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日刊資源新報

非鉄金属(銅)スクラップ

価値の高い銅スクラップはリサイクルの優等生

銅スクラップ

銅スクラップ

銅および銅合金は、そのもの自体の価値が高価であることや、再生利用が比較的容易であることな等から、古くから自然発生的に再資源化マーケットが形成されており、現在もリサイクルの優等生と呼ばれるものの一つである。

黄銅スクラップ

黄銅

市場には、品位、形状など多種多様な銅・銅合金系スクラップが流通しているが、代表的なものとしては伸銅品の打ち抜き屑・切削屑や廃電線・ケーブル、その他は廃機器等を解体して回収する金属部品などがある。

回収された非鉄スクラップは、品位形状によって精錬所、電線メーカーや伸銅品メーカー等に向けられ、再溶解され、電気銅、電線、伸銅品の原料として用いられている。

市場規模と価格決定要因

りん青銅スクラップ

りん青銅スクラップ

資源統計月報によると、2000暦年に加工工場や市中から排出されたスクラップ総量は、銅スクラップが約74万2千トン、銅合金スクラップが約91万7千トン。これらスクラップの主要用途別の国内消費量内訳は、電線が銅スクラップの内19万4千トン、伸銅品が銅スクラップ45万9千トン、銅合金スクラップ60万8千トン、精錬が銅合金スクラップ14万9千トンとなっている。

電線スクラップ

電線スクラップ

これらスクラップの市場価格は、需給のバランスの影響も受けるが、凡そ銅分含有量に準じて国内電気銅建値にスライドする形で相場が形成されている。また、国内電気銅建値は,ロンドン金属取引所(LME)のハイグレード銅セツルメントプライス(前場の現物売値)を指標に、産銅山元(精錬所)が毎月決定(月中変更あり)される。つまりは銅・銅合金系スクラップ市況は、国際商品である銅地金の相場動向に大きく影響を受け、相場が形成されている。