日刊資源新報購読お申し込みはこちら

再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2018年7月

非鉄全連「晴耕雨読@R」を発刊 リサイクル環境推進部会が分析レポート

非鉄金属リサイクル全国連合会(非鉄全連、会長・六車龍三橋本金属社長=名古屋)はこの程、同連合会内に今年新たに発足した「リサイクル環境推進部会」(部会長・福田隆東港金属社長=東京) がネット上で発行する「晴耕雨読@R」7月号の掲載を開始した。今後月間ベースで発行する予定だ。
中国の金属資源物資に対する輸入規制以後、業界で関心を集めている銅・雑品スクラップや廃プラ等関連する資源物を巡るレポートを取りまとめたもので、今号は「中国向け銅くず輸出」「同雑品輸出」「単価」「銅くず国別輸出動向」「雑品国別輸出」「税関別銅・雑品輸出動向」「ポリ系輸出」「塩ビ系輸出」動向等10項目に渡って今年1月から5月までの実績等を分析している。
また、同部会の会合で集約された各社のコメントも掲載されており、関連事項に関心を持つ組合員の「リサイクル環境推進部会」への新規会員も募集している。
【定期会合で集約された各社のコメント】(抜粋・概要)
※雑品は滞留、雑線は比較的流通。足元の雑品の流通は品質にバラ付きの目立つリスクが嫌われて著しく悪化している。一方で利幅の確保し易い銅分42%程度の雑線の方が商売は成立し易く、流通している。
但し、10~12月の7類(雑品・雑線)の輸入ライセンスの新規発行が不透明で、9月までの輸出で中国向けは止まるのではないかと見る向きが多くなっている。
中国政府は6類も、20年までに止める考えだ。


雑誌の消費が2桁増 古紙センターまとめ2018年4~6月の古紙3品目消費実績

公益財団法人古紙再生促進センターではさきごろ、2018年4~6月期の古紙主要3品目(段ボール、新聞、雑誌)の消費実績をまとめた。
それによれば、2018年4~6月期における消費量は、段ボールが211万4396トンで前年同期比0.3%増加の微増、新聞は79万6160トンで同比7.1%減少となった。これに対し、雑誌は57万4521トンで同比13.0%増加の2桁増となっている。
見直計画の段階では3品目とも、前年同期に比べマイナス成長となると予測されていた。しかし実績では、段ボールと雑誌については前年同期を上回る結果となった。これに対し、新聞では見直計画の段階では5.5%減とされていたものが、実績では同比7.1%減少と見直計画をさらに下回る結果となっている。
品目別・月別にみると、段ボールについては、前年同月比でプラスとなったのは5月のみであったが、前年同月比が3.8%増とプラス幅が大きかったため、4~6月期でも微増となった。雑誌は4~6月、すべての月で前年同月を上回り、しかもすべての月で2桁増となっている。
これに対し、新聞は見直計画でいずれの月も前年同月マイナスとされていたが、実績でも4~6月、すべての月で前年同月を下回る結果となった。
2018年4~6月の古紙3品目消費実績(単位=トン、%)
2018年4~6月の古紙3品目消費実績(単位=トン、%)



全国びん商連合会 厚生労働省専門官講師に説明会 食品衛生法の改正で

全びん説明会

全びん説明会


全国びん商連合会(吉川康彦会長)は7月23日、都内にて、今年6月の食品衛生法の改正で同法に取り入れられたHACCP(ハサップ)について、厚生労働省専門官を講師に招き説明会を開催した。
HACCPとは、事業者が食中毒菌汚染などの危害要員を把握し、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保する衛生管理手法。近年、欧米などで義務化されており、食品衛生分野の新たな「国際基準」となりつつある。そういったなか、食品輸出の拡大を狙う政府が、東京五輪の開催を契機に国内法にこの考え方を導入したというのが大まかな背景だ。
今回の改正法では、全ての食品等事業者(製造・加工・販売など、一般にイメージする「食品事業者」のみならず、食品関係の器具・容器包装を製造・輸入・販売するものも含まれる)に対して、HACCPに沿った衛生管理計画を作成することを求めている。容器を洗浄し、メーカーに納入するびん商もこの範疇にあり、法対応への懸念が広がったことから、説明会を開催することとなった。
説明会では、冒頭、吉川会長が「リユースびんについては、将来的な資源・エネルギー問題から国として盛り立てていくという方向性は示されているが、現実としてはそうなっていない。ましてや、今回のHACCPのように新たなハードルが生まれてくることもある。連合会がそういったハードルを乗り越えていくための力になれればと思う」と挨拶。その後、厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課の奥藤加奈子氏によって、食品衛生法の改正、とくにHACCPに沿った衛生管理の制度化について1時間程度の説明が行われた。その後の質疑応答では「納入先のメーカーから今回の法改正を機に新しい設備を入れてほしいという話があった」といった意見に対し、奥藤氏は「今回の制度はあくまで今まで行っていた作業を『見える化』するというのがポイント。今後も様々な業界に向けてこういった説明会をさせていただくが、そのような勘違いをしているメーカーがあったら『厚労省に確認してみて』といってもらえれば」と新制度は新たな設備投資を求めるものでは無い旨を強調した。


日資連第46回全国大会熊本大会 より積極的な業界運営目指し

日資連全国大会

日資連全国大会


7月14日、熊本市「熊本ホテルキャッスル」において日資連(日本再生資源事業協同組合連合会・飯田俊夫会長)の第46回全国大会熊本大会が開催された。全国の会員230名超が集まり盛会だった。開会宣言に続いて今年新たに制作された連合会旗が披露された。
西原茂雄実行委員長の歓迎の挨拶に続いて飯田俊夫会長の主催者挨拶があった。飯田会長の挨拶は次の通り。
「JISによる回収システムの規格化について2年間トライしたが、関係省庁よりそぐわないと指摘を受け、断念した。残念な結果に終わったが、この事業を通して多くの業界、団体との交流が始まった。これは大きな成果だと思う。ご協力いただいた関係者の方々には感謝している。経済産業省のインドネシア・フィリピンに対するリサイクルシステム構築の支援事業、2年後に迫った東京オリンピックに向けた分別システムの紹介なども行ってきた。一定の成果を上げることが出来たと思う。資源リサイクル推進議員連盟との提携も進みつつある。古紙持ち去り問題について条例よりもさらに強固な仕組みで取り締まる方向性も検討を始めた。直近ではいわゆる雑品問題が顕在化してきた。この問題は我々の稼業を圧迫する事態になってきている。このことについても関係団体と連携して対処していきたい。私も早いもので3期目に入った。今までの蓄積を踏まえてより積極的な業界運営を求めていきたい。日資連の存在感を高めていくことが私の使命だと思っている。諸兄のご協力をお願いしたい」。
表彰式、祝電披露。第46回通常総会報告があり大会決議の宣言が行われた。次期開催地を代表して神奈川県資源回収商業組合の佐藤秀夫理事長が招聘の挨拶を行い閉会した。
総会に続いてパネルディスカッション、元広島カープ監督の古葉竹識さんの記念講演が行われた。
懇親会が行われ、連合会相談役の平林久一さんが乾杯の音頭を取られ盛会のうちに終了した。
今年の大会は良かった。単なるお祭り騒ぎではなく、業界が直面する問題に正対して取り組もうという姿勢が見られたことだ。こんなに勉強した、させられた大会は初めてだと思う。そういう認識を共有できた素晴らしい大会だった。来年の大会にこの成果が引き継がれることを切望してやまない。


ナカノ㈱「よみがえり」370万双超え 売上の一部を比国貧困層助産所に寄付

繊維リサイクルと作業用品サプライを手がけるナカノ株式会社(本社・横浜市、中野博恭社長)が、販売する「特殊紡績手袋よみがえり」が発売9年目を迎え、このほど累計販売数が横浜市の人口371万人を超え、374万双となった。
この「よみがえり」はボロを原料に生産する「反毛」を素材にした作業用軍手。同社が掲げる「エコロジーとエコノミー、両者が調和する社会を構築するためには知恵や哲学(フィロソフィー)が必要」という「エコソフィー」の理念を体現する商品で、同社の主力製品のひとつだ。これまで、再利用した不要衣類は推計178トン、Yシャツに換算して89万着に相当し、同等重量の純綿軍手と比較した場合のライフサイクル全体から見たCO2発生抑制効果は140.5トンに達した。これは305.5㎡(東京ドームの6.5倍)の人工スギ林が1年間に吸収するCO2量とほぼ同等になる。
また、2012年からは同社スービック工場(フィリピン)近くに立地し、貧困女性の安全なお産を支援するボランティア機関「バルナバ・クリニック」に同製品の売上げの一部を寄付。その累計金額は300万円を超えた。
「SDGs」という言葉が生まれる前から、粛々と実践されているナカノの「エコソフィー」という理念。我々の業界はSDGsで掲げられているゴールへ向かうための推進力となり得る大きなポテンシャルを持っていることは間違いない。また実際に、国内でもESG投資やカーボンプライシングなどの環境が着々と整備されつつあり、SDGsやパリ協定などがただの「綺麗事」では済まされない時代になってきた。本業の強みを活かした活動という点で、ナカノの取組は大いに参考になる部分がある。
バルナバ・クリニックへの支援実績(単位=円)
バルナバ・クリニックへの支援実績