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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2017年11月

小型家電リサイクル 総務省が環境省に勧告 実施市町村の26%で目標の1割以下

総務省はこのほど、小型家電リサイクルについて調査し、環境省と経済産業省に対して、取り組みを推進するよう勧告した。調査では、リサイクルを実施していた市町村のおよそ4分の1で、回収量が国の目標値の1割以下にとどまっていた。
平成28年4月現在で、小型家電リサイクル実施市町村の割合は70.3%。平成23年使用済み小型家電の発生量約65万トンを基準として、そのうち約2割に当たる14万トン(人口1人当たり約1kg)を27年度の回収目標としていたが、実績は2分の1程度の約7万トンだった。これを重く見た総務省では、22都道府県、144市町村の取組状況等を調査し、このほどその結果を公表した。
調査結果によると、26%にあたる32の市町村で、年度ごとの住民1人当たりの回収量が国の目標の1割以下にとどまっていた。また、13の市町村では売却単価が低下したことや運搬コストがかさみ、損失を出していたこともわかっている。これらの問題に対して、総務省では、効果的な回収方法であるピックアップ回収等を新たな費用をかけずに実施している市町村の取組等を情報提供することや、品目別の売却単価の設定により、売却単価を向上させている市町村の取組等を情報提供することなどを勧告した。
そのほか、リサイクル未実施市町村に関しては、近隣に認定事業者がいないと認識してリサイクルを実施困難としている市町村があることや、人口密度が低い都道府県では、認定事業者の引受場所が近隣にないことなどに起因する高額な運搬費が実施への障壁になっていることなどを課題として報告している。これらに関しては、リサイクルを実施している市町村の使用済小型家電の売却先等を情報提供することや、運搬費の低減のための取組(効率的な運搬方法の普及や必要に応じた認定要件の見直しなど)を実施することなどを勧告する。
また、個人情報保護対策について、排出時における個人情報の削除に関する周知や保管場所における施錠等の対策が実施されていない例があるとして、市町村に対し、消費者への個人情報の削除に関する周知及び保管場所等における対策の実施を徹底するよう促すことを勧告している。


容リ協 入札から引取までの期間短縮 PETボトル制度見直しで30年度上期から

(公財)容器包装リサイクル協会(以下、「容リ協」)は21日、第4回となるペットボトルリサイクルの在り方検討会を開催した。
今回は前回の検討会で希望入札制度についての検討が長引き、消化できなかった再商品化業務の効率化のための点検実施計画について、議論が行われている。今回の開催までに容リ協ではこの議事について各委員に個別に説明を行い、「ペットボトル指定法人ルート運用見直し計画案」を作成。重要な項目については、PETボトルリサイクル推進協議会、(公社)全国都市清掃会議、(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会を委員とするワーキングチームを設置し検討を進めてきた。今回の検討会ではその状況を中間報告としてまとめ、議論を行っている。
計画案では17の項目について見直しが予定されている。主な項目は①入札時期の後ろ倒し、②3カ月ルールの改正(有償分のみ)、③有償落札分ベール代金の支払い方法の変更、④有償拠出金の支払い時期の変更、⑤ベール品質についての情報共有の5つ。
①については、再生処理事業者からの廃ペットボトル市況からの影響の大きさを踏まえた、入札時期を遅らせ入札締め切りから契約・引き取り開始までの期間の短縮を求める声を受けてのもの。事業者へのアンケート調査では、大手処理業者の7割が希望していた。協会内部での検討の結果、必要なシステム変更にかかる費用は120万円程度と少額なことや、各ステークホルダーの実務的な作業を踏まえて、18日間後ろ倒しが可能であることがわかった。このことから、平成30年度上期入札から実施する方向で今後調整を進めていく。また、ペットボトル以外の3素材への適用についても実態・ニーズを踏まえて検討を行う方針だ。
②については、現状、ベールの引き取りからフレーク・ペレットなど、再商品化製品の販売は3カ月以内に行わなければならないが、リサイクラーにとっては売り時の選択肢が制限され、価格交渉において不利な立場になるケースがあるという指摘を受けてのもの。協会内部では、「再商品化」期限を3カ月以内とする「販売」期限の撤廃を見据えた議論が行われているが、ワーキングチームからは、「販売期限については何らかの制約が必要」、「販売先・用途等トレーサビリティの確保と情報開示の徹底が重要」など慎重な意見も多く、平成31年度以降の実施を目途に、引き続き今後も検討を進めていく見通しだ。
また、関連して③有償落札分ベール代金の支払い方法の変更について、市町村引取月の3カ月後月末払いとする方針。これについては平成31年度を実施目標に定めている。

中国規制受け環境省は国内体制整備へ
また、この日の検討会では、中国の固体廃棄物輸入規制に関する動向について、容リ協から経緯や対応に関する報告も行われている。
容リ協では、9月4日から10日かけて、上海で行われた第13回国際再生ポリエステル会議への参加に併せて、日本から輸入したペットボトル再生材を使用する大手再生繊維メーカー数社や中国リサイクル事情に精通する諸機関関係者を訪問し、輸入禁止措置の対応状況を把握。その結果、輸入ライセンス枠の残りも少ないことから、期限である12月末を待たずに二hンからの輸出が停まる可能性があることを確認したことを報告した。
なお、この件に関して現時点で、市町村などから30件ほどの問い合わせがあることも明らかにしている。主な内容は、独自処理市町村からの来年度の申込みや独自処理・容リルート併用市町村からの容リルート分の増量など、容リルートへの「駆け込み」が17件と半分以上を占めている。
また、中谷委員からはいわゆる「ベンダー系」と呼ばれる事業系の廃ペットボトルのリサイクルへの影響を懸念が表明された。これについて環境省からは数年先の国内処理体制の構築を視野に入れたリサイクル環境の整備に力を入れていく方針である旨、回答している。


関資連青年部 合言葉は「紙はゴミじゃない」復活後第2回の大会盛大に

関資連青年部大会

関資連青年部大会


関東資源回収組合連合会(以下、「関資連」)青年部は18日、日本再生資源事業協同組合連合会(以下、「日資連」)青年部と共に東京都資源回収事業協同組合(以下、「東資協」)青年部主管のもと、渋谷エクセルホテル東急にて青年部大会を開催した。約10年ぶりに開催された昨年の千葉大会から数え、第2回の開催となる。
開会に際し、濱田賢一青年部部長は「開催にあたって福田雄二青年部長、水野敬一会計幹事を中心に東資協の皆様には多大なご尽力をいただいた。まずもって感謝の言葉を送りたい。また今年は任期最終年度ということで、『歴史』というテーマに重きを置いて活動していきたいと思っている。先ごろ、サッカーW杯予選で私の好きなイタリアが60年ぶりに本大会出場を逃した。長年、守護神として活躍したGKブッフォン選手は『私たちが失ったものはW杯出場権だけではない』とのコメントを残した。今まで積み重ねてきた『歴史』も同時に失ったということだ。諸先輩方が築き上げてきた歴史を次の世代に着実にバトンタッチしていくことこそが、青年部の第一の使命ではないかと思っている」と挨拶。また、来賓には、日資連会長の飯田俊夫氏、関資連会長の吉浦高志氏をはじめ、関東各県組合の親会理事長や青年部顧問ら多数参席したほか、各県青年部からも多くが参加し、60名以上が集う活気ある大会となった。
第2部では、岡山県を拠点に全国各地の小学校や市民団体などで毎年50回ほどリサイクル講演を行う「コロッケ先生」こと、小六信和氏(明和製紙原料株式会社社長)を講師に迎え講演会を開催。同氏が普段小学生向けに行っている講演をベースに、小学生に興味を持たせる話し方のポイントなどを紹介。地域組合などで学校などへの出前講師を行っている青年部員も多く、熱心に聞き入っていた。以下、同氏による講演の締めの言葉から。「弊社では、今回の講演内容はもちろん、リサイクル教育、理念教育、道徳・倫理教育など、さまざまな社員教育を行っている。まずは社員さんに市民からのどんな質問にも答えられる『古紙のプロ』になってもらうことが大事。利益は後から着いてくる、と倫理的・道徳的に正しいことをまじめにコツコツとやっていけば必ず誰かが助けてくれる。古紙業界は利益率が少ない業界。だからこそ、目先の量を追いかけるのではなく、遠回りに見えても覇道や邪道ではない『王道』の経営を志していきたい」(一部要旨抜粋)。
続いて行われた懇親会では、メディア出演経験多数の女性マジシャン・シエルによるマジックショーが催され、宴は盛会のまま、講演会でのキーワード「紙はゴミじゃない!」の掛け声とともに散会となった。なお、来年度は群馬県再生資源事業協同組合連合会青年部が主管となり、同地にて開催されることが決まっている。


全国産業廃棄物連合会 業界振興法まとまる 「産廃」から「資源循環」へ法的枠組み整備

全国産業廃棄物連合会はこのほど、かねてから検討を進めてきた「資源循環を促進するための産業廃棄物処理産業の振興に関する法律案(仮称)大綱」を取りまとめ、公表した。
産業廃棄物業界は、排出事業者の処理責任の一層の強化と優良事業者の認定増加などにより業界の健全化は進んでいることに加え、循環型社会の実現と低炭素社会への寄与のため、産業廃棄物処理の単なる受け手から、産業廃棄物から資源やエネルギーを製造する創り手へと変貌する必要があるとされてきた。また災害時の廃棄物の処理の担い手や途上国における廃棄物処理のサポーターとして公的な役割も期待されるなか、中小企業が主体の業界でそれらを担うため、業そのものの本格的な振興が必要として今回の大網が立案された。
同連合会では、この法律案の立案に際し「廃棄物処理法の制定50年を迎える2020年を大きな節目として、その後の半世紀における本業界の方向性を強く意識した」とコメント。今後、自民党産業・資源循環議員連盟などを通じ、制定へ向けた取組を進めていく。
大綱で示されている法律案では、まず「産業廃棄物処理産業を営む事業者の責務」を規定し、その後に「事業者及び国民の協力」、「環境大臣による産業廃棄物処理産業振興基本方針の策定」、「国及び地方公共団体の施策」などを定め、事業者、国民、地方公共団体の協力を得つつ、産業廃棄物処理産業の振興によって、環境負荷ができる限り低減される循環型社会の実現を促進するものとなっている。
全産廃連では平成26年からNPO法人環境文明 21 共同代表・加藤三郎氏を座長として、学識経験者や業界関係者による「産業廃棄物処理業の業法を含めた振興策の検討に関するタスクフォース」を設置し、この問題について検討を重ねてきた。このタスクフォースでは有識者などへヒアリングを行ったほか、全国の産業廃棄物処理業者にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえて、技術レベルの向上、リサイクル品の品質基準の明確化と利用促進、海外展開など、6つの方策を骨格とする報告書を27年に作成し公表した。翌28年からはその実現に向けた具体策と法的手段や法的枠組みの検討を開始し、このほど大綱としてまとめあげた。
27年に公表された報告書では、産業廃棄物業界は、排出事業者の処理責任の一層の強化と優良事業者の認定増加などにより業界の健全化が進んでいることに加え、循環型社会の実現と低炭素社会への寄与のため、産業廃棄物処理の単なる受け手から、産業廃棄物から資源やエネルギーを製造する創り手へと変貌する必要があるとされていた。また、災害時の廃棄物の処理の担い手や途上国における廃棄物処理のサポーターとして公的な役割も期待されるなか、中小企業が主体の業界でそれらを担うため、業そのものの本格的な振興が必要としており、今回の大網が立案されている。

廃掃法との兼ね合いは?
また、今回の大綱について、既存の廃棄物処理法との兼ね合いを同連合会では以下の旨で説明する。「2020年以降の半世紀を見通して、産業廃棄物処理産業の人的な側面、技術的な側面等を全体として底上げしながら、適正な競争環境の下で成長し信頼される事業者を造り出していくことが、国の内外において求められる。廃棄物処理法では、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としており、このような課題の解決に適さない。そこで、本法律(案)では、以上の認識に立ち、産業廃棄物処理産業を営む者の責務をまず明記し、これらの責務を始めとして様々な役割が果たされるために、産業廃棄物処理産業の振興に関する基本方針を国が定め、それに基づく国と地方公共団体の施策の展開を求めるものである」。つまり、廃掃法が産廃処理業界にとって「規制=ブレーキ」であるならば、今回の法律案はいわば「振興=アクセル」。環境省でも、今年5月に「産業廃棄物処理業の振興方策に関する提言」を取りまとめており、これら国の動きとも絡め業界の振興を進めていく狙いだ。


日本鉄源協会 「日韓スクラップ交流会」開催 韓国の自給率80%など

日韓スクラップ交流会

日韓スクラップ交流会


(一社)日本鉄源協会では、韓国鉄鋼協会と先月25日に韓国・ソウルの必敬齋において「日韓スクラップ交流会」を開催した。日本側は日本鉄源協会、日本鉄リサイクル工業会から8人、韓国側は鉄鋼協会、製鉄メーカー、鉄スクラップ事業者など16人が出席。交流会の第1回目の2008年5月の東京から数えて今回が7回目で、前回2014年10月以来3年ぶりの開催となった。
交流会は冒頭、韓国鉄鋼協会の宋在彬副会長と日本鉄源協会の伊藤弘之理事(日本鉄リサイクル工業会副会長、大成金属社長)が挨拶。その後、韓国側より自国の鉄鋼生産及びスクラップに関する現況について説明し、「中国からのビレット輸入の減少」や「スクラップ自給率が今年80%に達する見込み」などが指摘されている。日本側は、日本の鋼材需要の推移と潜在需要の見通し、鉄スクラップ需給の内訳や輸出状況について統計資料に基づき説明を行った。
また、懇親会では、韓国鉄鋼協会の孫正根常務理事、日本鉄源協会・野原誠需給流通委員長(新日鐵住金・原料第一部原料調整室長)の挨拶で始まり、懇談のなかで韓国側から日本の自主統計などへの関連業界の協力などについて関心が寄せられたもよう。
なお、翌日には韓国にて自動車解体・再資源化を主な事業として展開している東和産業の視察も行われている。


PETボトルリサイクル推進協議会 2016年度リサイクル率は83.9%に 水平リサイクルや容器軽量化は進展

(一社)全国清涼飲料連合会、PETボトル協議会、(一社)日本果汁協会、日本醤油協会、酒類PETボトルリサイクル連絡会の5団体によって構成されるPETボトルリサイクル推進協議会(森泰治会長)ではこのほど、2016年度の活動実績を取りまとめた「PETボトルリサイクル年次報告書」をまとめたと発表したが、それによれば、2016年度のPETボトルリサイクル率は対前年比3ポイント低下。第3次自主行動計画の目標値である85%を下回る83.9%になったとしている。一方で、水平リサイクルであるボトルtoボトルについては、5万7500トンと昨年度から2万300トン増加し、高度リサイクルに進展が見られた。
また、リデュースに関しては容器の軽量化が進み、主要17種ボトル中4種で既に個別容器の修正目標を達成。指定PETボトル全体で見ると、2004年度比23.0%の削減となっており、その削減効果としては、2016年度で17万4600トン、2004年度からの累積削減量は91万9000トンに達した。


飛田テック 環境大臣賞を受賞 29年度3R推進功労者等表彰で

新潟県の有力金属スクラップヤードディーラーである飛田テック株式会社(本社・新潟県上越市、飛田剛一社長)は、先ごろリデュース・リユース・リサイクル(3R)推進協議会の実施している3R推進功労者等表彰で「事業所・地方公共団体等」分野での環境大臣賞を受賞した。受賞内容は、「使用済み自動車における3Rの取り組み」。
飛田テックは昭和48年に法人設立以降、建物解体などから出る金属スクラップの加工処理販売を中心とした廃棄物処理や自動車リサイクル事業などを展開しており、現在は金属スクラップを扱う本社工場・新潟支店、自動車リサイクルを行う新潟オートリサイクルセンター・新潟オートリサイクルセンター下越と新潟県内に4つの事業所設ける大手スクラップディーラー。特に自動車リサイクルに関しては、、平成13年より自動車リサイクル専門の新潟オートリサイクルセンターを上越市に、平成16年には新潟オートリサイクルセンター下越を新潟市に設立し、平成17年の自動車リサイクル法施行に先駆けて事業に取り組んでいる。
新潟県内で発生する使用済み自動車は月間6~7000台程度とされるが、そのうち上越では月間1100台、下越で月間1200台を扱うなど、新潟県内の使用済み自動車の3分の1を同社がリサイクルしている。また、同社では、自動車リサイクル法施行以降、大臣認定を取得し、自動車リサイクル手法としてシュレッダーダストを出さない全部再資源化に積極的に取り組んでおり、全部再資源化手法では全国トップクラス事業所として数年にわたり自動車メーカーから表彰を受けている。平成26年度、27年度の実績でも上越・下越が全国1位、2位を占めているのが実情だ。
今回の環境大臣賞受賞は、同社のこうした取り組みと実績が評価されたもの。特に全部再資源化においては、使用済み自動車の精緻解体による非鉄金属や樹脂の再資源化、そして早稲田大学と産学連携の下で中古部品活用によるCO2削減量の見える化を行うグリーンポイントシステムを開発し、加入する中古部品業者に1部品ごとのCO2削減量の報告書を送付するなど、温室効果ガスの低減に向け、先進的な取り組みも行っている。また、地域共生・地域貢献を企業理念とし、「Refuse(リフューズ)」、「Reduce(リデュース)」、「Reuse(リユース)」、「Repair(リペア)、」「Recycle(リサイクル)」の5Rの推進を行っている点も高い評価を受けている。


横浜市資源リサイクル事業協同組合 大賞作品など決定 今年も「環境絵日記展」を開催

大賞作品

大賞作品


横浜市資源リサイクル事業協同組合(神奈川区山内町 宗村隆寛理事長)ではこのほど、同協組が毎年の夏休み期間中に横浜市内の小学生を対象として募集を行っている「環境絵日記」に関し、環境絵日記大賞をはじめとする優秀特別賞25作品を決定したと発表した。
横浜市資源リサイクル事業協同組合では、2000年より「環境絵日記」コンクールを実施しており、今年で18年目を迎える。「環境絵日記」とは、環境問題や環境保全について、子どもたちが家庭で話し合ったことや自分 で考えた内容を絵と文章の組み合わせで自由に表現するもので、絵日記を通じて、小学生の頃から環境問題を家族で考え、子どもたちが環境に 対する正しい知識や意識を身につけていくことを願い実施されてきており、この18年間でのトータルの参加数はのべ21万2000人にのぼる。
今年の環境絵日記は子どもたちに「こんな"未来"になったらいいな」、「こんな"未来"にしていきたいな」というアイデアを描いてもらうべく「みんなでつくる環境未来都市・横浜」をテーマに応募が行われた。今回の応募総数は横浜市内の全小学生の13%にあたる2万3057作品にのぼったが、そのなかで栄えある大賞に輝いたのは横浜市立峯小学校3年生・勝又柚輝さんが描いた「地さん地消」という作品。
また、横浜市資源リサイクル事業協同組合では今年も横浜市との共催の下で、大賞作品も含めた優秀作品600作品を一堂に展示する「環境未来都市・環境絵日記展2017」を12月10日(日)11時により横浜港大さん橋国際客船ターミナル 大さん橋ホールにて開催することとなっており、その場で優秀特別賞の表彰式も執り行われる予定だ。なお、同イベントは市民を対象とした環境関連のイベントとしては国内最大級の規模をほこっており、同協組では、子どもたちと一緒に環境問題や超高齢化対応などの課題について考え、「誰 もが暮らしたいまち」・「誰もが活力あるまち」の実現を目指していくとしている。


電マニ目標値達成 マニフェストの電子化率ついに50%

電子マニフェストシステムを運営する(公財)日本産業廃棄物処理振興センター(関荘一郎理事長。以下、「JWセンター」)はこのほど、第三次循環型社会形成推進基本計画(平成25年5月策定)における目標「平成28年度の電子マニフェスト利用割合50%」を達成したことを明らかにした。
今年9月の電子マニフェスト月間登録件数は前年同月比10・3%の223万3000件となり、直近1年間の電子マニフェスト登録件数は2512万5000件となった。電子化率の計算方式では、年間総マニフェスト数を5000万件として計算するため、当初の平成28年度内での達成という期限にこそ間に合わなかったものの、待望の目標達成となった。JWセンターでは、電子マニフェストを利用する排出事業者、処理業者のみならず、普及拡大に協力した多くの関係者に感謝の意を表明している。
また、17日にはJWセンターの関理事長が中川環境大臣、森本環境事務次官、縄田環境再生・資源循環局長を訪問し、目標値を達成したことを報告。大臣は「電子マニフェストは、産業廃棄物の適正処理や循環型社会の形成に重要な役割を果たしている。電子化率が待望の50%を超えたが、今後とも更なる普及とビッグデータとしての有効な活用に引き続き取り組んでいただきたい」と激励するとともに、今後の方向性についてコメントしている。
第三次循環型社会形成推進基本計画では、「電子マニフェストの利用割合について平成28年度において50%に拡大する」という目標を設定。この達成を目指し、環境省ではロードマップを作成し、普及拡大を進めていた。


雑品スクラップ 規制へ中間まとめ 対象機器や業者届け出など

雑品スクラップの規制に向けた環境省による有害使用済機器の保管等に関する技術的検討会の第3回目となる会合が先ごろ開催されたが、そのなかで、これまでの議論を踏まえた中間とりまとめ案が示されている。同検討会では、雑品スクラップのなかの規制対象となる有害使用済み機器の対象範囲の指定や指定有害使用済み機器の保管及び処分の基準、また、これら有害使用済み機器の保管・処分を行う者の都道府県知事への届け出に関する対象者や届け出内容などに関し、議論が行われてきた。今回の中間とりまとめ案は、これまでの議論に基づき、規制に向けた具体的な方向性を示したものとなる。
まず、有害使用済み機器として対象となるものについては、既存制度である家電リサイクル法及び小型家電リサイクル法の対象品目である家電4品目と小型家電28品目が挙げられ、更に現場での該非判断に実効性を持たせるべく、家庭用機器との差異の判別が難しい業務用機器についても対象となっている。また、今回指定しない機器についても今後、必要に応じて追加していく方針が示され、現場調査で多く確認された湯沸器や配電盤、無停電電源装置(UPS)などに関しては更なる実態把握の上、特に考慮すべきとの文言が盛り込まれている。
次に保管及び処分の基準については、廃棄物の保管・処分を基準とし、火災防止の観点から、原因となる油、電池・バッテリー・ガスボンベなどは分別した上での保管・処分など必要な措置を講じるとしている。保管・処分の要件は、周囲に囲いを設けるとともに有害使用済み機器保管の場所であること等を記載した掲示板を設けることや、有害物質などの飛散・流出・振動・地下浸透防止などの措置を講じること。火災防止に向け、保管の高さを概ね5m以下とする。また、処分に関して、家電リサイクル法対象品目に対しては環境大臣の定める方法によることにする、などとされている。
このほか、届け出に関しては、除外対象者として廃棄物処理法の許可(一・産廃:積替保管の場合は保管のみ届け出対象外)及び家電リサイクル法、小型家電リサイクル法に基づく認定を受けたもの、再生利用認定業者(収集運搬は有害使用済機器と同等の積替保管有る業者に限り、保管のみ除外)のほか、事業所の敷地面積が100平米未満のもの、雑品業者ではなく機器の保管等を業として行おうとするもの(製造業者や販売業者、メンテナンス業者等)の考え方が示されている。


日本鉄リサイクル工業会・関東支部 若手が「錆年会」創立 石井会長「変化へ対応を」

錆年会設立総会

錆年会の設立総会


(一社)日本鉄リサイクル工業会の関東支部(岡田治弘支部長)では、鉄リサイクル業界の40歳以下の若手を主体とした「錆年会(せいねんかい)」を設立し、このほど東京・日本橋の鉄鋼会館にて創立総会を開催した。創立総会は、神鋼商事株式会社の山口一樹常務の司会でスタート。議長に石井商事株式会社の石井伸夫部長が選任され、会則、役員選定、事業計画など各議案が滞りなく承認された。また、合わせて開催された役員化において、初代会長に石井伸夫氏、副会長には下平祐平氏(栄興業株式会社)と山口一樹氏(神鋼商事株式会社)、会計に金田直也氏(株式会社カネダ)と山下耕平氏、監査に影島慶明氏(影島興産株式会社)が就任することが決まった。
錆年会は、時代の変化に対応する経営力を身につけ、各企業の持続的成長と業界の発展に貢献することを目的とし、定期的に会員同士の交流を行うほか、講演会や勉強会、視察などの規格・開催を行う方針。石井伸夫会長は「現在の業界は団塊の世代の方々によってしっかりとした土台が出来上がっているが、常に時代は変化しており、こうした変化に対応していくのが我々若者の務めだと感じている。変化で言えば例えば雑品スクラップの規制、また、現状は難しい部分もあるが、新たな販路開拓に向けたコンテナによる鉄スクラップの輸出実証など、将来を見据えた先輩の方々の取り組みに、大きな背中を見せてもらっている。今後、中小企業で通じるのか等、業界を取り巻く環境は厳しさを増しつつあるが、会を通じて経営力や変化への対応力が備わるような機会を設けていきたい」と抱負を語った。
なお、創立総会後には、日本鉄リサイクル工業会・岡田治弘関東支部長により、「錆年会に期待すること」というテーマで講演が行われた。岡田関東支部長は、自らの体験を踏まえた講演を行い、幼少時の父親の記憶や初めて社会人になった時に何を学んだか、そして業界に戻った時に何を感じたかを語り、会社は経営者一人では大きく出来ないため、「人を見る目」を養うことの重要性を説いた。また、業界の将来については「少子高齢化による国内需要の減少や韓国、中国などのスクラップ自給化から輸出国化で決して楽な業界ではなくなる。だからこそ将来を見据えてまずは勉強すること」と述べ、最後に「親を大切にしてほしい」とまとめ、錆年会会員にエールを送った。


バーゼル法見直し 輸出者に資力保証など 輸入規制緩和へ認定制度も

バーゼル法の見直しに係る「特定有害廃棄物等の範囲、再生利用等事業者等の認定制度等に関する検討会」の第2回会合が先ごろ開催された。
そのなかで、まず今後の有害廃棄物の輸出に関し、バーゼル法上でこれまで法律上明確化されてこなかった輸出先国での環境汚染防止措置に関し、環境大臣による確認事項を法的に明確化する方向が示された。近年、韓国向けの使用済み鉛蓄電池が増加するなか、昨年6月に韓国での不正処理事案が発覚したことから、バーゼル法上でより的確な審査を行う必要性が指摘されていた。確認事項としては、輸出先での処理施設の構造や環境関連規制の順守状況、排ガス・排水対策といった環境保全対策で、これら環境汚染防止措置の確認は、OECD非加盟国だけでなく、OECD加盟国であっても鉛蓄電池を輸出する場合は適用する考えを示している。
また、バーゼル条約上では当該品の輸出が不法取引等の場合、輸出者が貨物を引き取ることとなっており、特定有害廃棄物等の運搬及び処分が適正に行われない場合、再輸入や代替え措置により適正に対処することが輸出者の義務となることから、現行制度では外為法に基づいた経理能力の有無を輸出承認の要件としてきた。ただ、現行制度では、実際問題が発生した際に必要となる資力の考え方等が示されてこなかった。こうしたことから今回、問題が起きた際に輸出者が貨物を引き取る等の対応にかかる費用を確保しているか否か(資力保証)について、銀行保証や保険、その他書類で確認する案が示されている。
他方、特定有害廃棄物の輸入に関しては、再生利用等目的輸入事業者及び再生利用等事業者の認定制度についての方向性が示されている。EUでは、比較的有害性の高い電気炉ダスト、金属汚泥等の輸入についても、規制が緩和されており、特定の回収施設でリサイクル等を行う場合、最大3年間の包括的な輸入同意を与え、手続の簡素化などを導入している。
こうしたことから、我が国においても認定制度によって、認定を受けた再生利用を行う事業者は輸入承認の義務対象外とする規制緩和措置を導入することとしたもの。認定に当たっては、廃棄物処理法の規定を参考とした基準とする方針が示され、適切な処理能力や汚染防止措置、社会的に適正であるものなどとした。輸入者自らが運搬を行わない場合は運搬を行う事業者も審査の対象になることや、主要な再生利用等を行う前に破砕等の中間処理を行う場合は当該中間処理事業者も審査の対象になる考え方が示されている。なお今回、これらの認定事業者は一年間に輸入・再生利用を行った特定有害廃棄物の種類や量、輸入先国などについて毎年報告を義務付ける案も示されている。