りが世界各国に輸出されています。(製品の国内用途としては、産業用で三十七万トン、家庭・業務用で二十八万トン、建設用二十七万トン、輸送用二十七万トン、電気用十二万トン、その他十九万トンで合計百五十万トン。)

ステンレススクラップの種類

解体ステンレススクラップ

解体ステンレススクラップ

様々な製品として使用されたステンレス鋼は、その使命を終えてもほとんどがステンレススクラップとして回収・選別され、再利用されています。工場から発生する端材などの新くず、その他市中から排出されるステンレススクラップは、野積みされても品質劣化がないのが特徴です。ステンレススクラップは所謂都市の鉱山として、資源小国の我が国を支えるという重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

なお、ステンレススクラップに関する代表的な品種は以下のようなものです。

  ・SUS410 *鉄に13%Crを合金したもの

  ・SUS430 *鉄に18%Crを合金したもの

  ・SUS304 *鉄に18%Crと8%Niを合金したもの