日刊資源新報購読お申し込みはこちら

再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2015年11月

中国再資源化産業 厳冬で業態転換も 日用品販売等への参入相次ぐ

中国経済の減速を背景とした世界的な資源相場の下落だが、発端となった中国での国内再資源化業界も厳冬の時代を迎えているようだ。現地ニュースによれば、2015年上半期における一定規模以上の再生資源総合利用事業所数は1500社弱と2011年の1000社程度から数は5割程度の増加を見せているものの、そのうちの25%以上ともなる400程度が損失を出しており、その額は12億元にものぼるという。
こうしたなかで今年10月末、我が国プラスチックのリサイクル及び中国向け貿易事業等を手掛ける中国系大手の大都商会が子供服メーカーのキムラタンとの間で業務・資本提携を結んだことが大きなニュースとなったことは記憶に新しい。キムラタンは大都商会の鄧明輝社長が代表を務める投資ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施し、8億円を調達。中国で日本製の紙おむつを販売する「青島大都国際貿易有限公司」の持つ販売網を活用し、現地での子供服の販売を強化するという。 こうした動きに関して中国系再生資源輸出企業の代表はこう語る。「金属やプラスチック等の中国向け輸出貿易は長期低迷時代を迎えた。今後は資源と異なるビジネスにこれまで蓄積した資産を投資できる企業が生き残る」。事実この社長の語るように我が国で廃プラスチックや雑品を輸出してきた企業が相次いで紙おむつや日用雑貨の中国向け輸出・現地販売事業に乗り出しているが、それだけに留まらず、訪日中国人向けの店舗経営や日本国内の個人旅行サービスの展開にまで事業の範囲を拡げつつある姿も見受けられる。
資源相場の低迷長期化も見込まれるなか、我が国からの中国向けの再生資源輸出がすぐ消滅するということは考えづらいが、今後更にこうした中国系企業の事業転換の動きの活発化も予想される。他方、我々の業は我が国の高いリサイクル率を支える地域社会インフラとして残っていかなければならない産業だ。この難局を乗り越えていくためにも、プラや金属などという業種の壁を越えて、従来と異なる市場開拓や再生資源そのものの商品としての価値向上、需要創出等に業界が力を合わせて取り組んでいくことが重要ではないか。


全国ウエイスト組合連合会 輸出不調の要因分析 新会長に庄司氏(兵庫)就任

WEEEシンポジウム

全ウ連の54期定時総会


全国ウエイスト組合連合会(中野聰恭会長)は15日、第54期定時総会を開催し、平成26年度事業報告、平成27年度の事業計画などが承認可決された。なお、次期会長には兵庫県の庄司治氏(庄司株式会社)が就任することも決定している。
事業報告として、今年度の社会状況を「戦後70周年の節目の年に当たり、安保関連法案の衆議院の可決や安倍総理談話が出されるなど、戦後レジームからの脱却に向けた政策が進んでいる」と総括。故繊維業界に関しては、「2014年末迄は、専業者が驚くほど、故繊維業界へ大胆かつ活発な新規参入があり、超過熱気味な動きを見せていた原料ボロ市場も年明けを境に急激な減速感が出始めた。輸出主導で引き起こされ「バブル」とも表現された原料ボロ過熱の崩壊現象が、円安が進んで輸出有利と言われる中で起こっただけに、従来のカントリーリスクと一言では説明しきれない複雑さがある。人とモノが自由に移動するグローバル経済を志向する一方で、現実に存在する国境や民族、宗教を統括する政治的矛盾が地球全体を覆っている。」と振り返った。
特に輸出の不調に関しては「国柄を無視した過剰輸出、輸出先相手国の通貨安、回収ボロの品質低下、自国産業保護名目などの輸入規制強化、マレーシアの消費税導入、中国の軍事拡張と経済格差の拡大、ASEAN諸国の労働工賃の値上がり、韓国経済不振の中でのウォン高など、様々な要因が複雑に絡み合った現象と思われる。遅まきながら故繊維業界も政治・経済が施行するグローバル化の矛盾に巻き込まれた。」と分析した。
前年度の事業計画で取り上げられた、ウエス製品の価格改定に関しては、円安による輸入品の価格上昇傾向やアベノミクスによるインフレ誘導策によって発生した食料品、日用品など、物価の値上がりと同時に、海外進出企業の国内生産への回帰も加わり、コストカット一辺倒だったユーザー側に「値上げ受け入れやむなし」のムードが醸成され、人手不足による工賃上昇、原料ボロの値上がりからすれば、「満足とは言えないまでも多少の値上げは進んだ」と一定の評価を下した。
他方、反毛原料に関しては、新規用途の研究はなかなか進まず、新規マーケットの拡大など積極的、前向きな進展はみられなかったものの、旧来の公共事業や自動車向けを中心に、定位安定で推移したとしている。
事業報告は文末、「戦間もなく設立され戦後復興、高度成長を支えた協働組合並びに連合会組織も戦後レジームの中にある。」という一文で結ばれており、今後、組合や連合会の在り方自体が問われる時代になることが予見されている。


三菱マテリアル 薄型テレビのリサイクル推進 高効率な分解システム開発

三菱マテリアル株式会社(竹内章社長、資本金:1194億円)ではこのほど、今後大幅な増加が見込まれる薄型テレビのリサイクル需要に対応するため、薄型テレビ分解システムを自社開発し、同社グループで家電リサイクルを行う東日本リサイクルシステムズ株式会社に導入・実用化したと発表した。
2000年代から市場が拡大してきた薄型テレビは、2009年4月に家電リサイクル法の対象品目として追加されている。国内におけるリサイクルの合計台数は年間約83万台(2014年度実績)となっているが、2020年にはこの8倍以上となる年間約700万台のリサイクル需要が発生すると同社は見込んでいる。で同社グループは、現在年間約14万台(2014年度実績、国内シェア約17%)の薄型テレビをリサイクルしているが。今後は現状シェア以上の処理を担っていくことを目指し、自社開発した分解システムを導入・実用化し、薄型テレビのリサイクル台数の増加を図っていくとしている。
分解システムは、さまざまな製品の生産工程で導入されているコンベヤートラッキング技術を薄型テレビの分解工程へと適用したもので、ねじの検知と取り外しの処理を同時並行的に行なうことで、薄型テレビの大きさにかかわらず、ねじ1本あたりの取り外し所要時間を2秒以下の高速化に成功するなど自動化とともに作業負荷の低減を実現。更に分解工程は夜間に無人で自動運転を行なうことも可能だ。 この分解システムについては、薄型テレビ以外のさまざまな家電製品への適用も期待されることから、同社ではグループの他の家電リサイクル会社へも横展開を図るほか、関連業界への販売も視野に入れている。


WEEE 日欧で知見共有図り 適正管理や規格化でシンポ

WEEEシンポジウム

WEEEシンポジウムの様子


環境省及び経済産業省ではこのほど、「WEEE(電気・電子機器廃棄物)分野における適正管理と経済競争力に関するシンポジウム」を東京の主婦会館にて開催した。現在、資源効率(ResourceEfficiency)や循環経済(CircukarEconomy)という観点から、世界各地で、経済成長と天然資源消費とのデカップリングを図ろうとする取組が進められているが、その中でも、欧州においては、拡大生産者責任(EPR)を前提としたWEEE指令(2003年施行、2012年改正)に基づき、適正なリサイクル推進のための回収目標や処理基準の設定などの取組が現在進行形で積極的に進められている。一方、我が国では、WEEE指令に先立つ1999年にEPRの概念を導入した家電リサイクル法を制定、その後も資源有効利用促進法に基づく業界の自主的なリサイクルスキームや、2013年には、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律に基づくリサイクルシステムを導入するなど、多様な制度設計によるWEEEのリサイクルを進めている。しかしながら、このような欧州や日本の積極的な取組にもかかわらず、途上国等への不適正輸出や、トレーサビリティの確保、高度で効率的なリサイクルの実現など、なお様々な課題が残されており、同シンポジウムは日本と欧州の経験・知見を共有し、WEEEの適正管理及び企業競争力の向上を図ることを狙いに開催されたもの。
シンポジウムでは、まず欧州のWEEE担当や政府部門、規格担当者、リサイクラーなどが取り組みを紹介。2010年までのWEEE回収量は一人当たり4㎏の目標値であり半数の国でこれを達成出来ない状況となっていたが、今後2016年には45%、2019年から65%を目標値に掲げ、大手流通への回収義務化や小売店他での回収拠点整備を進める方向性を打ち出している。更に現在、回収・処理の現場などで高価な金属のみが盗難されるケースが多発している実態や電子機器類の素材多様化が進んでいることから、リサイクル手法の規格化などの議論が進められているとし、そのなかで、WEEEの不適正輸出の防止にも今後策定される規格を適用する、といった内容が報告された。一方、日本側は環境省及び経済産業省の担当者から、日本の廃棄物処理と資源循環政策のこれまでの策定経緯や実績、義務化法と促進法の概念等を欧州の参加者等に紹介している。
質疑応答では、日本側からは欧州参加者に対して、目標値を重量ベースの考え方だけでなく品目毎の資源性にも目を向けるべきとの意見が出たほか、再生材の使用義務設定についての質問があった。これに対し欧州側は、WEEEは非常に複雑であり有害物質が含まれるものもあるが、リサイクルで価値を創造するための管理を政策目標として進め、グローバルベースで話を進めていく必要があることを述べつつ、再生材使用義務化はWEEEではなくEcoDesignの規格で12月頃発表されることなどが説明された。欧州からは日本の家電リサイクル法でのブラウン管ガラス処理の状況やリサイクル規格化の考え方について質問が寄せられるなど活発な意見交換が行われた。


東京23区清掃一部事務組合 「あらかわ方式」等紹介 マレーシアから研修員15名来日

東京23区清掃一部事業組合が行うJICA草の根技術協力事業「マレーシアの廃棄物管理における住民の協力体制の構築支援」の一環として先ごろ、15名の研修員が来日し、都内各所のリサイクル関連施設などを訪問した。マレーシアでは基本的に都市ごみは埋立処分されており、処分場では温暖化ガスの発生や浸出水による地下水汚染などの深刻な環境問題が発生している。その対策として、廃棄物の大幅な減量化・安定化を図るため、清掃工場を建設する計画もあるが、他方、焼却施設を建設しても、ごみの分別など、住民の協力がなければ安定的な稼働は期待できないことから、この事業ではごみの分別やリサイクルなどにおける住民の協力を引き出すことを目的として開催している。
研修では荒川リサイクルリサイクル事業協同組合の缶センターや同区内のリサイクル業者などを見学した後、地域住民との意見交換会も実施し、マレーシアからの研修員に集団回収をベースとする「あらかわ方式」を紹介した。そのほか、中央防波堤埋立処分場の見学、集合住宅での資源ごみの排出方法と衛生管理、地域の住民組織を通じた区民と行政の連携などのカリキュラムが実施されている。
東京23区清掃一部事業組合では、23区が蓄積する清掃事業に関する技術・ノウハウを活用し地球規模で生じている環境問題解決に貢献するため、国際協力事業を進めている。特にマレーシアとは、平成23年の人材交流などに関する書簡の交換をきっかけに、これまで友好関係を構築していた。


産廃契約43%「環境配慮」に 国の優良事業者裾切が大幅増加

環境省は先ごろ、環境配慮契約法の基本方針に基づき進められている同法の見直し議論の第2回となる会合を開催した。
冒頭、山本良一座長(東京大学名誉教授、東京都市大学特任教授)から「この法律は環境への配慮を考慮して様々な契約をして、政府の温室効果ガスの排出を削減しようという目的のものだ。そういう意味でこの法は地球温暖化防止の非常に重要なところに位置している。141億トン削減(日本エネルギー経済研究所では温室効果ガスは2035年までに技術革新などにより141億トン削減されると試算)に届かないとしても、我々としては全力を挙げるしかない。」と同法の重要性について改めて語った。
今会合で発表された昨年度の実施状況によると、産業廃棄物処理に係る契約については、環境配慮契約(裾切方式による入札)の件数は全体の31・7%で前年度の11・7%から20ポイント増と大幅に伸長した。処理量ベースで見ると平成25年度11%から43・3%と4倍近くの増加となり、件数ベースの増加率を大きく上回ることから裾切方式によって、ある程度の規模を持った企業が選択されている状況が伺える。
環境配慮契約未実施の理由としては、「契約の締結が急を要するものであったため」、「裾切方式による入札を行うための体制が未整備であったため」、「業者への配布が間に合わなかったたま」、「裾切方式を実施することにより競争参加者が僅少であると予測されたため」、「一定の競争性を確保するのが難しくなるため」、「環境配慮契約に対応した事業者が近隣にないため」、応札可能業者が少数であり、十分な競争性を確保できないため」、「競争性の確保が困難であるため、中小企業の受注機会の確保」、「PCB廃棄物の処理のため受託業者が特定されているため」、「RI廃棄物の集荷のため受託業者が特定されているため」などが挙げられた。
施設用途別に環境配慮契約の実施状況をみると、契約件数ベースで庁舎が15%、試験研究施設が53%、病院が49・4%、大学が29・6%となった。処理量ベースでは、庁舎が37・3%、試験研究施設が62・2%、病院が51・5%、大学が17・9%となっており、庁舎や大学では契約件数、処理量ともに低い状況にある。
平成26年度の入札で環境配慮契約の実施(419件)、未実施(618件)それぞれの入札参加者数を見ると、1者入札となった割合は実施した場合が26・3%、未実施の場合が23・1%となり大きな差はなかった。他方で、実施した場合の入札参加者は平均2・12者であるのに対し、実施しなかった場合の入札参加事業者は2・54者となり、差異が大きいことから、入札の時点である程度「優良業者」に絞りこまれているということが言えそうだ。 今会合では電気供給、自動車購入、建築物の設計など他分野については環境負荷低減効果について試算がなされたが、産廃処理契約については、算出方法が未確定のため、試算されていない。事務局では今後、優良認定業者制度やエコアクション21などの認定・取得事業者の入札参加状況を照会しながら、原単位の作成の検討を進めていくとしており、次回会合では、その経過が報告されると見られる。
環境配慮契約


三邦物産 コンテナ輸出で活路 李明鎬社長「海外にH2の経験を」

三邦物産・李社長の講演

三邦物産・李社長の講演


インドネシア向けに製紙原料や製鋼原料の販売などを行うKORINDO GROUPの日本法人である三邦物産株式会社(東京都中央区銀座)の李明鎬社長はこのほど、公的支援を受けた関東鉄源協同組合(山下雄平理事長)の活路開拓事業におけるビジョン策定委員会(林誠一委員長)で「2015年鉄くずコンテナ輸出」と題する講演を行った。
同社は鉄スクラップのコンテナ積み輸出を手掛ける商社。講演で李社長は、世界の鉄スクラップ流通に関する内容を説明しつつ、日本国内の発生状況と輸出の中身について解説。特に鉄スクラップ輸出に関しては、バルク積みとコンテナ積みにおけるそれぞれの長所・短所について見解述べ、バルクは、コンテナ作業が無い港湾で作業が可能であることや車上船積みも出来ること、輸入側にも運送コストなどでメリットがあるが、大きいロットになると対応可能な港湾に制限があるなどの点を指摘。一方、コンテナに関しては小ロット取引による物量回転率の速さや輸入側も小ロット契約でのリスクヘッジができ、契約毎の品質判断も容易であることなどの点等を挙げたが、一方でコンテナ積み込み・降ろしに設備やノウハウが必要な点、ダメージ発生の可能性等の点を指摘した。その上で、「海外メーカーはH2といった日本産の鉄スクラップの品質・グレードに関して経験が不足しており、まずは使用してもらうための取り組みが重要」と語っている。
なお、インドネシアに関しては、GDPは日本の5分の1、一人当たりGDPは日本の14分の1と途上国ではあるものの、面積は日本の五倍、人口も二倍、中央年齢は29・6歳で若いなど保有ポテンシャルは非常に高く、今後更なる成長が見込まれており、インドネシアと韓国、日本を結ぶ同社の果たす役割は益々重要なものとなりそうだ。


エンビプロHD ASR再資源化施設が稼働 クロダリサイクルでフラフ燃料製造へ

クロダリサイクルのASR再資源化プラント

ASR再資源化プラント


総合リサイクル事業を展開する株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社・静岡県富士宮市、佐野富和社長)ではこのほど、グループ会社である株式会社クロダリサイクル(北海道函館市、佐野邦光社長)において、自動車リサイクル法におけるASR(シュレッダーダスト)再資源化認定を取得、11月5日より再資源化プラントが稼働したと発表した。これによりグループで保有するASR再資源化認定施設は、エコネコル、アビヅと合わせて3カ所となり、今後更なる使用済み自動車の再資源化及びリサイクル率の向上を目指す方針。
クロダリサイクルにおけるASR再資源化施設は、使用済み自動車を破砕処理した後に発生するASRをフラフ状まで破砕選別し、廃プラスチック、木屑等と混錬した「フラフ燃料」を製造、石炭代替燃料としてセメント会社に出荷するというもの。「フラフ燃料」の製造規模は月産600トンを見込んでいる。更にASRに残された微細な金属も回収し、金・銀等の貴金属回収も可能だ。これによるASR再資源化率は100%となり、資源の有効活用と環境保全に寄与できるとしている。
自動車リサイクル法については、先に示された国による見直しの方向性にリサイクルの高度化や国際展開が盛り込まれている。そのなかで、同社グループによる貴金属回収も含めた先進的な取り組みは高く評価されるものと言え、我が国静脈産業の優れた技術・ノウハウの海外展開を国が後押ししていくという方向に沿った事業展開を進めるエンビプログループの動向が大いに注目されるところだ。


横浜市資源リサイクル事業協同組合 RDフォーラムに過去最高の8600名が来場

環境絵日記の表彰式

環境絵日記表彰式での髙田理事長


横浜市資源リサイクル事業協同組合(理事長・髙田哲二 日哲商事社長)では、今月1日に横浜の大さん橋ホールにて「環境未来都市・環境絵日記展2015」を横浜市との共催で盛大に開催した。同絵日記展は、楽しく環境を学習することなどを目的に、行政、民間企業、市民が一体となって毎年開催されている横浜市の一大イベント。今年の「環境絵日記展」は、「みんなでつくる環境未来都市・横浜」をテーマとして横浜市内の小学生が描いたものに加え、国内の6つの環境未来都市(北海道下川町、千葉県柏市、宮城県東松島市、福島県南相馬市、福島県新地町、岩手県釜石市)及び全国(高知県、京都府宮津市、沖縄県那覇市、東京都品川区、佐賀県佐賀市)の子供たちが描いた「環境絵日記」の優秀作品約700作品が展示された。
冒頭、開会の挨拶に立った髙田理事長は「2000年からスタートした環境絵日記の取り組みは、当初1000を超える位の作品数でしたが、今年は横浜市内だけで2万3000もの作品数の応募がありました。横浜市との共催の下で、こうした盛大なイベントを開催できることは皆様の協力があってのことで、この場を借りて感謝申し上げます。このイベントは我々組合が目指す『リサイクルデザインタウン』の構築に向けた社会貢献活動の一環として取り組んでいるものです。子供達や孫の世代まで理想的な資源循環都市を残すために市民、行政、そして我々が共働していく。その1つがこの『環境未来都市・環境絵日記展』なのです。今年だけでなく来年以降毎年続けていくために、皆様にも賛同いただき、サポーターになって頂ければ幸いです」と述べた。
また、当日のイベントでは今年の「ゆるキャラグランプリ2015」に参加した同組合のキャラクター「りくみちゃん」のテーマソング「りくみのABC」が子供たちのダンスと共に披露されたほか、協賛企業による各種ブース、環境絵日記優秀特別賞授賞式、古着ファッションショー、環境未来都市・環境会議、こどもエコフォーラムなど様々な催しが開かれ、過去最高の8646名が来場するなど、大いに盛り上がりを見せた。


モリタHD 新型「ラクニエ」を12月から販売 着脱性向上などで適用業種範囲拡大

新型ラクニエ

新型ラクニエ


株式会社モリタホールディングス(尾形和美社長)では、発売以来好評を博してきた腰部サポートウェア「rakunie ラクニエ」の着脱性の大幅向上、更なる軽量化、男女兼用化を実現し、様々な業種に適応範囲を広げた新型モデルを開発、12月1日より販売を開始する。サイズ展開はXS(身長148㎝~)からL(~184㎝)までで、希望小売価格は2万4840円。3年で3万着を販売目標としている。
同社の腰部サポートウェア「rakunie ラクニエ」は、慶應義塾大学 山崎信寿名誉教授のサポート理論を基に、医療用品メーカーのダイヤ工業株式会社との3社連携の下で、日常動作を妨げず、腰の負担が大きい前屈姿勢時のみサポート力を発揮する、新発想のサポートウェアとして、2012年の販売開始以降、介護などの現場で大きな効果を発揮してきた。今回の新型は、更に幅広い業種への対応を図るべく、農業・介護・流通・ 整備など様々な業種でモニターを実施。同社調べでの負担軽減効果は脊柱起立筋、大腿二頭筋の平均で17%と確かなサポート力を発揮しつつ、現場の声を反映して着脱性の向上を図り、サポート力の解除機能を設けるなど使いやすさの向上を図った。また、サイズ範囲も拡大、男女兼用化も実現し、幅広い体型・体格にも対応が可能だ。
また更なる特徴として、重量が僅か250gと身に着けていても気にならない驚きの軽さを実現しつつ、30秒での着脱が可能であること、5万回伸縮してもサポート力が90%を維持すること、バックル1つでサポート力を簡単に解除することが可能であり、服の上からも中にも着用可能、手洗いも出来る、などの点を挙げている。


日資連・青年部 大雨被害の復旧に尽力 動き素早く48名25台集まる

日資連・青年部によるボランティア活動

被災がれき撤去作業


9月に発生した関東・東北豪雨では、茨城県常総市で鬼怒川が決壊するなど、甚大な被害が発生した。連日被害状況が報道されたが、そこに映し出される映像はどれも苛烈さを極めたものだった。
そういった状況のなか、日本再生資源協同組合連合会(飯田俊夫会長、以下「日資連」)青年部はいち早く対応した。11日の鬼怒川堤防決壊後、すぐさま部員から支援活動の声が上がり、青年部長を中心に常総市在住の部員に連絡を取りながら、翌日には車両や人員の手配を開始。市の受け入れ態勢もいまだ整わない中、地元産廃業者と連携して15日には現地に入り、事前依頼に基づいて青年部ボランティア基金で購入した消毒液や土嚢袋を、災害支援センターに届けた。
被災地では、浸水によって故障したポンプから溢れてくる汚水のバキュームカーを使ったピストン輸送や、河川敷に持ち込まれた被災がれきの撤去作業、ボランティアセンターからの依頼による一般家屋からの浸水した家財道具の運び出し・清掃作業にあたった。作業は23日まで続き、参加者は48名まで膨れ上がり、延べ12社、車両25台(パッカー、アームロール、ダンプ、バキュームカー、平ボディトラック)が結集した。当初は現地を目の前にした青年部員が「東日本大震災を思い出した」と漏らすほどの惨状だったが、活動期間中に徐々にコンビニが再開し、道路が清掃され、信号が復活するなど、街に日常が戻る様子を目の当たりにした。しかし、先の青年部員は「復興にはまだまだまだまだ時間がかかりそうだという印象を受けた」と語る。
市の災害ごみの受け入れも先月14日で終了し、復旧作業は一段落着いたかに見えるが、発災から2か月が過ぎようとしている現在でも、400名あまりの人々が避難所生活を余儀なくされている。日資連青年部では今後も要請があれば積極的に支援を行うとしている。


スズトクHDと大栄環境HD 業界最大手2社が包括的業務提携

鈴木会長(右)と金子社長

鈴木会長(右)と金子社長


金属スクラップを中心とした総合リサイクル業大手のスズトクホールディングス株式会社はこのほど、廃棄物処理業の国内大手・大栄環境ホールディングス株式会社(本社・兵庫県神戸市、金子文雄社長)と包括的業務提携を結んだと発表、記者会見を開いた。スズトクグループは関東圏を中心に鉄・非鉄、自動車、家電、OA機器、小型家電など有償取引を前提としたリサイクルを展開。一方の大栄環境ホールディングスは、関西・中部圏を中心に廃棄物の収集運搬、中間処理から最終処分や容器包装、食品、小型家電など逆有償での適正処理・リサイクル事業を展開。グループとしては国内業界最大手同士が今回手を結び、全国での事業展開を図ることは、我が国静脈産業ビジネスに大きな一石を投じる動きとなりそうだ。
包括的業務提携の主な内容・目的は、国内最高水準の処理施設を多数保有する両社の連携による全国排出事業者のための受け皿となりつつ、「社会インフラ」としてのリサイクルビジネス振興や大栄環境が(一社)資源循環ネットワークと共同開発した「情報開示システム」等を活用した小型家電リサイクル分野での処理・情報管理の標準化。更に、資源から廃棄物までの全てを対象とした上で、本格的な海外展開を見据えた国の調査事業への参画。このほか、炭素繊維など将来的に適正処理が求められる発生物に対する技術開発を進めるとしており、愚弟的には国立研究開発法人産業技術総合研究所が主催するSUREコンソーシアムを通じ、国の技術実証事業にも名乗りを上げ、リサイクルビジネスの未来を創るなどとしている。

新会社「メジャー・ヴィーナス・ジャパン」を設立 トータルソリューション提供やM&A等
また、今回の包括的業務提携と合わせ両社では、共同出資による合弁会社・メジャー・ヴィーナス・ジャパン株式会社を、今年12月を目処に設立すると発表した。新会社は東京都千代田区に本社を置く予定で、代表者に鈴木孝雄氏、金子文雄氏の両氏が就任する。資本金は1億円で出資比率はスズトク50%、大栄環境50%となる。
新会社設立は、両グループの保有する先進的な廃棄物処理・リサイクル施設間の連携と顧客窓口の共有化を前提に、排出者に対してあらゆる廃棄物の処理から資源物のリサイクルまでをコーディネートするトータルソリューション営業の活動窓口とすることが狙いだ。更に「社会インフラ」としてのリサイクルビジネス確立に向け、シナジー効果が期待できる技術や施設を持つ他の企業に対する「M&A」活動や、次世代リサイクル技術・設備等の商用化を視野に入れた研究開発活動「R&D」を実施する。また、この「R&D」に関しては、メーカー等の動脈産業や研究開発期間、コンサルティング会社との連携を図りつつ、関係省庁との実証補助事業を活用することによる官民連携のリサイクルメジャーとして国際競争力強化を図ることを目的としている。
なお、スズトクグループの2014年度の売上高は519億円で、両グループを合わせた売上高は1000億円に迫る規模となる。更にスズトクグループが既に包括的業務提携を結んだエンビプロHDやマテック、青南商事、やまたけ、イボキン、中特HDなどと合わせた売上規模は2000億円に迫ることとなる。今回のスズトクグループを中心とした動きについては、このところの鉄スクラップをはじめとする資源相場の下落等もあり、売上高規模のみで評価することは余り意味のあることではない。それよりも、国際競争に勝ち抜くために我が国政府が進めてきた静脈産業メジャー構想の十分な受け皿と成り得る企業グループが成立したことは、業界だけでなく、我が国にとっても大きな意味を持つと言え、今後の国内そして国際的展開を含めた動向が大いに注目される。