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WEB資源新報BackNumber 2014年1月

関東製紙原料直納商工組合 賀詞交歓会を開催 大久保理事長「規範の確立した業界に」

関東商組の新年賀詞交換会

大久保信隆理事長


関東製紙原料直納商工組合 (大久保信理事長) では1月16日、 東京都荒川区の 「ホテル・ラングウッド」 において新年賀詞交歓会を開催した。 当日は組合員・関係者155名が出席、 年頭に当たり大久保理事長が以下のような挨拶を述べた。
「昨年を振り返ると、 東日本大震災の復興は福島原発処理問題もあり、 まだまだ道半ばだが、 安倍政権が打ち出した大胆な金融緩和、 機動的な財政政策と経済成長戦略の3本の矢により為替は昨年年初の1ドル=86円から年末には104・5円と18・5円円安に向かい、 株価も日経平均が1万6000円台回復と景気は上向きデフレ脱却へと向かっている。今年の紙パ産業は、 紙の生産、 出荷は3月の年度末までは仮需でフル操業だが、 4月からの消費税増税で生産が落ち、 その後は緩やかに回復していくと言われている。 板紙の段ボール需要は全段連の本年の予測は136億平方メートルで前年比101%と微増を予測している。 また、 12月末の原紙在庫は34万8217トンと近来にない低水準に留まっている。古紙業界では、 国内古紙利用率63・7%、 回収率79・9% (昨年) の中で仕事をしている。 関東商組32社の年間の新聞の仕入は75万6000トン、 前年比95・6%、 出荷も75万6000トン、 同95・6%、 雑誌の仕入は63万8000トン、 同99・7%、 出荷は63万7000トン、 同99%、 段ボールの仕入は149万9000トン、 同98・6%、 出荷は150万2000トン、 同98・8%で、 3品在庫は4万2000トンで前年より3000トン減少した」。
「海外へは全国で約500万トンの古紙輸出を行い、 業界に在庫は少なく、 需給バランスは取れている。 今年も主力は国内の7割、 これに対し海外は3割の需要となるが、 揺れ動くアジアマーケットに注目する必要がある。 関東地区では今年も過当競争が続く中、 古紙の回収量と梱包量の経費を考えることが課題である。 膨大な嵩のある段ボールなどは平方メートル当たりで回収し、 立方メートルに圧縮されて、 トン単位で販売されている。 自治体の入札などでは古紙業界のコスト計算が物凄く過小となっているものと思う。 そして古紙利用率をさらに高めるために機密書類処理等から多く洋紙に使える古紙の開発を行っていく必要がある。 また今までの古紙の品質をより一層高め海外メーカーにもJブランドの確立を目指したい。  昨年は組合として多くの自治体と協力の上、 GPSにより 「持ち去り問題」 の撲滅に対処した結果、 抜き取られる量が少なくなったと実施した自治体から一定の評価をいただいたが、 まだ特定のアウトサイダーに持ち込まれていることも判明した。 本年も関東地区から横取り行為を撲滅するよう回収業界と共に頑張っていく所存である。今年は午年。 馬に因んだ諺に 『鞍上人はなく鞍下馬はなし』 がある。 これは人馬の呼吸が合い一体となり疾走する姿を現したもの。 国家運営は安倍政権に期待し、 業界は三位一体いや一心同体の一員として一生懸命頑張り、 かつ次の時代に向かい規範の確りした業界にしていきたい」。
このあと来賓を代表して松島みどり経済産業副大臣、 葉梨康弘衆議院議員、 田口満公益財団法人古紙再生促進センター関東地区委員長はじめ各氏からの祝辞が続き、栗原正雄全国製紙原料商工組合連合会理事長の発声で乾杯、 懇談となった。


ガラスびん協会 ガラスびんの魅力発信 「びんむすめ」プロジェクトを展開

日本ガラスびん協会(石塚久継会長)では、びん容器の利用促進、新規用途の開拓など市場拡大策の一環として、2012年からびん容器の訴求効果向上のためのPR事業『びんむすめ』プロジェクトを展開している。全国各地のびん容器を使用する酒類・飲料・食品の製造・流通の現場で働く「地元の看板娘(びんむすめ)」を取り上げ、キャンペーン活動を通じてびん容器の魅力を広く発信するという取組み。2年目の今年は夏・冬の2シーズンでプロジェクトを展開し、昨年末から冬季のキャンペーンがスタートしている。紅葉や雪景色など冬の季節感を際立たせたシチュエーションで各地のびんむすめがガラスびんの魅力をPRしている。
ガラスびんは多様なデザイン性や鮮度維持・長期保存等品質保持性に優れた特性と、何度でも再生できる環境優位性から、近年、さまざまな分野で新たに容器として採用される動きが広まっている。一方、容器自体の重量や破損しやすいために丁寧な扱いが必要とされるなど、流通・販売の利便性から低価格な商品ほどPETボトルや紙パック等の他素材に移行する傾向も強い。
協会ではガラスびんの優位特性を広く訴えてこうした流れに歯止めをかけるとともに、新たな商品でのびん容器の需要開拓に取り組んでいる。こうしたPR事業やガラスびん入り商品の表彰等の事業を展開している。環境・資源関連の政策で、リサイクルに比べ取組みの遅れが指摘される発生抑制・再使用(2R)を推進する動きが広まっており、その一環として象徴的な素材容器とされる「リユースびん」の拡大に向けた取組みが大規模に展開されている。こうした動きもびんの利用拡大策の追い風となっている。


国内取引制度 今期5万9000トンを排出削減 全7期で389事業所が目的保有で参加

環境省では、温室効果ガスの費用効率的で確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積をめざした自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を2005年度から実施してきた。延べ数で389事業者が目標保有参加者として参加している。制度の最終期となった第7期(2011年度採択・2012年度排出削減実施)が昨年11月末で終了したことから、同期のCO2排出削減量の実績と排出量取引の結果を取りまとめた。その結果、排出削減量は合計5万9419t―CO2、排出枠の取引件数は合計24件で排出枠の取引量は合計12万9689t―CO2となった。
この制度は温室効果ガスの排出削減に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに排出抑制設備の整備を支援する仕組み。また、参加者には排出削減約束達成のために行う排出枠取引きが認められている。また、第3期からは「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」の参加類型の一つとなり、第7期ではJVETSと「試行スキーム」で口座を保有する取引参加者間での制度間取引(システム間移転)が7件行われた。
なお、7期の目標保有参加者29社は排出削減の取組みと併せ、目標達成不足分に前年度までのバンキング分を活用するなど、全29社が約束の削減目標を達成した。 また、7期が最終期となるため償却期限以降に参加者が保有していた合計54万5643t―CO2のクレジッ トは取消口座に移された。


産業廃棄物 排出量は3億8100万トン 最終処分量は13%の減少に

環境省がまとめた平成23 年度全国の産業廃棄物の排出・処理状況によると、23 年度の産業廃棄物総排出量は約3億8121万トンで、前年度の約3億8599万トンに比べ約500万トン(約1・2%)減少した。
業種別では電気・ガス・熱供給・水道業が約9558万トンで全体の25・1%を占め(前年度約9557万トン─24・8%)、以下、農業・林業の約8471万トン─同22・2%(同約8509万トン─ 22・0%)、建設業の約7540万トン─ 19・8%(同約7321万トン─19・0%)、パルプ・紙・紙加工品製造業の約2990万トン─7・8%(同約3341万トン─8・7%)、鉄鋼業の約2825万トン─7・4%(同約2863万トン─7・4%と前年と同様、これらの上位5業種で総排出量の8割超を占めている。
一方、処理状況を見ると総排出量約3億8121万トンのうち直接再生利用、処理後再生利用を合わせた全再生利用全量は総排出量の52・5%にあたる約2億トンとなった(前年度約2億473万トン─総排出量の53・0%に相当)。また、減量化量は約1億6877万トンで、減量化率は44・3%(前年度43・3%)となっている。そうした結果、最終処分量は約1244万トン(総排出量の3・2%)となり、前年度の約1426万トン(同3・7%)に比べて、約13%の減少となっている。


日本鉄リサイクル工業会 賀詞交歓会盛大に 影島会長「業の将来性を期待」

日本鉄リサイクル工業会の新年賀詞交換会

影島一吉会長


一般社団法人日本鉄リサイクル工業会(会長・影島一吉 影島興産社長)では今月9日、東京の鉄鋼会館にて盛大に賀詞交歓会を開催し、会員やメーカーなど関係者多数が出席した。
賀詞交歓会の冒頭、挨拶に立った影島会長は「昨年はアベノミクスによる株高や円安、東京五輪の開催決定など明るい展望が開け、鉄スクラップについても内需の拡大などで1万円ほど上昇するなど良い年になった。今年についても円安がプラス材料として働きそうだが、昨年のような展開はないと見ておいてほうが良いと考えている。現在の政治経済情勢のなかで、特に日本経済については個人的に先行きを危惧している。出口のはっきり見えない異次元緩和のなかで、一時的には収益にプラス作用が働くが将来にツケを回すことにもなる。経営者は宴の後の事を考えることが重要ではないか。ただ、我々鉄リサイクル業界の先行きについては、市場の規律が活きていることから楽観視している。品質管理の徹底やリサイクルの高度化、多角化を進めることが出来れば今年以降も成長が期待できる。また、工業会の活動としては昨年に引き続き意義ある活動を充実させつつ、皆様の意見を反映しながら運営を図っていく方針だ。昨年、日本では様々な方面で偽装問題が世間を騒がせたが、会員の皆様と共にコンプライアンスを重視しながら、今年一年を頑張っていきたいと考えている」と述べた。
次に、来賓として挨拶に立った経済産業省製造産業局鉄鋼課の竹上嗣郎製鉄企画室長は①経営基盤の強化、②自由貿易体制、③技術力、④電力・CO2・省エネなどを鉄鋼業界の重点課題として挙げ、国の支援制度の活用などを述べるとともに、賃金引上げにも言及した。普通鋼電炉工業会の栗川勝利会長は電力料金の上昇で製造コストは上昇、原料高で昨年も厳しい年となったが、円安が追い風となるなか、今年も内需増や震災復興で電炉のスクラップ消費も5%程度増える見込みであり、外需についても東南アジアなどの需要を取り込み、ビレット輸出を今までの5倍程度に拡大することで鉄スクラップ業界とウィンウィンの関係を中長期的に作れればと挨拶。
日本鉄源協会の太田克彦会長は、国内の粗鋼生産は消費増税の影響もあるが、何とか1億1000万トンを維持出来るのではないかとし、リーマン後からようやく世界の経済の正常化が進むことで資源価格も落ち着いてくるのではと述べ、協会として今後もタイムリーな情報提供に努めると挨拶した。また、乾杯の挨拶に立った鈴木徹副会長は「昨年、良い風が吹いたが、それを受け切ることは容易ではない。帆のはり方を今年も工夫して良い環境を活かしていくと共に、東日本大震災の復興もまだ道半ばにあり、こうしたことにも心しながら元気よく良い一年にしたい」と述べた。



放射性物質汚染廃棄物 地域ごとの撤去目標示し 対策地域内の処理計画を改定

放射性物質汚染対処特措法に基づき策定されていた対策地域内廃棄物処理計画が昨年末に改定、公表された。9月に実施された「福島県の災害廃棄物等の処理進捗状況についての総点検」で、当初の処理完了目標の達成が困難なことが明らかとなったため、新たな目標等が設定されたもの。
昨年9月の総点検の結果、当初計画の処理目標(平成26年3月)までの終了は困難な状況とされたものの避難住民の円滑な帰還を推進する観点から、避難指示解除準備区域や居住制限区域を優先し、帰還の妨げとなる廃棄物を早急に撤去することとされた。仮置場が確保されている場合は25年度内に搬入を完了、確保調整中の地域については搬入完了時期目標を目途設定し、改定計画に反映させるとした方針が示された。
今回の改定では対象市町村を新たに双葉町を加えた11市町村とし、域内の災害廃棄物等(帰還困難区域を除く)の推定量に当初想定不可能とされた被災家屋の解体廃棄物等を追加した。その結果、域内の災害廃棄物等は11市町村合計で約80万2000トンと推定された。また、優先目標とされる帰還の妨げとなる廃棄物の搬入完了目標については南相馬市、大熊町、楢葉町、川内村の4市町村で25年度(南相馬市は一部26年度)、双葉町、飯舘村、川俣町及び葛尾村の4町村で26年度、浪江町と富岡町の2町で27年度(家の片付けごみは平成26年度)と設定している。なお、処理の完了目標については量や発生時期、処理施設の立地場所の確保の状況等を踏まえてスケジュールを設定するとしている。


産業廃棄物 5000トン超の大規模事案も 24年度の不法投棄等の報告まとめ

環境省のまとめによると平成24年度に全国で新たに判明した産業廃棄物の不法投棄事案は187件、投棄量は4・4万トンとなった。件数では前年度から5件減少、投棄量も0・9万トン減少した。また、24年度に報告された不適正処理事案は179件(4件減)、11・3万トン(109・6万トン減)となった。環境省は毎年度、全国都道府県・政令市からの報告を受けて不法投棄・不適正処理事案について、新たに判明した事案の状況や年度末時点の不法投棄残存量等を調査している。
これまでの法改正に伴う規制強化や、各種防止策で産業廃棄物の不法投棄等の新規判明事案は年々減少しているが、5000トンを超える大規模な不適正処理事案が新たに5件判明したほか新たに多数の不法投棄、不適正処理の判明が報告されるなど、依然としてこれら不法行為の撲滅には至っていない。なお、平成24年度末時点での不法投棄等の残存件数は2567件で前年度の2610件からは43件減少、残存量も合計で1777・3万トンと同84・8万トン減少している。残存事案2567件のうち支障等があると報告された123件については、支障等の状況に応じて支障除去、周辺環境モニタリング、立入検査等いずれかの措置が講じられているか、実施予定とされている。また、現時点で支障等がないとされる約2400件についても定期的・継続的な状況確認が行われている。
支障の除去等が完了した事案は残存事案から除外されるが、全量撤去以外の措置がなされた事案では、その後の土地利用で土地の形質変更(廃棄物搬出含む)等がなされた場合に新たなリスクが発生し得るため、法に基づく指定区域に指定されるなど、引き続き継続的に管理される。


廃棄物輸出 水際監視強化を継続 3R推進月間の取組結果を公表

環境省では、昨年10月の3R推進月間の活動の一環として、税関と協力して実施した廃棄物等の不法輸出入監視強化のための取り組みの結果について公表した。昨年の3R推進月間では、廃棄物に該当する使用済家電製品の混入事例が頻発しているミックスメタルスクラップについて、監視を強化しており、具体的には、貨物検査において、廃棄物に該当する使用済家電製品の混入が確認された場合は、使用済家電製品の廃棄物該当性に係る通知の内容を説明するとともに、輸出申請貨物から取り除き、国内にて適正に処分するよう指導を行っている。
また、中古家電製品、廃プラスチック、使用済自動車部品等についても、積極的に貨物検査へ立ち会い、廃棄物に該当するかどうかを確認し、不法輸出の未然防止を図ったとした。 更に、事前相談のあった貨物の現物確認では、3R推進月間中、輸出者の倉庫等において、事前相談時に提出された資料と実際の貨物の整合性等を確認。中古家電製品については、事前相談時の提出資料と照合しながら、保管状態、画面保護状態等の確認うとともに、平成26年4月から適用される予定の「使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準」について周知したとしている。
なお、同省では引き続きミックスメタルスクラップへの水際監視の強とともに、輸出貨物への廃棄物混入を上流の段階で防ぐための地方自治体との連携も進めていく方針。中古家電製品については、中古品判断基準に基づく監視体制整備などを進めていく方針だ。


一般廃棄物 24年度の排出・処理状況まとめ リサイクル率は横這いに

環境省がまとめた平成24年度の一般廃棄物(ごみ・し尿)の排出・処理状況によると、全国のごみ総排出量は4517万トンで、前年度の4539万トンから0・5%の減少となった。1人1日当たりの排出量では963グラムで、前年度の975グラムから0・3%増加している。処理の状況を見ると、最終処分量は464万トンで前年度482万トンから3・7%の減少、減量処理率は98・7%(前年度98・6%)、直接埋立率は1・3%(前年度1・4%)などとなった。総資源化量は923万トンで前年度の930万トンから0・8%の減少となったが、リサイクル率は20・4%で横ばい。
また、最終処分場は残余容量が平成10年度以降の14年間減少を続けており、施設数も平成8年度以降は減少傾向が続くなど、新規施設の確保は引き続き厳しい状況にある。一方で、最終処分量が減少していることから残余年数は増加している。また、関東・中部ブロック等では処分場が儒ヴンに確保できないために域外への移動が見られ、最終処分の広域化が進んでいる。24年度末の残余容量は1億1217万立方メートルで、前年度の1億1440万立方メートルから1・9%の減少となった。残余年数は19・7年で前年度の19・4年から微増に。
廃棄物処理事業経費については前年度から微減となった。事業経費は総額1兆7829億円 (前年度1兆7904億円)で、うち建設改良費 が2060億円 (同1915億円)、処理・維持管理費1兆4636億円(同1兆4848億円)などとなっている。


日本鉄鋼連盟 CO2排出量10.5%減を達成 08~12年度平均で90年度比

(一社)日本鉄鋼連盟では先ごろ、鉄鋼業の地球温暖化対策における自主行動計画の取りまとめ結果の公表を行ったが、それによれば、2008~2012年度における鉄鋼業界のエネルギー消費量は、基準年度となる90年度比で10・7%減となり、自主行動計画の目標値となる10%減を達成。また、CO2排出量も90年度比で10・5%減(目標値:90年度比9%減)となった。
鉄鋼連盟では、粗鋼生産量1億トンを前提に、2010年度の鉄鋼生産工程におけるエネルギー消費量を1990年度比10%削減(CO2排出量9%削減)するという目標を掲げ、この目標を2008~2012年度の5年間の平均値として達成すべく取り組んできた。そのなかで、この自主行動計画参加企業における2008~2012年度の粗鋼生産量は年平均1億185万トンとなり、1990年度(1億470万トン)比で2・7%減少したことがエネルギー消費量の減少要因の1つとした。ただ、残りの8・0%分については排熱回収増強や設備効率化といった省エネ対策や、廃プラスチックや廃タイヤなどの活用などでCO2排出原単位が大幅に改善した点が大きく、CO2の排出量は5年間の年平均で約1億8000万トンと1990年度の2億トンから大きく減少、京都メカニズムに基づく排出権クレジットに関しても使用せずに目標を達成している。鉄鋼業全体では、2008~2012年度の年平均粗鋼生産量1億530万トン(90年度比5・7%減)となり、エネルギー消費量も基準年度比11・0%減、CO2排出量も同比10・7%減となっている。また、2012年度の単年度の実績については、自主行動計画参加企業合計の粗鋼生産量は1億394万トン(90年度比0・7%減)となり、エネルギー消費量は基準年度比8・7%減、CO2排出量が1億8577万トンで同比7・4%の減となった。鉄鋼業全体では、粗鋼生産量1億730万トン(基準年度比3・9%減)に対し、エネルギー消費量が基準年度比9・0%減、CO2排出量は基準年度比7・5%減となった。
なお、同連盟では既に日本の鉄鋼業が世界最高水準のエネルギー効率をほこっていることを踏まえ、2020年に向けて低炭素社会実行計画を策定し、2005年度を起点に省エネ設備を導入、排出量を500万トン削減するほか、2050年の世界粗鋼生産22億トンが見込まれる中で、省エネ技術の途上国への移転・普及を進め、2020年に推定7000万トンのCO2削減に貢献するとした。更に、エコプロダクトの供給を進め、2020年に代表的な高機能鋼材により約3400万トン削減、そして2050年に向けては、水素還元と高炉ガスのCO2分離回収などといった革新的製鉄プロセスを開発、生産工程におけるCO2排出削減を目指すなどとしている。


プラスチック循環利用協会 2012年は排出減と利用率上昇 欧州危機や円高で生産量減少

一般社団法人プラスチック循環利用協会(旧・プラ処理協)が先ごろまとめた2012年暦年のプラスチック製品・廃棄物・再資源化フローによれば、2012年はプラスチック製品を含めた世界の流通量の大きな減少が注目されている。特に生産量は、欧州債務危機を主因とした世界景気の減速と、我が国においては異常な円高進行が重なり、樹脂輸出の後退や輸入増などで国内はマイナス。樹脂生産量は前年比105万トン(9.1%)減の1054万トンと、25年ぶりに1100万トン台を割り込んでいる。
廃プラスチックを取り巻く環境については、毎年実施しているアンケートを基に推計した結果、固形燃料以外にも廃プラスチックがセメント原燃料として約40万トン使用されていることが判明。今回のフローに「セメント原燃料用プラスチック利用量」が追加されている。廃プラ総排出量は929万トンでこちらも前年比23万トン(2・7%)減少した。
再資源化については、マテリアルリサイクルが204万トンで前年比3・8%減となったが、前述の「固形燃料/セメント原燃料」が42万トン増加し、サーマルリサイクルの比率が2%上昇。廃プラスチックの有効利用率も前年比2ポイント増の80%となった。これにより、有効利用プラは744万トン、未利用プラは185万トンとなっている。


3R推進団体連絡会 目標達成、上方修正も 2012年度の各団体の実績報告

3R推進団体連絡会の共同記者会見

3R推進団体連絡会の共同記者会見


容器包装素材8団体で構成する「3R推進団体連絡会(幹事長=宮澤哲夫PETボトルリサイクル推進協議会専務理事)では現在、第2次自主行動計画(2011~15)に基づき3R推進に向けた取組みを進めているが、このほど計画の2012年度フォローアップの結果を取りまとめた。現在の第2次計画は2010年に終了した第1次計画の結果を受けて策定されたもので、2004年度を基準年度として容器包装のリデュース(排出抑制)、リユースおよびリサイクルについて、事業者が実施する取組みを団体ごとに数値目標として設定しているほか、情報の共有化や市民等への啓発事業、調査・研究事業等主体間の連携に関する行動計画を設定している。
8団体が進める3Rの取組のうちリデュースでは、第1次計画で8素材中7素材が2010年度目標を達成したことを受け、第2次計画で新たな軽量化率、削減率が設定された。なお、12年度はPETボトルや紙製容器包装、スチール缶、段ボールが目標を上回る実績となったため目標値を見直し、それぞれ上方修正されている。12年度実績はPETボトル13・0%軽量化(当初目標10%)、紙製容器包装9・9%削減(同8%)、段ボール3・6%軽量化(同1・5%)などとなった。
リユースについてはガラスびんで国のモデル事業や研究会への参加、地域のリユースシステム構築事業等が進められている。また、PETボトルに関してはこれまでの超研究の結果、安全性の問題や環境負荷削減効果が限定的との結論が得られている。12年度はガラスびんのリユース拡大策として、WEBサイト「リターナブルびんポータルサイト」での情報発信や、児童・生徒を対象とした環境教育への支援等が行われた。
リサイクルの取組みについての12年度実績はガラスびん、PETボトル、スチール缶、アルミ缶、段ボールが高水準のリサイクル率を達成・維持しているほか、その他の紙製、ブラ、飲料用紙製等についても設定された目標に向かった着実な前進が見られる。なお、各業界の努力により、潰しやすい容器包装の開発や減容化可能容器・複合素材についての研究、自主回収の促進等についても成果が見られる。