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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2013年4月

環境産業 市場規模は82兆円に 2011年付加価値額はGDPの約7.5%に

環境省のまとめによると2011年の環境産業市場規模は約82兆円と推計された。関連する政策立案の基礎資料として、また環境産業への情報提供を行うことで環境保全につながる経済活動を進めるため、環境省では毎年、環境産業市場の動向等についての情報整備を行っている。環境産業の市場規模と雇用規模の推計、付加価値額や輸出入額等を試算している。
「次世代省エネルギー住宅」等の9分野を新たな推計対象として00年までの遡及改定を行った結果、環境産業の市場規模はリーマンショックの影響で09年に縮小したものの、10年以降は景気の持ち直しを受けて増加傾向で推移している。11年の市場規模は約82兆円で前年から約2・3%のプラスとなり、2年連続で増加した。また雇用規模は約227万人で、こちらも前年比1・3%の増加となった。
推計対象外である環境製品・サービスについては継続的な推計に適さないため今回の推計には含まれていないが、「除染」や「がれき処理」「炭素繊維」等の重要項目については市場規模の試算を含めて整理を行っている。「除染処理」の市場規模は復興関連予算を基にした推計で11年度以降、年間約2400~6200億円程度と推計された。また、「がれき処理」についても国の災害廃棄物処理指針(マスタープラン)に基づく復興庁予算と処理の進捗状況等から、11年度、12 年度で約3000億円以上、13 年度で約1000億円以上の規模に達するとされた。ただし、これらについては国の予算がどのような範囲の費用を捕捉しているか、あるいは部門ごとの対象範囲の考え方によっては過小推計である可能性もあり、政府予算をそのまま市場規模とすることについては引き続きの精査が必要としている。
また、「炭素繊維」は幅広い産業用途で利用され、自動車や航空機等への利用では軽量化により燃費が大幅に改善され、CO2削減に寄与することから環境配慮型素材と考えられている。ただし、データの捕捉に課題が残ることなどから、今回の環境産業市場規模への計上は見送られた。さらに、環境産業の付加価値等については、11年環境産業の付加価値額約35兆円(同年GDPの約7・5%)、輸出額約7・7兆円、輸入額約1・5兆円とそれぞれ試算されている。


食品リサイクル法 見直しの検討始まる 新たな数値目標の設定も

食品リサイクル制度の見直しを行う農水省食農審と環境省中環審各食品リサイクル専門委の第1回合同会合が開かれた。見直しに向けた本格的な検討に先立ち、法の施行状況と併せ、現状での問題点や今後の課題などについて整理している。食リ法は食品の製造・流通過程で発生する食品廃棄物への対策として、発生抑制と減量化、資源化利用や熱回収などの取組みを食品関連事業者に求めるもの。食品廃棄物の発生量が年間100トンを超える事業者には定期報告義務を課している。一方で、事業者の再生利用等の取組みが円滑に行われるよう、「登録再生利用事業者制度」によるリサイクル業者の育成や、「再生利用事業計画認定制度」による優良事例(食品リサイクル・ループ)の形成などの支援策も講じられている。業種別の再生利用等実施率として、24年度を目標年次に食品製造業で85%、食品卸売業で70%、食品小売業で45%、外食産業で40%の数値目標が設定されている。
食品リサイクルの現状については、定期報告による発生量100t以上の事業者からの食品廃棄物等発生量は平成20年度で1539万トン、21年度で1488万トン、22年度で1447万トンと年々減少傾向にある。また、再生利用等実施率は20年度が88%、21年度が89%、22年度が90%と上昇傾向にある。業種別では食品製造業95%、食品卸売業67%、食品小売業43%、外食産業36%となり、再生利用等実施率目標を既にクリアしている食品製造業以外の業種でも目標到達に近い水準にあることがわかる。
なお、食品リサイクルの手法別では、22年度実績で飼料が全体の51%、肥料が12%、メタン化が3%、油脂・油脂製品原材料が2%などとなっている。有価物を除いた飼料化やメタン化及び油脂・油脂製品は増加傾向にあり、飼料化全体や肥料化は減少傾向にある。現行の数値目標などを示した基本方針が策定から5年を経過したことから改定されることとなっているが、そこに盛り込まれる新たな数値目標については、現在進められている施行状況の検討結果を踏まえて今後、策定される。
今回の見直しにあたり、考慮すべき関連施策の内容が整理されているが、バイオマス活用推進基本計画ではバイオマス種類別の目標として、食品廃棄物(約1900万トン)で従来の肥飼料利用のほかメタン発酵等によるエネルギー利用を進めるとされている。また、このほど公表された第三次循環型社会形成推進基本計画(案)でも、食品リサイクル法に基づく対応として、これまで再生利用が進んでいなかったサプライチェーンの川下(流通、外食)や家庭での利用を進めるため、民間リサイクル事業との連携により従来の肥飼料化に加え、肥飼料化利用が困難なものを固定価格買取制度も活用してバイオガス化等を促し、地域の特性に応じた食料・エネルギーの地産地消の体制を構築するとしている。


第3次循環型社会形成推進基本計画案 循環の「質」重視 2R拡大で制度化検討も

環境省はこのほど、第三次循環型社会形成推進基本計画案をまとめた。現行の第二次計画は循環型社会形成に関する施策を総合的、計画的に推進するため平成20年3月に策定されたが、今回の第三次計画は資源循環の質に着目した仕組みづくりを目指したものとなる。リサイクルより優先順位の高い2R(リデュース・リユース)の取組みが進む社会経済システムの構築、使用済製品からの有用金属の回収や水平リサイクルなどの高度なリサイクルの推進に重点を置いている。また、国際的な取組みとして、国内利用に限界がある循環資源輸出の円滑化を図ることなどを盛り込んだ。
第2次計画では物質フローの指標として平成27 年度時点で資源生産性約42万円/トン、循環利用率約14~15%、最終処分量約2300万トンという数値目標が設定されていた。22 年度時点で資源生産性約37・4万円/トン、循環利用率15・3%、最終処分量1900万トンと、循環利用率と最終処分量については現段階で目標が達成され、資源生産性についても目標に向け順調な推移が見られる。目標年次を待たずに達成されるなど循環資源の活用が進む一方で、その内容を見ると、品質低下を伴うリサイクルが行われる場合が多く、リサイクル費用の削減も大幅には進んでいないことが多い。
また、資源投入という入口側から見ると、金属資源のほとんどを海外からの輸入に頼り、特に、需要が拡大する一方で供給構造が脆弱なレアメタルの安定供給などが大きな課題となっている。なお、次期計画2盛り込まれた新たな物質フロー指標は、平成32年度目標で資源生産性46万円/トン、循環利用率17%、最終処分量1700万トンと設定されている。
次期計画の柱の一つである2R推進に向けた取組みでは、国民や事業者に求められる2R行動を制度的に位置付けることや、消費者のライフスタイルの変革と併せて容器包装の削減・軽量化や長期間使用製品の開発、リターナブル容器の利用など事業者サイドの取組みを推進することが必要であるとしている。また、健全なビジネス市場を形成するため、事業者の法令遵守(コンプライアンス)体制の徹底やリユース品の性能保証など、リユースビジネスの環境整備を進め行くことが重要であるとしている。


対中輸出 密輸取り締まりで検査強化 11月まで雑品や廃プラスチック等に影響も

中国の揚げ地検査

中国側の揚げ地検査


我が国再資源化業界にとって重要な市場であった中国向けについて、輸出企業は今まで以上に厳しい状況に置かれつつある。これまでも、我が国からの再生資源に関しては、日本企業の起こした中国・青島での違法廃プラスチック輸出事件による日本産廃プラスチックの輸入禁止措置や海外の再生資源輸出企業に対する登録制度導入など、中国政府による規制措置で輸出企業も大きな影響を受けてきたが、中国側の旺盛な資源需要を背景に、難問を乗り越えながら両国の再資源化貿易を継続してきたのが実情だ。
しかし、今年に入ってから、中国では税関による港湾での取締強化が実施されており、その影響が輸出企業を直撃している。この税関の検査強化は「打撃走私活動」と言われ、今年の2月から11月までの期間中、密輸を徹底して取り締まるというもの。関係筋によれば、コンテナで3割程度の貨物に対し開梱検査が行われ、厳しいチェックが行われているという。これまで、日本から雑品や廃プラスチックなどについては、取引の形状などを利用した税金逃れが行われてきた実態が指摘されており、取締強化はこれらを一掃するのが狙いと見られ、輸出企業からは中国各地の港湾で通関が出来ないといった声も上がっている。
こうした税関の取締強化について日本のある雑品輸出企業は「ただでさえ日本国内での競争が激しく、利益を出せる環境ではない。更に中国の規制強化、日中間の政治的対立の影響などの逆風が吹くなかで、このビジネスの継続は難しいと言わざるを得ない」と語る。また、ある貿易業者は「今後の中国向け再生資源は古紙などはっきりとグレードの分かるものを除き、出来なくなっていく。これは税関の検査強化もあるが、人件費の高騰で選別コストが出なくなっていることも挙げられる。金属、古紙、プラスチックいずれもグレードはっきり分かる品種の原料が求められる状況が生まれつつある」と現状を分析している。
加えて日本側でも、今年4月より小型家電リサイクル法の施行に伴い、家電製品の混入するようなスクラップに対する規制を強化する流れが生まれてきている。ある程度の有価物が含有されていれば中国ならば何でも輸出できたという状況は遠い過去のこととなりつつあり、雑品などの向け先について、業界としても真剣に考えていく必要がありそうだ。


古紙持ち去り問題意見交換会 第一回登録者を公表 持ち去り根絶車両識別精度

全原連、 日資連、 関東商組、 関資連、 東京協組、 東資協、 東リ協の7団体で構成される古紙持ち去り問題意見交換会ではさきごろ、 第1回目となる古紙持ち去り根絶宣言車両識別制度の登録者を公表した。この識別制度は、 関東1都6県のエリアを対象に、 古紙持ち去り行為の根絶を宣言した車両が識別ステッカー (下の写真参照) を貼付することにより、 問屋搬入の際に識別車両による搬入を確認し、 持ち去り業者の車両を排除しようとするもの。 また、 これまで各地の自治体で行われてきた持ち去り車両の取り締まり対策と連動させることにより (通報情報との照合など)、 従来の対策をより効果的に行うことも期待されている。
上記7団体に所属する事業者は申請の後、 持ち去り事案履歴の審査を経て識別車両として登録され、 ステッカーが交付される。 また、 7団体に所属していない事業者も所属事業者の承認を受けることにより (所属事業者に古紙を持ち込んでいる等)、 所属事業者と同様の手順で申請し、 ステッカーの交付を受けられる (ステッカーの価格は1台分 (下の写真の車両貼付用と車内掲示用のセット) で1500円)。今回公表された登録車数は7団体の所属事業者から248台、 7団体に非加盟の事業者から14台の計262台となった。
7団体の所属事業者が保有する車両は約5000台とされており、 今回の登録車数はまだ全体の5%程度にすぎない。 しかし、 第1回公表後に申請書を提出する事業者も増えてきており、 同意見交換会の識別部会では、 随時審査を行い、 登録車数を増やしていきたいとしている。 なお、 第1回の登録者一覧は下記団体のホームページから閲覧できる。
 ▽全原連・関東商組=http://www.kantoushoso.com/
 ▽日資連・関資連=http://www.nisshiren.com/
 ▽東京協組=http://www.kosi-tokyo.or.jp/
 ▽東資協=http://www.toushikyo.or.jp/
 ▽東リ協=http://www.torikyokai.org/


ガラスびんリサイクル促進協議会 収集方法で成果に差 自治体の資源化収集の現況

ガラスびんリサイクル促進協議会(清水泰行会長)ではこのほど、「全国自治体のガラスびん資源化収集の現況と事例研究」の結果を発表した。現在、家庭用ガラスびんのうち年間約70万トンが分別収集・資源化されているが、なお資源化率は約7割(67.1%)にとどまっている。特に、市民が分別排出したもののうち約24万トンが残さとして埋め立て処分されており、未回収のもの(推定21・5万トン)と合わせ、これらの再資源化が大きな課題となっている。調査結果によると、自治体での収集・選別の方法により資源化量に大きく差がみられ、資源化率の向上に改善の余地があることがわかった。特に、ガラスびんリサイクルでは量だけでなく収集や選別の精度など質にも着目する必要であることや、そのためには目的に合った収集選別システムを構築することが必要なことなどが改めて確認された。以下は概要。
1.1人当たり年間資源化量は5・83kg/年
「22年度容リ法に基づく分別収集・再商品化実績(市区町村別)」によると、自治体ごとの1人当たりの年間資源化量は平均で5・83kg/年で、容器流通量(ワンウエイびん投入量+輸入量)の約7割が家庭用として流通していると見られることから、潜在的に回収可能なガラスびんは100万トン(1人あたり7・85kg/年)と推計される。実際の資源化量から、資源化可能量の74%が資源化され、逆に26%(2・02 kg)が回収されていない。

2.自治体により資源化量に差異
1人あたり年間再商品化量では6kg以上7kg未満の自治体がが最も多いが(236)、1kg以下の自治体が30、14kg超が49と、自治体ごとに大きな差が見られる。

3.収集・選別方法で資源化量に差
パッカー車で他素材容器と混合で収集する場合、収集・選別時に多くが割れてしまい、残さとして埋め立てされる率が高い。「平ボディ車」「びん単独収集」の組み合わせでは資源化量は7・0kgと最も多く、「パッカー車」「混合収集」の組み合わせでは4・1kg(ともに中央値)と最も少ない。

4.同じ収集・選別方法でも資源化量に差
同じ収集・選別方法の自治体でも資源化量に大きな違いが見られる。混合・パッカー車での収集でも市民への啓発や、「割らない」工程への改良などで一定程度、資源化量の拡大が可能となる。

5.コスト増の回避
単独収集している自治体と混合収集している自治体の資源化原価の比較では、単独収集がたからず市も高くなるということはない。混合収集から単独収集に移行した新潟市では、大幅に残さが減少したため埋め立て費用が減り、コストは増加していない。資源化経費の評価には残さ埋め立てなどトータルコストも含めた比較が必要となる。

6.総合的な原価比較が必要
収集・選別システムを考える場合には資源化の量や質、市民負担への配慮のほか、資源化原価を考えることが重要となる。現状では収集・選別費用の算定方法は自治体によって異なり、自治体間での比較が難しい。一般廃棄物会計基準の利用促進を含め、収集・選別・資源化量とそれらの原価精度の向上が必要となる。

特にこれら再資源化コストや残さの発生率(再資源化の精度)等については、算出方法に統一性がないことや、そもそも残さ物を他用途材ととらえるか処理対処物とするかなど、自治体の考え方や地域性なども含めた状況の違いなどによって結果は大きく異なる。また、資源化率拡大に向けた方法(収集方法や選別システムの見直し、変更等)はわかっても実際に可能性があるかどうかなど、その先の取組にはまた別の課題もある。

今回が初めての調査ということから調査自体の精度向上も今後の課題とはなるが、ともあれこういった調査事業が継続的に実施されることで、びんリサイクルの拡大や資源化率向上につながっていくことが期待される。


関東製紙原料直納商工組合 持ち去り古紙排除を徹底 関与の組合員は経過観察へ

関東製紙原料直納商工組合(大久保信隆理事長)では、関係機関と連携して古紙持ち去り行為の根絶に取り組んでいるがこのほど、同組合員の関与が判明した1件の事案について組合としての対応を協議、その結果を公表した。組合員が持ち去り行為に起因する古紙の買い入れを行っているという情報があり、指摘された組合員A社に対して過日、組合がヒアリングを行い事実確認したところ、指摘の内容に間違いがないことが判明した。組合では2月18日付文書で同社に是正の申し入れを行い、それに対して後日、同社から回答書が提出されている。
組合からの是正申し入れを受けて同社では、当該の持ち込み者に対し厳重注意のうえ今後一切、持ち去り古紙は買取りをしない旨を伝えるとともに、以降の取引を中止した。また、持ち去り禁止や新聞回収チラシがついているなど明らかに持ち去り古紙とわかるもの、またはトイレットペーパーなど対価品を持参していない者に対しては、その場で口頭により確認し、一切買取りをしないよう、全社員に徹底した。なお同社から万一、今後同様の事態が発生した場合、組合除名などのいかなる対応も受けるとの意思表示があった。
組合では、今回の事案は定款に定める「除名」にあたるケースであるとしたうえで、今回に限っては再発防止に重点を置いた柔軟な対応を取ることとした。同社に誓約書の提出を求めたうえで、「適格事業所認定」を6ヶ月間停止し、その間を同社への経過観察期間として随時、正副理事長会がその後の状況をチェックしていく。その後、理事会で報告、承認を得た内容を国、地元自治体など関係機関に通知し、対外的にも明らかにしていくこととしている。


産業廃棄物処理業実態調査 市場規模は年間5兆円 大手4%に売上の5割が集中

我が国の産業廃棄物処理業界の全体像を把握するため環境省ではさきごろ、初めての「産業廃棄物処理業実態調査」を実施し、その結果をとりまとめた。国内の産業廃棄物処理業の市場規模は年間約5兆円と推計され、さらに全体の約4%の事業者が売上全体の5割を占めている。大手の産廃処理業者に売上が集中していることがわかる。
経営組織の形態別では会社組織が全体の9割超となるが、個人経営も 6・1%あるほか、会社以外の法人組織も全体の 2・5%あった。経営規模(資本金)別では、資本金で1000万円以上5000万円未満が全体の60・1%と半数以上を占めている。その他、500万円未満が16・3%、500万円以上1000万円未満が10・3%、5000万円以上1億円未満が7・7%、10億円超 が0・7%などとなっている。
産廃処理業を専業とする業者は少なく、兼業の場合でも処理業が主たる事業にはなっていない場合が多い。産業廃棄物処理業以外を含めた総事業売上の1事業者あたりの平均は約11億9000万円だが、処理業のみの売上は1事業者平均で約 1億31000万円となった。処理業を専業としている割合はわずか9・5%と全体の1割に満たない。 産廃処理業の売上割合が25%未満とした回答が全体の約4割、0%とした回答も約25%あった。
特に収集運搬のみの産廃処理業者の約半数(46・9%)が売上0%と回答している。収集運搬のみの許可を持つ業者の中には、許可を取得しているものの業を行っていないケースが多い。さらに売上実績がある中でも39・8%が25%未満と回答しており、0~25%未満を合計すると86・7%に上る。また、収集運搬軍では処理業を専業(100%回答)とする割合も他の区分と比較して低い(3・8%)。一方、事業区分が最終処分の者は専業率が35・7%で、他の事業区分と比較して極めて高い。中間処理区分では50%未満が全体の67・2%を占め、専業はわずか12・8%となる。
産廃処理業の年間売上高は全体では、売上高「0」が25・8%と最も多く、次いで1000万円以上5000万円未満20・6%、1億円以上10 億円未満が18・5%となっている。年間10億円以上を産廃処理で売り上げる事業者は全体のわずか3%以下となっている。 事業区分別②見ると、収集運搬のみの処理業者では年間売上が1000万円に満たない事業者全体の7割超となっている。中小零細業者がほとんどを占め、年間10 億円以上の売上はわずかに0・2%のみ。一方、中間処理では1億円以上10 億円未満の売上規模が最も多く全体のおよそ3割を占め、1000万円未満の割合は小さい。


関東鉄源協同組合 ホームページを開設 理念や事業、会員リストなどを掲載

関東鉄源協同組合HP

関東鉄源協同組合HP


関東地区の有力鉄スクラップヤードディーラーで構成される関東鉄源協同組合(山下雄平理事長)ではこのほど、関東鉄源協同組合ホームページ を開設した。組合ホームページには、同組合の理念や共同輸出事業などの取り組みを、国内外に幅広く認知してもらうことが目的。
また、同ホームページには、関東鉄源協同組合が設立以降今まで行ってきた輸出入札(テンダー)の価格データがまとめられているほか、組合を構成している地域別各会(湘南会、京浜会、京葉会、埼京会、山梨問屋会、群馬両毛懇話会、茨城会、栃木会)の会員リストをヤード写真と共に掲載。訪問者に同協組が共同輸出をする鉄スクラップ(H2)がどのような品物となるのかを視覚的に伝えようとする試みもなされている。
関東鉄源協同組合では今後も、ホームページのコンテンツの拡充を図りながら、組合設立の理念でもある鉄リサイクル業界の地位向上を目指す方針。


環境省 処理完了が5割超え 3県沿岸市町村の災害廃棄物

環境省がこのほどまとめた2月末現在の被災3県沿岸市町村の災害廃棄物等処理状況によると、2月末時点で3県沿岸市町村の災害廃棄物約1630万トンのうち、約836万トン(約51%)の処理が完了、全体の処理割合が5割を超えた。各県別の処理割合では、岩手県が約44%、宮城県が約56%、原発事故の影響で遅れている福島県が約35%という状況にある。また、市町村別では、宮城東部ブロック、亘理名取ブロックに続いて仙台市、いわき市で新たに処理完了率が6割を超えており、着実な進捗が見られている。災害廃棄物の仮置場への搬入率は約9割(搬入完了目標は年度末)となった。各市町村で家屋等所有者からの申請を受け、解体・撤去等の作業が進められている。津波堆積物については発生量約1040万トンのうち、現在までに約229万トン(約22%)の処理が完了している。
前回発表(1月)以降の各県の動きとしては、 岩手県で釜石地区の破砕・選別施設への津波堆積物処理ラインの追加設置が完了したほか、陸前高田市でも津波堆積物処理ラインが4月に設置完了予定となっている。宮城県ではこれまでに仮設焼却炉計29基が設置済みで、3月の時点でこのうち26基が本格稼働となっている。また、破砕選別施設についても3月以降、設置が計画されていた12 カ所すべてが本格稼働の予定となっている。津波堆積物の処理では気仙沼処理区で現在、処理ラインの追加設置が行われており、5月の稼働予定となっている。
福島県については、国の代行処理事業で新地町と相馬市での事業が進められており、相馬市内に仮設焼却炉3基を設置、2月から焼却が行われている。汚染廃棄物対策地域内での国の直轄処理事業では、南相馬市で計7か所の仮置場が設置されているところで、その一部で搬入が開始されている。楢葉町、川内村の仮置場でも一部搬入がはじまっている。


フロン回収 環境大臣に意見具申 回収基準見直しや指導強化など

環境省の中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会及び経済産業省の産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会の合同会合では、今後のフロン類対策について審議を行ってきたが、そこでまとめられた報告について、このほど環境大臣に意見具申が行われた。
HFC(ハイドロフルオロカーボン)を始めとする代替フロン等3ガスの排出量については、冷凍空調機器の冷媒用途を中心に増加傾向にあり、今後、冷媒HFCを中心に急増する見込みだ。また、前回の「フロン回収・破壊法」の改正で、行程管理制度等を新たに導入したものの、廃棄時冷媒回収率は依然3割程度で推移しているのが実情だ。加えて、冷凍空調機器の使用中に、想定を大きく上回る規模で冷媒フロン類が漏えいしていることが判明しており、これまでの取り組みを包括的に見直すことの必要性が指摘されていた。
今回まとめられた対策では、①機器メーカーによるフロン類使用機器のノンフロン・低GWP化、②ガスメーカーによるフロン類の実質的フェーズダウン、③使用者による業務用冷凍空調機器使用時におけるフロン類の漏えい防止、④フロン類回収を促進するための方策、⑤建築物の解体工事における指導・取組の強化を方向性の柱としている。このうち④については、第1種フロン類回収業者の登録件数が3万件を超えるなかで、回収実績が少ないものが多数存在すること、技術力が必ずしも十分ではないことなどから、回収に対する基準の見直しに言及しつつ、破壊業者又は再生を行う者は、それぞれフロン類の破壊又は再生が終了したときに、当該フロン類を引き渡した回収業者に、その旨等の報告を行い、さらにその回収業者を経由して、廃棄等実施者又は整備発注者が、費用負担に見合った処理の終了を確認できる仕組みとすることとしている。
また、⑤では前回の法改正において、特定解体工事元請業者が着工前に第一種特定製品の設置の有無を確認して発注者に説明する義務規定が追加されたが、この制度を未だ承知していない建設業者や解体業者が約1割存在することから、これに対する周知徹底と、都道府県のフロン回収・破壊法担当部局による取組の実効性の確保、及び実務面での連携等による効率的な監視の実施などを進めるとした。このほかの対策としては、デポジット制度といった経済的手法の導入検討ややフロン類等対策の取り組みが評価される環境づくりなどを進めるなどとしており、今回の対策導入効果は、CO2排出量換算で2030年に2550~3180万トンに達するとの試算も公表されている。


東京都 震災後節電・省エネ効果も 中小事業所からのCO2排出量

東京都は平成22年度から中小規模事業所を対象に、前年度のCO2排出状況等の報告を求める「地球温暖化対策報告書制度」を実施しており、今年度は制度開始から3年目の報告書が提出されている。これまで毎年度3万超の事業所から報告書が提出され、提出事業者では、任意による報告書の提出が1500事業者を超え、初年度から比べで25%増となるなど、制度の定着が進んでいる。今回、3年連続で報告書を提出している約2万7000事業所(提出事業所の8割)について、co2排出量が集計されているが、震災後の平成23年度の排出量が大幅に減少しており、節電と省エネ対策の取組の効果が明確となっている。
1月15日時点での集計結果(速報値)によると、24年度分の報告書の提出は、義務提出で311事業者(21544事業所)、任意提出で1524事業者(12317事業所)の計1835事業者(33861事業所)となった。報告書に基づく23年度の中小規模事業所からの温室効果ガス排出量は義務提出分426万トン、任意提出分70万トンの合計496万トンとなっている。
また、3年連続で報告書を提出した27401事業所のCO2排出量の推移を見ると、猛暑・厳冬となった22年度の排出量は前の年度と比べて2%増加し、東日本大震災後の23年度は22年度と比べて14%減少している。各事業所で震災後の節電・省エネ対策が進んだことが大幅な削減②つながった。主な用途別の排出量の推移を見ても、各業種でそれぞれ大幅な削減がされており、顧客を対象とする百貨店・スーパーやレストラン・食堂等でも削減効果が見られる。
地球温暖化対策報告書は、都内に中小規模事業所を設置する事業者が、各事業所の前年度のCO2排出量、地球温暖化対策の実施状況を都に報告する制度で、年間の原油換算エネルギー使用量が1500キロリットル未満の事業所が対象。複数事業所のエネルギー使用量合計が一定以上の場には報告書の提出が義務づけられおり、義務提出以外の事業所については任意での提出となる。