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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2015年8月

伊藤忠商事 中国リサイクル事業で新展開 大連新緑売却、共同会社設立へ

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、岡藤正広社長)ではこのほど、連結子会社である大連新緑再生資源加工有限公司を中国の大手金属再生事業者である斉合天地集団有限公司(香港上場:代表者:塗建華董事長、方安空CEO)に売却する一方、斉合天地の株式を一部引き受ける事に合意したと発表した。また、これと合わせ、香港において斉合天地と伊藤忠商事100%子会社の伊藤忠メタルズ(岡正樹社長)、及び鈴木商会(本社:北海道札幌市、駒谷僚社長)との間で日本及び中国における総合リサイクル事業の共同会社を立ち上げるとしている。
大連新緑再生資源加工有限公司は、2010年10月に伊藤忠グループ及び鈴木商会を主要株主として大連市長興島臨海工業区に総合リサイクル会社として設立されたが、両社では大連新緑の更なる成長の為には現地の有力パートナーが必要と判断、中国の大手金属再生事業者である斉合天地に全株式を譲渡し、その操業・運営を引き渡す事としたもの。
その一方で、斉合天地の株主としての地位を確保し、伊藤忠商事の得意とするトレード等の領域に特化しつつ、鈴木商会の持つ先進的なリサイクル技術を生かした支援を行う事で、成長が期待されるアジアでのリサイクルビジネス強化を図るため、今回の一連の提携に至ったとしている。
鈴木商会は北海道内に本店含む25カ所の事業所を設営し北海道全域で事業を展開する大手リサイクラーで、伊藤忠メタルズは全国81社のリサイクル事業者のネットワーク(伊藤忠鉄原会)を構築して鉄スクラップを取り扱い、海外とも金属リサイクルビジネスを展開しているが、伊藤忠商事では、今回の業務提携を通じて、それぞれの強みと大連新緑の加工能力を活かした国際的なリサイクルネットワークを構築していく方針。他方、大連新緑の売却先となる斉合天地は、1995年設立、資本金1590万香港ドルで、香港に本社を置きつつ、中国本土の台州、寧波、煙台にリサイクル工場を有しており、4つのリサイクル拠点による金属スクラップの取扱量は主に欧米からの輸入を中心に年間50~70万トンという規模をほこる。


エンビプロHD 「リサイクル+1(プラスワン)」を 鉄以外の事業領域拡大進め

エンビプロHDの決算説明会

エンビプロHDの決算説明会


鉄・非鉄スクラップを中心とした資源リサイクル事業を展開する株式会社エンビプロ・ホールディングス(佐野富和社長)はこのほど、都内にて2015年6月期の決算説明会を開催したが、そのなかで佐野社長は「株価について、成長を予感させる業として認められていない」と感じると述べ、鉄以外のもので収益を上げる体制づくりを進め、将来的には従来のリサイクル事業に廃棄物処理、更にはコンサルティングサービス等まで手掛ける『リサイクル+1(プラスワン)』を目指す方針を示した。 既に同社ではこうしたコンセプトに基づき、ホテルやオフィスなどの什器等の中古買取・輸出等を行う「動産買取ワンストップサービス」を展開。また、BtoCビジネスとして小型家電や古紙などのBOX回収(もったいないBOX)事業や、地域における高齢者などを『片づけ弱者』と位置づけ、これらを対象に不用品の片づけなどを行うなど、従来手掛けてこなかった一般廃棄物事業等も深堀りしていく方針。太陽光発電に関しては今期14・8MWを追加し、発電容量引き上げを進めるほか、新たにネットを活用して、韓国の自動車修理見積もりアプリ「Cardoc(カードック)」を合弁事業としてスタートし、事業領域の拡大も図っていく。
更に、グループにおけるリサイクルや廃棄物処理の高度化と収益率向上に向け、焼却灰からの金銀滓回収のほか、グループ企業であるクロダリサイクルにおいて今年11月からASR再資源化ラインを稼働し、木くず等の原料と混練した燃料をセメント会社へ供給することでASR再資源化率100%を目指す。
一方、主力の鉄スクラップ事業については、相場下落等の事業環境が厳しさを増すなかで、主力の韓国向けの比率は下がると判断。「相場の下げ余地は少なくなっており、輸出の先売りで利益が出る部分も減ってくる」(佐野社長)としながらも、今後は、加工部門での利益が見込めること、更に輸出に関してもバルクターミナルの整備が遅れている地域など遠隔地への拡販を視野に入れ、直江津などを拠点として、コンテナ販売に力を入れていく姿勢を示している。
なお、スズトクHDなどとの7社による業務提携の今後の展開については、「どのような形で効率を上げていくかが課題」(同氏)としつつ、シュレッダーをグループで26基有するなどの強みを活かしながら、物理的かつ科学的な処理による『ハイブリッド型リサイクル技術』の開発やグループ内での人材交流等を通じた成長戦略の策定、次世代経営層の育成などを図っていくとした。


3年で平時の110年分処理 災害廃棄物リサイクルが国交大臣賞

内閣府などが主催する、第13回(平成27年度)産学官連携功労者表彰の国土交通大臣賞を、宮城県、東北大学、石巻ブロック災害廃棄物処理業務特定共同企業体による「巨大災害による膨大な廃棄物 世界初の大規模リサイクル利用」が受賞した。東日本大震災により、石巻ブロックでは800万トン(東京ドーム8杯分)の廃棄物が発生した。これは同ブロックでの平時の一般廃棄物発生量の110年分にあたり、この量を受け入れる最終処分場がないため、鹿島建設㈱など9社で構成する特定共同企業体で災害廃棄物のリサイクルを実施。発災後わずか3年で処理を完了させ、リサイクル率も85%を達成している。
この事業のポイントは「焼却灰の有用化」で、リサイクルの手法として、造粒固化処理を採用したことが挙げられる。従来は造粒固化処理を施しても廃棄物として扱うしかなかった焼却灰を、前処理装置(破砕・選別)の導入、鉛溶出抑制薬剤の開発等により埋立資材として利用可能な有用材とする造粒固化技術を確立。また、廃棄物の資源化等、安全性確認は特定共同企業体、安全性の評価は大学、利用計画の策定は地方公共団体が行うなど、産官学一丸となりこの問題を解決したことなども評価されての受賞となっている。
さらに、首都直下地震や国外における大規模災害時における廃棄物リサイクルの基礎を構築したことや、「災害廃棄物処理に関する今後の提言」を作成したことなど、将来の震災対応へのモデル、知見の伝達という面でも評価された。造粒固化技術は「廃棄物の焼却灰の有効利用に資する革新的技術である」として、今後も焼却灰の有効利用の切り札となることが期待されている。


環境ビジネス 動向把握や振興方策で報告書 事業拡大方針は4つに分類

先ごろ環境省から発表された推計では2013年の環境産業の市場規模は90兆円を突破、今後も成長を続ける見通しを示したが、こ環境ビジネスの動向把握・振興方策等に関して、報告書が取りまとめられている。 この報告書は先進的な環境ビジネスを展開する企業29社に取材し、「環境ビジネスの成功要因」、「行政側に求められる振興方策」について検討したもの。報告書によると、分野毎の市場環境の変化・傾向にあわせた企業・事業の拡大の方針は、4つに分類できるという。要旨は以下。
①成長市場で先行してシェアを獲得
成長市場において先行してシェアを獲得することで、市場拡大の流れに乗って企業・事業の拡大を目指す。
②地場市場から全国・海外市場へ
国内全国展開を目指す取り組みと、成長市場である海外を目指す取り組みが存在する。近年では、全国展開せずに一気に海外を目指す「地方から直接海外へ」という取り組みが増加。
③既存市場×顧客で新たな付加価値を獲得
伝統的な環境ビジネス市場においても、新たな付加価値を提供することで、売上・利益の拡大を目指す企業が存在する。代表的な取り組みとしては、機器供給、設計・施工を行ってきた企業が、維持管理市場の取り込みを目指すものや、情報・通信技術を用いて、効率的な遠隔監視や資産情報管理を行うことで高付加価値サービス・高収益の実現を目指す。
④強固な顧客接点を活用して成長市場に展開
環境ビジネスを手掛けてきた地場企業は、強固な顧客接点を構築している企業が多い。こうした企業が、既存顧客群に対して、これから立ち上がる成長市場の商品・サービスの提供を目指す事例が多数存在。成長市場における新興企業が、こうした地場企業と連携することでWin―Winの関係を構築するケースも多い。
また、報告書では、戦略、機能・プロセス、人材の3つの要素に分類し、それぞれの企業での成功要因を分析している。


ナカノ 「かながわ産業Navi大賞2015」を受賞 「よみがえり」シリーズがエコ部門で

「よみがえり」と「よみがぁ~る」

「よみがえり」と「よみがぁ~る」


ナカノ株式会社(中野博恭社長、横浜市)はこのほど、神奈川県内の中小企業の新しいサービスや製品、技術などで、具体的な効果がでた事業を表彰する「かながわ産業Navi大賞2015」(神奈川県経営福祉振興財団主催)を受賞した。 今回、環境(エコ)部門で大賞を受賞したのは同社の特殊紡績手袋「よみがえり」、「よみがぁ~る」、「レガロ」。このシリーズは反毛材で作られた軍手で、それぞれ男性用、女性用、子供用のサイズになっている。2009年に発売して以来、環境優位性がユーザーに受け入れられ、今年7月末時点でシリーズ累計224万組以上を売り上げる、同社きってのヒット商品となった。
この商品による、これまでのCO2発生抑制効果は8万4039kgで、この量のCО2を一年間で吸収するとなると、東京ドーム3・9個分の森林が必要だという。また、農薬の仕様抑制効果という点でも、純綿軍手と比較した場合、2万7201kgが抑制されている。
同社では、「よみがえり」シリーズのみならず、「エコソフィー」と呼ばれる環境配慮型の商品を複数ラインナップしている。「エコソフィー」とは、「エコロジー」と「エコノミー」が両立した豊かな社会を実現するための「知恵」という意味の、同社による造語だ。元来、同じ語源の「エコ」に端を発しながら、環境を優先すれば経済が衰退し、経済を優先すれば環境が壊れてしまう、という背中合わせの関係になってしまったふたつの言葉。この両者を再び結びつける「エコソフィー」こそ、現在、資源業界全体に求められている考え方なのだろう。


産業廃棄物不法投棄 マニフェスト料金に上乗せ 原状回復支援事業の出えん方法

環境省はこのほど開催した第4回支障除去等に対する支援に関する検討会で、平成28年度以降の基金(産業廃棄物処理事業振興財団による産業廃棄物不法投棄等原状回復支援事業)について、マニフェスト料金に上乗せする形での出捐方法に変更する方針を明らかにした。今後、マニフェスト頒布団体との調整を進め、具体的な内容を詰めていく。
不法投棄の支障除去等に対する支援については、平成3年の廃掃法の改正により、「現状回復のための方策について、速やかに検討を加えるものとする」との附則が追加されたことから、政府では専門委員会などを設置し検討を開始。その検討結果を受け、平成10年に基金制度が創設されている。その後も定期的に検討の場が設けられたものの、基金制度自体には大きな変更は無かった。しかし、平成21~24年に開催された「支障除去等に関する基金の在り方懇談会」では、産業界から負担割合や徴収方法について不公平感を訴える意見が相次ぎ、今回の検討会で28年度以降の基金の在り方について、大きくメスを入れる方針を明らかにしていた。
今回の検討会で示された、今後の費用負担の仕組みについてのたたき台では、「マニフェスト頒布団体等による基金への出えんは強制によるものではなく任意の拠出とする」との一文が記載されているものの、第3回検討会では「マニフェスト料金に上乗せという仕組み自体が『強制』と捉えられる。」との意見も上がっているため、今後、具体的にどのようなシステムで運用されていくことになるのかが注目される。

基金の出えん状況(単位:億円)

2013年までの環境産業市場規模



容器包装リサイクル協会 有償逆有償ともに下落 27年度下期PETボトル入札結果

(公財)日本容器包装リサイクル協会はこのほど、平成27年度下期PETボトル落札結果の速報値を発表した。 それによれば、トン当たりの落札単価は、有償分(事業者が同協会に支払う)が?4万973円、逆有償分が2万8756円となり、有償・逆有償合わせた単価は?3万8018円となっている。前年同期と比較すると、事業者側から見て、有償分は2万25円、逆有償分は5万1155円、それぞれ下げた。
これにより、平成27年度通期の単価は有償分が?3万4195円、逆有償分が3万2070円、合計が‐?3万897円となっている。 落札数量は前年同期から542トン減の8万9518トンで、その内訳は95・8%が有償分、逆有償分は4・2%となった。平成27年度通期で見ると、19万9888トンが落札されている。
PETボトルの再商品化については、平成24年度のポリエステル市況が急落したことにより、再生フレーク販売価格の下落と再商品化製品の販売不振が発生、多くの再生処理事業者で再商品化製品および原料ベールの在庫が急増する事態となり、市町村からのベール引取りが滞ることが懸念されたため、容リ協会では暫定的に入札回数を年2回に変更。その後設けられた「PETボトル入札制度検討会」でも、平成26以降も年2回の入札を行う方針を示していた。
年2回入札については、再商品化事業者からは事務手続きの負担増などの理由から反発の声も多く、前述の検討会でも「今後の入札状況を注視しつつ、フォローアップを行う」としている。成熟したPETボトルリサイクルシステムの構築のためには、まだまだ関係各所の努力が必要とされている。


伊藤忠メタルズ 事業承継で基本合意 住商鉄鋼販売の金属原料ビジネス

伊藤忠メタルズ株式会社(本社:東京都港区、岡正樹社長)では、住商鉄鋼販売株式会社の製鋼原料事業を吸収分割により伊藤忠メタルズに承継する基本合意契約を締結したと発表した。伊藤忠メタルズは、2008年4月に伊藤忠商事株式会社から金属原料ビジネス(鉄スクラップトレード・総合リサイクル関連業務)を承継したが、今後の更なる拡大・発展の一手を模索するなか、住商鉄鋼販売からの打診に基づき、今回の合意に至ったとしている。
伊藤忠メタルズでは、住商鉄鋼販売の製鋼原料事業は、特に関西地区の業容・業績に優れ、伊藤忠メタルズの既存事業との補完性が非常に高いこと。また東京を含めた鉄スクラップ業界での豊富な経験を有する従業員の同時承継は事業の拡大に留まらず、今後の伊藤忠メタルズ全体の発展に大いに資するものと判断。 一方、住商鉄鋼販売は、建材・製鋼原料事業再編のなかで、建材事業の再編及び製鋼原料事業の強化を図るべく製鋼原料事業を伊藤忠メタルズに譲渡する事を決めたもの。
伊藤忠メタルズが承継する内容は住商鉄鋼販売が営む製鋼原料事業全般と関連する資産、東京、大阪の事業拠点など。なお、伊藤忠メタルズでは今後、各種許認可、承認手続き等を今年12月末までに完了させ、来年1月より承継事業を行っていくとしている。


2013年環境産業市場規模推計 全産業の1割「環境」占め 2020年に100兆円市場に

環境省の発表によると、2013年の環境産業の市場規模は全体で93兆2870億円と過去最大となった。前年比では4%増、同省の推計が始まった2000年と比べると約1・6倍となっている。経済波及効果は約174兆円と、市場規模の約2倍と推計された。リーマンショック後、市場規模は一時縮小したものの、順調に回復し2011年からは3年連続で過去最大規模を更新している。さらに、環境産業に従事する人数も前年比2・3%増、2000年比でおよそ1・4倍となる約255万人となり、過去最大の雇用規模となった。
市場規模の内訳を分野別に見ると、全体の約47%の43兆7790億円が廃棄物処理・資源有効利用分野となっており、これまでの調査と変わらず最大となったものの、前年から1106億円縮小している。一方、地球温暖化対策分野は前年から4兆3792億円拡大しており、全体の割合を見ても約30%と、地球温暖化対策の進展に伴い、その存在感は日に日に増しつつある。背景としては、2004年以降、低燃費・排出認定車・ハイブリッド自動車等の成長により、「自動車の低燃費化」分野が増加したことに加え、2012年以降は、固定価格買取制度等による再生エネルギー利用の急成長に伴い、「クリーンエネルギー」分野での大幅に増加したことが挙げられよう。そのほか、環境汚染防止分野は前年から88億円減、自然環境保全分野は前年から808億円増となった。
環境産業が全産業産出額の中で占める割合も10・1%となり、環境産業が日本の経済成長に与える影響は大きなものとなっている。また、全産業産出額と環境産業市場規模の推移を比較すると、リーマンショック後、他産業が回復に苦戦する中、環境産業は比較的順調に回復・成長を続けている(右下図参照)。さらに付加価値額においても、全産業の付加価値額(GDP)と比較して、同様の傾向が確認でき、環境産業が経済全体に与える影響が大きくなっていることがよくわかる。
また、今回の調査では2020年までの将来予測もされており、環境産業全体は拡大基調で推移し、2020年には100兆円市場にまで達すると推計された。分野別では、再エネ関連が2012年の約2倍の額になるなど、地球温暖化対策が2013年から3兆円以上増加し、大幅に拡大する見通し。そのほかの分野でも、微増傾向で推移すると見られている。 なお、輸出額を見ると、2013年は大台を突破し、約10兆1279億円となった。ここでも地球温暖化対策分野が急速に拡大、なかでも低燃費・排出認定車・ハイブリッド自動車が大きな割合を占めている。また、輸入額も3兆1112億円と増加している。

分野別の市場規模推移(単位:億円)

2013年までの環境産業市場規模



リユースモデル事業 NPO2団体を採択 市町村による手引書もまとめ

環境省はこのほど、今年度実施する使用済製品等のリユースに関するモデル事業について、2件の事業を採択したことを発表した。
今回採択されたのは、中部リサイクル運動市民の会と、sopa・jpの2つのNPO法人の事業。今年度のモデル事業からは、住民同士の交流促進や地域の活性化等の効果が期待される、地域の様々な主体によるリユースを拡大していくため、事業主体をこれまでの都道府県・市町村に加えて事業者、NPO団体、大学等も対象に事業内容提案型のモデル事業として募集していた。
採択された中部リサイクル運動市民の会の「日本国内のチャリティーショップ運営団体のネットワーク化事業」は、同NPOで実施しているチャリティーショップについて、同様の活動を行っている団体の状況(寄付点数・寄付者数、リユースできなかったものの処理方法、他団体との協働状況等)や課題について調査・整理する。また、関係団体による会議を開催して調査結果を報告し、今後のチャリティーショップの在り方を検討することで、日本におけるチャリティーショップの普及・啓発に寄与し、リユースに取り組む非営利活動団体のネットワーク化を図る。この事業で対象となるのは、衣類、本、くつ、かばん、食器、日用品など。
一方、sopa・jpの事業は、「リユースforキッズ」。企業から不要になったパソコン等を10台回収するごとに教育機関に対してリユースパソコンやタブレットを提供するというもの。併せて環境やICTを楽しく学べるプログラムを提供することで、企業における情報機器のリユースの促進と子どもに対する環境学習の推進、子どもを通じた地域住民のリユース促進を図る。
環境省では平成22年度から「使用済製品等のリユース促進事業研究会」を開催し、調査・検討・モデル事業による実証などを行っている。このなかで、地方自治体が収集する粗大ごみのうち1~2割程度が、中古品として販売が可能とのデータが得られており、使用済製品のリユースを促進することで、廃棄物の処分量の削減が期待できるとした。なお、平成23年度から平成26年度にかけて行われた都道府県、市町村によるリユースモデル事業の成果については、「市町村による使用済製品等のリユース取組促進のための手引き」としてまとめられている。


廃棄物処理法 災害時の一般廃棄物処理関連改正 無許可業者への再委託可能に

政府は災害発生時の廃棄物処理に関連した廃掃法の改正する省令を7月17日に公布した。施行日は8月6日となる。 改めて整理すると、今回の改正のポイントは、①各都道府県の廃棄物処理計画の中で定める非常災害時における廃棄物の適正処理に係る基準の制定と、②非常災害時における一般廃棄物の再委託の規制緩和。
①としては、廃棄物の減量その他その適正な処理を確保し、生活環境の保全および公衆衛生上の支障を防止するための措置に関する事項、非常災害時においても一般廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制に関する事項、産業廃棄物処理施設の整備に際し非常災害に備え配慮すべき事項が新たに定められた。 ②としては、市町村から一般廃棄物の収集・運搬・処分又は再生を受託した者が再委託する際の基準を定めるとともに、一廃収集・処分の許可を持っていない者に対しての再委託も認められることとなる。
そのほか、改正法により新たに追加された、非常災害時に市町村が設置する一般廃棄物処理施設に関する都道府県知事への事前協議の方法や、非常災害時に一般廃棄物の処理の委託を受けた者が一般廃棄物処理施設を設置する場合に係る届出、当該施設の維持管理に関する事項、当該施設に関する記録およびその閲覧、事前届出を要しない軽微な変更、届出を要する変更などについて定めた。


日本ガラスびん協会・ガラスびん3R促進協議会 「環境優位性アピール必要」

2団体による記者会見

2団体による記者会見


日本ガラスびん協会とガラスびん3R促進協会は7月17日、合同で平成27年度の事業計画説明会を開催した。冒頭、開会にあたっての挨拶では、今年度から両会の会長に就任した山村幸治氏(日本山村硝子株式会社代表取締役社長)が、昨年ガラスびん協会が実施した消費者意識調査の結果に触れ、今後の巻き返しを誓った。
「ガラスびんは3Rの優等生と言われ、多くの関係者の努力と尽力に支えられて社会インフラのひとつとして機能し、多くの方々に親しまれている。しかし、消費者意識調査では、『環境にやさしいと思う容器』の設問で、2008年58・3%で第一位だったものが、今回は36・6%となり、紙パック、PETボトルに続く第3位となってしまった。ガラスびんは素材の持つ安定性から安心・安全な容器、何度も再生可能な容器ということで世間から定評を得ているものと思っていたが、誠に遺憾ながら、消費者の皆さんから、その認識が著しく薄れているという、衝撃的な結果が判明した。 この結果は、両会の活動を進めるにあたり、大きな課題として認識しており、ガラスびんの環境優位性について改めてアピールしていかなければならない。また、容リ法の見直し審議は少々停滞しているものの、現在も継続中だ。今後、具体的な答申に進んでいく予定であるため、ガラスびんの3R推進の取組を国家的にアピールしていく必要がある」。

「銭湯企画」をスケールアップ 2団体が事業計画発表
日本ガラスびん協会の今年度の事業は、広報活動として、今年で4年目を迎えた「びんむすめプロジェクト」に新たに4名の「びんむすめ」を迎えることや、昨年に引き続き、全国清涼飲料工業会と東京都内の銭湯とコラボレーションして「夏休み!ガラスびん×地サイダー&地ラムネin銭湯2015」を開催することなど、5事業を展開。この「銭湯企画」は、7月18日~9月6日の期間開催され、サイダーは10種登場、参加銭湯も13ヵ所に上るなど、昨年からさらにスケールアップした。期間中の毎週日曜日には先着20組の家族に、地サイダー1本をプレゼントする。また、今年もガラスびんアワードや、人気ブロガーによる「ガラスびん応援隊」などの活動も実施する。
環境活動への取組としては、エネルギー使用量で1990年比47・5%、CO2排出量で60%を掲げる2020年の削減目標の実績フォロー(2013年実績はそれぞれ46・4%、53・3%)など、3事業を計画している。
そのほか、ガラスぴん強化技術の共同研究、ガラスびん業界の技術伝承講座の開設、容リ法改正に向けた3R促進協との連携、各種調査事業への協力と参画、海外の業界団体との交流及び海外情報の入手、物流用パレット協同回収による回収強化などを計画している。また、先月に改正されたJlS S2350(容量表示付きガラス製びん=丸正びん)についての周知も実施する。