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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2015年3月

内需に盛り上がり欠き 需要見通し微増で銅関連市場の停滞長期化か

非鉄金属ベースメタルの主力となる銅地金関連需要業界の新年度 (平成 27年度) 需要見通しが相次いで発表されているが、 政策レベルでの明確な内需喚起策に乏しい掛け声倒れの実情が明らかになっている。全体的な伸び率の動きを見ても、 主力伸銅業界の平成26年度 (平成26年4月~27年3月実績見込み) 需要量は81万4900トンで、 3年ぶりとなる80万トン台乗せを果たしたものの、 この程発表された新年度平成27年度の需要見通しは81万6900トンで辛うじて0・2%の微増という状況に止まっている。
最大の銅地金需要業界のもう一つ電線業界の需要見通しも、 25日の定例会見で発表されたが、 業界関係筋の見通しでは伸銅業界同様の実質横這い見通しと共に伸び悩むという深刻な状況が続いている。特に内需部門に関する低迷ぶりは深刻で、 既に需要見通しが明らかになっている伸銅業界の新年度見通しは67万4070トンで、 前年26年度実績見込みの67万2500トンに比較して0・2%増にとどまり、 輸出向けの14万2830トンが辛うじて前年度 (14万2400トン) 比で0・3%の微増となっている。
全体の傾向を探って行くと、 伸銅・電線業界共に内需においては電子・弱電関連と海外市場における自動車向け部門での牽引に期待を繋ぐものとなりそうだ。電線業界のここ数カ月の出荷動向を見ても、 1月までの実績で4カ月連続という対前年同月比減少が継続、 特に需要分野で最大の40%を占める建設・電線販売部門は昨年 12月から月間3万トン台割れという事態が続いている。
需要見通しが明らかになった伸銅業界の需要分野で期待されているのは、 内需部門での電子・弱電部門向けと、 独り勝ちの米国や景況低迷ながらも根強いニーズがある中国向けという自動車生産関連の需要増加が期待されている程度で、 その他は海外マーケット向けを視野に入れた期待値が先行したもの。
内需関連部門のうち住宅関連部門向けは依然として深刻な状態が続きそうだ。


古紙再生促進センター 輸出委員会が本格稼働 27年度の事業計画発表

公益財団法人古紙再生促進センターは3月17日、 通常理事会を行い、 平成27年度の事業計画と収支予算などを決定した。事業計画書によると、 古紙リサイクルは回収率、 利用率ともに高水準に達しているが 「循環型社会への移行に伴い更なる向上が期待されている」 とし、 また利用者である製紙業界からも古紙品質の維持・改善が求められているなか、 古紙リサイクルを前進させていくために、 古紙の品質保持を基本に、 国内のみならず、国際的なリサイクルに係わる諸問題に対応していくとしている。また、 昨年末に設立した輸出委員会が本格的に活動を展開していくことや、 地区委員会活動の活性化などに取り組むことも計画されている。 以下に27年度事業計画概要を紹介する。

・ 古紙品質安定対策事業  
 地方自治体における廃棄物の更なる減量や紙リサイクル促進の観点から、 雑がみ・オフィス古紙の回収が進められている状況を踏まえ、 古紙品質の維持向上を図るため、 以下の古紙品質安定対策事業を行う。
 ①古紙品質調査事業―古紙開梱組成調査を製紙メーカー協力のもと引き続き実施する。
 ②古紙品質情報ネットワークの運用―関東地区における製紙工場での品質トラブル情報を他社他工場、 古紙問屋へ伝達する。
 ③ 個別古紙品質対策―昇華転写紙、 感熱性発泡紙、 臭い付き紙の混入防止等、 禁忌品対策を実施する。

・ 調査研究事業  
 古紙の回収や利用の促進及び古紙利用率目標並びに安定的な輸出に資するために、 以下の方針に基づき各事業を推進する。①中国やその他の国々の紙リサイクル状況や輸出の現状の把握、②古紙の回収利用促進、③リサイクル対応型印刷資材の開発とそれらを使用した印刷物の普及拡大、④新規用途実態調査などの調査研究事業を実施する。
 a.雑誌・雑がみ・オフィス古紙調査―雑誌・雑がみ・オフィス古紙の排出・回収・流通・利用実態を調査分析し、 その問題点の解決や今後の利用拡大に向け調査し検討する。
 b.古紙品質規格調査―禁忌品に関する見直し調査を実施する。
 c.海外古紙調査―今後も需要が見込まれる東アジアや東南アジア諸国の現状を把握し、 将来当センターのカウンターパートとなりうる組織等の可能性について調査する。  海外統計調査―海外の統計を収集、 整理、 公表する。
 d.新規用途実態調査―製紙原料以外の用途拡大の可能性について調査する。
 e.中国市場調査―第4回日中古紙セミナーの開催等により、 中国の古紙関係者の交流事業を引き続き実施する。  
 f.地方自治体古紙関連施設調査―区市町村へのアンケート調査を継続して実施する。
 g.古紙ハンドブック―古紙ハンドブックを発行 (隔年) する。
 h.リサイクル対応型紙製商品の開発促進 統計調査

・ 古紙余剰緊急対策事業
 紙リサイクルシステムを維持するため、 状況の変化に応じて対応が必要と判断される場合には検討のうえ、 緊急対策を実施する。


容器包装リサイクル法 再商品化率95%超え 25年度分別収集再商品化まとめ

環境省は、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容リ法)に基づく市町村における平成25年度の分別収集及び再商品化の実績を取りまとめ、このほど発表した。 分別収集実績について、全市町村に対する分別収集実施市町村の割合は、ガラス製容器、ペットボトル、スチール製容器、アルミ製容器が前年度に引き続き9割を超えた。
また、分別収集量について無色のガラス製容器、その他の色のガラス製容器、紙製容器包装、ペットボトル、プラスチック製容器包装、アルミ製容器、段ボールは増加し、茶色のガラス製容器、スチール製容器、飲料用紙製容器については減少している。
再商品化実績については、市町村において分別収集され再商品化計画に基づき再商品化事業者に引き取られた量(再商品化量)は、無色のガラス製容器、その他の色のガラス製容器、紙製容器包装、ペットボトル、プラスチック製容器包装、アルミ製容器で増加がみられた。
また、市町村の分別収集量に対する再商品化量の割合(再商品化率)は、アルミ製容器、段ボール製容器が98%以上と高く、容器包装リサイクルの全体では95・7%となっている。
ペットボトルについて、指定ペットボトルの販売量は23年度が60万4000トン、24年度が58万3000トン、25年度が57万9000トン(PETボトルリサイクル推進協議会調べ)となった。この生産量に対する市町村分別収集量の比率(市町村回収率)は、23年度が49・3%、24年度が51・3%、25年度が52・2%で前年度と比べて増加している。
また、PETボトルリサイクル推進協議会の調査によれば、25年度における事業者が回収した量(事業系)は約22万7000トンであり、これも含めた回収率は91・4%となる。

25年度分別収集・再商品化実績



出典:環境省




廃バッテリー 韓国の買い気は旺盛 唯一の懸念は高値競争の継続

我が国からの使用済み廃バッテリー輸出通関量が高いレベルで推移しているが、 2月輸出量は国内発生の低下と一時的な内・外相場の値下がりによる手持ち筋サイドの売り控えが表面化したことで、 1月実績の7467トンから5000トン台近辺にまで落ち込んだ模様だ。ただ、 韓国市場での廃バッテリーに対するニーズは依然として衰えを見せておらず、 2月輸出の激減については相場下落に伴う一時的な供給減少がもたらしたものとの判断が一般化、 3月以降は再び回復するのではないか見る向きも多い。
我が国からの使用済み廃バッテリー輸出は、 近年その殆んどが我が国に比較して新しい製錬設備を持つ韓国2次業界向けにドライブがかけられており、 特にここ数年は輸出通関全体の99%以上が韓国向け輸出で占められている。過去1年間の推移で見ても、 昨年1月が8978トン (韓国向け100%)、 2月が8712トン (99・5%)、 3月8738トン (99・8%)、 4月8739トン (99・6%) とほぼ全量が韓国向けで、 14年の暦年輸出も9万8032トン中9万7634トンで全体の 99・3%に達している。
韓国の廃バッテリーに対する高いニーズの下で続いていた我が国からの輸出通関量が1月通関の7439トンから2月の推定5000トンと33%以上も激減した背景に挙げられているのは、 LME鉛相場安による一時的な国内相場の下げによる手持ち筋の売り控えよるものとの判断が大勢を占めている。 特に最近韓国国内で増加している再生鉛地金の米国向け輸出増という新たなマーケットの下で、 現在も国内廃バッテリー回収業界に対する引き合いは1月の状況と殆んど変わっていないというのが実情だ。
問題は、 韓国2次製錬サイドの高値買い競争の激化によるコスト問題にあるとの分析も。単純計算で、 使用済み廃バッテリーの歩留まり約50%に対して、 トン930ドルで購入すれば、 1トンの再生鉛を生産するのに1800ドル以上が必要なわけで、 足元のLME鉛相場 (電気鉛) 1700ドル台際では加工賃も出ないという異常な高値買いが続いていることにそもそもの問題点があることになる。


スズトクHDとエンビプロHDの提携 新たに4社参加 海外展開見据えたRメジャーに

6社業務提携の記者会見

6社業務提携の記者会見


鉄スクラップを中心とした総合リサイクルを手掛けるグループ企業を統括するスズトクホールディングス株式会社(本社・東京都千代田区大手町、伊藤清社長)では、株式会社エンビプロ・ホールディングスとの間で昨年12月に締結した包括業務提携に、今回新たに株式会社イボキン(本社・兵庫県たつの市、高橋克実社長)、株式会社やまたけ(本社・東京都足立区、山口章社長)、株式会社中特ホールディングス(本社・山口県周南市、橋本ふくみ社長)、株式会社マテック(本社・北海道帯広市、杉山博康社長)の4社が加わり、6社間での包括業務提携を締結し、このほど6社参加の下で会見を行った。
今回の業務提携の目的は6社の保有する経営資源を最大限活用し、北海道から中国地区を中心までをカバーする体制を構築しつつ、独自性ある技術及びビジネスモデルを確立し、日本の「リサイクルメジャー」としてアジアを中心に海外事業を促進し、欧米諸国との大規模な同業者との競争を視野に入れたグローバルな展開を目指すとしている。提携内容は、営業企画や共同仕入れ・販売、技術ノウハウ、遵法・コンプライアンスなどの9項目で、今後は定期的な会議を開催して協力を進めていくこととなる。
会見で6社代表して説明を行ったスズトクHDの鈴木孝雄グループCEOは、「昨年12月のエンビプロHDとの包括業務提携から僅か3カ月で同じ志を持った4社が賛同してくれた」とし「リサイクルメジャーを早く形作りたい」と語った。
更に「欧米では集約が進み大規模企業が複数成立している。一方で、リサイクル事業に関しては、日本完結に留まらず、東南アジアにまで活動の範囲が拡大しているが、海外市場には既に欧米のメジャーが進出しており、これらの企業との競争は必至だ。今後10年を見据えれば、日本でも1000億円を超える規模の事業者でなければグローバルな競争を勝ち抜くのは難しい。そして単体よりも企業同士が協力して進めていくほうが企業規模を早く大きく出来る。方向性としてはオープンな組織として参加者を更に募り、5年以内に売上高2000億円規模、日本全国の50%以上の地域で排出企業等に対し同じレベルのサービスを提供しつつ、国外でも日系企業の受け皿となるべく体制を整えたい」との意気込みを示した。
また、昨年スズトクHDとの業務提携にいち早く動いたエンビプロHDの佐野富和社長は「量を増やすことには質を伴わせることが重要で、上場に向け弊社はコンプライアンスを非常に重視してきた。今後、この仲間でコンプライアンスを営業力としながら、各社の持つノウハウを共有化し、将来的な海外展開だけでなく、国内向けにこれまでのBtoBだけでなくBtoCビジネスの展開や、PPPでの自治体のゴミ処理事業などの委託の受け皿になるといったこれまでと大きく異なるビジネスモデルの確立を目指したい」と述べた。


古紙 全国初「常習性」盛り込む 板橋区の持ち去り禁止条例

板橋区議会はこのほど、古紙などの資源物持去り問題に関して、全国初となる「持去り常習者」への厳罰を含んだ条例案を可決した。 4月1日から施行されるこの条例は、既に罰則を設けている他の自治体と同じく、資源物の持去り行為を繰り返す者について、20万円以下の罰金刑に処することになる。さらに、板橋区では罰金刑に処されてもなお、持去り行為を繰り返すものに対しては、50万円以下の罰金刑に処することとした。持去り行為に対する条例で「常習性」を規定するのは東京23区で初のことであり、全国的に見ても例を見ない取組だという。
板橋区では昨年1月に関東製紙原料直納商工組合(以下、「関東商組」)と覚書を交わし、GPS調査に協力、持去り古紙を受け入れている問屋に対して行政指導を行うなど、対策を講じてきたが、これまで罰則条例は制定していなかった。このほどの板橋区の条例改正により、東京23区で罰則条例を制定している区は14区となっている。
また、昨年末には、板橋区を含む15の特別区と、関東商組、日本製紙連合、東京都資源回収事業協同組合の4者で、持ち去り問題に対する覚書が締結されており、その効果が表れたと言える。さらに、板橋区では条例施行と同時に民間警備会社を利用したパトロール事業も開始。区内の警察署とも連携しながら悪質な持ち去り行為者を徹底的に追い込む姿勢を見せている。
板橋区に事業所を構える回収業者は、この新条例に対して「うちも被害にあっている。複雑な思いはあるが、集団回収にも良い影響があれば…」と、淡い期待を寄せた。


経産省 松田・太平洋とエコネコルを採択 リサイクル優先レアメタル回収技術開発

経済産業省はこのほど、平成26年dの補正予算事業として行っていた「リサイクル優先レアメタル回収技術開発・実証」事業の公募に関して、審査の結果、松田産業株式会社、太平洋セメント株式会社の共同提案と株式会社エコネコル(本社・静岡県富士宮市、佐野文勝社長)の提案を交付先として採択すると発表した。これは同省・産業技術環境局リサイクル推進課が今年1月27日から行ってきた公募事業で、テーマは「次世代自動車用使用済みリチウムイオン電池からのコバルトリサイクル促進事業」。
コバルトは国内需要の大半がリチウムイオン電池の正極財として使用されているが、産出量の5割以上が政情不安な国に集中していることによる素材の供給リスクが存在している。国内的にはリチウムイオン電池製造分野でのコバルトの省使用化・代替化が進みつつあるが、次世代自動車の普及に伴い、今後使用済みリチウムイオン電池の排出量の一層の増加が見込まれるため、コバルトはリサイクルによる供給確保を重点的に進めるべきレアメタルの1つとなっている。
我が国における次世代自動車用使用済みリチウムイオン電池からのコバルトリサイクルを進めるため、電池を回収し効率的にコバルトを抽出回収するための技術等の実用化に向けた実証が今後、今回採択された企業によって進められることとなる。


日本製紙 富士工場と吉永工場を統合 原料調達窓口を一本化

日本製紙株式会社(本社・東京都千代田区、馬城文雄社長)では先ごろ、今年4月1日より同社の富士工場(静岡県富士市蓼原600)と吉永工場(静岡県富士市比奈798)を統合し、統合後の名称を「富士工場」とすると発表した。吉永工場は4月1日以降も従来通り荷受けを行うが、統合後の原材料調達の窓口としては、富士工場に一本化される。
富士工場と吉永工場は同じ静岡県富士市にあることから、これまでも原材料の一元調活や情報共有などで協業化を図ってきた。しかし、人口減や高齢化といった構造的要因に加え、電子媒体へのシフトなどにより国内の紙・板紙事業を取り巻く環境は一段と厳しさを増していることから、両工場の統合を図り、運営の更なる効率化を図るとしている。
両工場は、富士工場が印刷用紙、色上質紙などの紙を年間14万トン、吉永工場が段ボール原紙、白板紙の板紙を年間約46万トン、紙を同約2万4000トン(いずれも2013年実績)生産している。


ガラスびん協会 「びんむすめトラック」出発 「地域」と「地域」結び人々にアピール

テープカットの様子

びんむすめトラック出発式


日本ガラスびん協会(石塚久継会長)は「びんむすめプロジェクト」の新たなキャンペーンとして「びんむすめトラック」を開始し、さきごろ、石塚硝子(愛知県岩倉市)で出発式を開催した。 同協会では「地域」をテーマに、2012年から同プロジェクトをスタート。酒造メーカーや飲料メーカーなど、ガラスびんにゆかりのある地域企業で働く“看板娘”たち「びんむすめ」が、ガラスびんの一般向けプロモーション活動を行っている。
その「びんむすめプロジェクト」の一環として行われた今回のキャンペーンは、日夜、ガラスびん輸送に使われ、「地域」と「地域」を結んでいる大型トラックに「びんむすめ」をラッピングし、同プロジェクトを多くの人にアピールするというもの。
出発式では石塚硝子と日本山村硝子の2台のラッピングトラックがお披露目され、テープカット、ゴールデンキー授与、交通安全祈願品授与などがなされた後、出発となった。


2014年国内古紙消費量 前年比0.9%増の1709万トン 紙の不振反映し古紙需要に差

(公財)古紙再生促進センターではさきごろ、2014年暦年の製紙メーカー別の古紙消費実績をまとめた。それによれば、製紙メーカー全体の古紙消費量は、前年比15万8902トン、率にし0・9%増加の1709万2822トンでとなった。メーカー別の上位20位までの順位は下表の通りとなっており、3位のレンゴー(前年比2・0%減)、4位の大王製紙(同比0・1%減)、5位の王子製紙(同比2・7%減)、9位の丸住製紙(同比0・9%減)、11位の北越紀州製紙(同比1・9%減)以外はいずれも前年比で古紙消費量を伸ばしている。上位20社の古紙消費量は全体の84・0%を占め、前年より0・5ポイント上昇した。また、順位は2013年8位だった丸住製紙と同9位のいわき大王製紙が入れ替わった以外の順位変動はなかった。

製紙メーカーの2014年古紙消費実績

出典:(公財)古紙再生促進センター


主要3品目の順位を品目別に上位10位まで見ると、新聞=①日本製紙、②王子製紙、③大王製紙、④丸住製紙、⑤中越パルプ工業、⑥いわき大王製紙、⑦北越紀州製紙、⑧大阪製紙、⑨王子マテリア、10エコペーパーJP、雑誌=①王子マテリア、②日本製紙、③北越紀州製紙、④大王製紙、⑤興亜工業、⑥レンゴー、⑦いわき大王製紙、⑧特種東海製紙、⑨大津板紙、10王子製紙となっており、この2品目については1位?10位までの順位は前年と変わらなかった。もっとも、上位10位まででは新聞については3位の大王製紙(前年比3・0%増)と5位の中越パルプ工業(同比0・3%増)が、雑誌については1位の王子マテリア(同比2・8%増)と3位の北越紀州製紙(同比0・9%増)、9位の大津板紙(同比4・0%増)のみが対前年比で消費量を伸ばしており、そのほかの各社はいずれも消費量を落としている。
これに対し、段ボールは①王子マテリア、②レンゴー、③日本製紙、④特種東海製紙、⑤大王製紙、⑥興亜工業、⑦福山製紙、⑧いわき大王製紙、⑨丸三製紙、10愛媛製紙の順となっており、前年4位であった大王製紙と同5位の特種東海製紙、同8位であった丸三製紙と9位のいわき大王製紙の順位が入れ替わった。また、段ボールに関しては2位のレンゴー(前年比1・9%減)以外のメーカーは消費量を伸ばしており、紙需要の不振と板紙需要の好調を鮮明に示す結果となっている。
我が国の古紙消費は2007年の1931万トンまでは順調に推移してきたが、2007年をピークにリーマンショック後の2009年には1679万トン、東日本大震災の翌年の2012年には1677万トンにまで落ち込んでいる。2012年以降は2013年=1693万トン、2014年=1709万トンと復調してきているが、かろうじて1700万トン台に乗るにとどまった。


環境省 中古衣類の回収拡大へ 使用済み製品リユース促進事業研究会で

環境省は2月23日、第16回となる使用済みリユース促進事業研究会を開催した。 今会合では、今年度の市町村における使用済製品リユースモデル事業の進捗状況の報告、23~25年度のモデル事業のフォローアップ調査や取りまとめなどが議事に上がった。そのほか、前回、各企業からヒアリングを行った、中古衣類やネットオークション・宅配リユースなどのリユースビジネスの現状について、さらに調査を進め、中間とりまとめとして報告されている。
中古衣類の海外リユースに関しては、輸出量や輸出単価の状況や、日本繊維屑輸出組合の会員企業から抽出した事業者に新たに行ったヒアリング調査の結果などが報告され、次の旨の課題が挙げられている。①再利用されず廃棄される量の割合は古繊維業者により異なるが、多くが数%程度。この量をさらに減らすために、汚れたものや濡れたもの入れない、雨の日に回収しないなどの市民・市町村による排出・回収時点での周知徹底が求められる。②日本からの中古衣類の品質に対する評価が高まっていることや、途上国における経済発展が進むことで購買層の拡大が予想されることから、回収量の増加を望む故繊維業者は多い。一方、市民からの主要回収ルートである資源回収、集団回収を実施している市町村は4割に留まる。異物混入防止の徹底と合わせ、市町村による回収の拡大が望まれる。
なお、同研究会では来年度以降の事業として、リユース全体の認知度向上・普及啓発、事業者向けリユース促進、地域向けリユース促進、リユース促進に係る修理(リペア)に対する調査の4つを挙げている。具体的には「リユース白書(仮称)」の作成及び情報発信、公的機関・企業向けリユースガイドラインの作成、自治体職員向けリユースセミナーやリユースキャラバン(仮称)の実施、NPO等を対象とした「四方良しリユースモデル事業」(仮称)の実施などが挙げられた。


容器包装リサイクル PET買取価格3万円下げ 27年度再商品化事業者入札結果

(公財)日本容器包装リサイクル協会は、2月18日、さきごろ行われた平成27年度の再商品化事業者の入札で、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装およびプラスチック製容器包装、各素材の選定事業者が決定したことを発表した。発表によると、プラスチック製容器包装再商品化事業者(白色トレイを除く)の選定における上限値は、8万2000円/トン(消費税抜き、価格に関して以下同じ)となっており、26年度の9万3000円/トンから1万1000円下がった。
また、同協会では、速報値として落札単価を公表している。発表によると、ガラスびんについて、落札数量は、37万430トン(前年度から6270トン増)、落札単価は5577円/トン(前年度より183円上昇)、びん原料の用途別比率は、全体の72・4%(前年度比2・6ポイント減少)となった。また、5つの保管施設に有償入札があり、2195トン分(無色1829トン、茶色366トン)が有償となっている。
PETボトルに関して、上期落札数量は、平成27年度市町村申込量19万9916トンの55・2%に相当する11万370トン、落札単価は-2万3413円/トンで、平成26年度(上期)より3万1426円安くなった。
有償分落札数量は10万4490トンで、全体量の94・7%。落札最低価格は‐4万6000円/トン、落札最高価格は38万2685円/トンとなった。
なお、この数値については、3月31日の再生処理事業者との契約締結までに変更となる場合があり、同協会では、確定値や詳細については4月上旬にホームページ上で公表する予定。この入札選定においても、材料リサイクルによる再商品化製品が一定の品質基準を満たす再生処理事業者施設が優先されることとなっており、同協会ではこの優先判断基準となる各社の品質測定結果をホームページ上で公表している。

平成27年度落札平均単価及び数量



出典:日本容器包装リサイクル協会(http://www.jcpra.or.jp/