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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2013年1月

温室効果ガス 全参加者が目標達成 国内取引(6期)は46件、3万481トン

環境省は温室効果ガスの費用効率的で確実な削減と国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的に、自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を2005年度から行っている。これまでに389事業者(延べ数)が目標保有参加者として同制度に参加している。直近では第6期(2010年度採択、2011年度排出削減実施)が昨年11月末で終了し、CO2排出削減量の実績と排出量取引の結果が取りまとめられている。同期の排出削減量は合計で7万0811t─CO2となり、排出枠の取引件数は46件、取引量は合計で3万481t─CO2となった。
JVETSでは第3期から「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」(試行スキーム)の参加類型の一つとなっているが、第6期はJVETSと「試行スキーム」で口座を保有する取引参加者間での制度間取引(システム間移転)が7件行われた。第7期(2011年度採択、2012年度排出削減実施)でも同様の制度運用が行われる。
自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)は排出削減に自主的、積極的に取り組もうとする事業者に一定量の排出削減約束と引換えに、省エネによるCO2排出抑制設備整備への補助金を交付する仕組みで、削減約束達成のため、排出枠取引という柔軟な措置の活用を可能としている。参加事業者は、「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキーム参加者として位置付けられる。第6期の目標保有参加者は58社で、基準年度排出量(過去3年の排出量平均値)は合計で48万3137t―CO2。目標保有参加者58社の全参加者が制度参加時点で約束された削減目標を達成している。


富士繁 八王子に新工場を開設 ギロチン等設置し、都内初の集荷拠点に

富士繁八王子工場

富士繁八王子工場


関東地区の大手鉄スクラップヤードディーラーである株式会社富士繁(本社・神奈川県横浜市、金子栄社長)ではこのほど、東京・八王子市に都内では初の拠点となる八王子工場(東京都八王子市犬目町682-8)を開設、稼働を開始した。
八王子工場は、従来鋼材置き場として利用されていた場所を、同社が購入し、スクラップヤードとしたもの。敷地面積は1650㎡、1250トンのモリタ製ニューギロなどを設置し、月間の取扱量は3000トン程度を目指す。
深いピットを持つギロチン

深いピットを持つギロチン


1月26日には取引先など関係者120名以上を集め、竣工式を開催したが、竣工式後の懇親会で挨拶に立った金子洋一会長は「八王子工場は横浜への通過地点であり、近郊や山梨、静岡などからの集荷拠点としての位置付けとなる。工場はギロチン、台貫、電気設備などはすべて自前で行っている。業界は非常に厳しい環境に置かれているが、一致団結と共存共栄の精神で事業を進めていきたいと考えており、皆様におかれましては何かありましたらご協力のほどよろしくお願い申し上げます」と述べた。
また、中締めの挨拶で同社の金子栄社長は「今日、このような式典を盛大に開催できたのは皆様のご支援の賜物です。八王子工場の開設で、5つの工場と3つシッピングヤード体制で、年間50万トン体制に向け、仕事にまい進していきたい」と述べた。なお、同社では今後も鉄スクラップ集荷体制の強化を図るべく投資を進める計画で、更なる飛躍が期待されるところだ。


産業廃棄物 評価基準など設定 環境配慮契約法基本方針改正へ

「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」(環境配慮契約法)基本方針の見直し案が取りまとめられ、近く成立の見通しとなった。国や地方自治体では環境配慮契約法の基本方針に基づき物品購入や委託事業等で環境配慮契約が行われている。現在、電気の供給、自動車の購入と賃貸借、船舶の調達、省エネ改修事業、建築物等の契約について具体的な環境配慮の内容や手続が規定されている。
今回の改正では 「電気の供給を受ける契約」に関し、昨年施行されたFIT法に対応するための所要の改正がなされるほか、「自動車の購入等に係る契約」での評価方法の変更がなされる。加えて、今回新たに契約の対象分野に 「産業廃棄物の処理に係る契約」が加わる。産業廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分業務を入札で発注する場合、 入札参加申込みをした者のうち、一定の資格を満足する者から申込み価格に基づいて落札者を決定する方式(裾切り方式)を採用するとされている。
産業廃棄物処理契約にあたっては温室効果ガス等排出削減の取組、 優良認定への適合等を評価基準としている。このうち排出削減取組等の評価では収集運搬から中間処理、最終処分の各過程での取組みによる大気・水・土壌、騒音、振動等の各環境質の保全が考慮され、再生利用と適正処理に関する能力や実績等の評価では、循環的利用への取組状況や優良認定適合が考慮される。産廃の種類や再生資源化の種類などの特性を踏まえ、具体的な条件については調達者側で設定することになる。
具体的には、①環境配慮への取組状況、②優良基準への適合状況の2つの要素をポイント制で評価、一定点数を上回る事業者に入札参加資格を与える仕組みとなる。各要素の区分値・配点及び裾切り下限値は実施主体がそれぞれ設定する。なお、裾切り方式は事業者の多様な環境への負荷低減に向けた取組を積極的に評価するもので、複数の評価項目のすべてを満足することを求めるものではないが、入札サイドの判断で特定の評価項目を満たすことを必須とする(業務請負条件)項目を設定することもできる。ただしその際には、公正な競争確保に配慮することとしている。
ちなみに、検討過程では価格と他の要素を合わせて評価する「総合評価落札方式」が最善とされが、現時点では具体的な環境負荷削減効果を算定できないことから当面、裾切り方式を採用することとしたもの。削減効果が算定可能となった場合に改めて検討されることになる。また、当面は優良産廃処理業者認定制度の認定は必須項目とはならないが、こちらについても今後の経過を見て見直しが検討されるもよう。なお、 民間部門でも国等の業務については同方式とし、 環境配慮契約の推進に努めることが望ましていとされている。


不法投棄 新たに5000トン超が2件 23年度末の残存量は1862万トンに

環境省のまとめによると、平成23年度に新たに判明した不法投棄事案は192件となり、前年度から24件の減少となった。不法投棄総量は5・3万トンで、同0・9万トンの減少となっている。また、不適正処理事案として報告されたものは183件(前年度比8件減)だが、不適正処理の総量は120・9万トンと前年度から114・5万トン増加した。23年度末時点での不法投棄等残存件数は全国で2609件となり、前年度から1件増加、残存量合計は1862万トンで88万トン増加している。
法規制の強化や各種対策の効果により、不法投棄等の新規判明事案は長期的には減少傾向にあるとされている。そうしたなかで昨年度は1件の投棄量で5000トンを超える大規模な事案が新たに2件、不適正処理事案についても9件(うち報告もれ、時期不明4件)が判明している。
残存事案として報告されている2609件のうち支障等が懸念される133件についてはそれぞれの状況によって支障除去、周辺環境モニタリング、状況確認の立入検査等の措置が講じられている。そのうち、現に支障が生じていると報告されているものが16件、支障のおそれがあって防止措置を講じる予定とされているものが31件ある。なお、支障除去等が完了した事案についても、その後の土地利用でリスクが発生し得る状況となった場合、指定区域に指定する等新たな措置が講じられる。


日本鉄リサイクル工業会 賀詞交歓会を盛大に開催 影島会長「展望描き働く年に」

鉄リサイクル工業会新年賀詞交換会・挨拶する影島会長

挨拶する影島会長


一般社団法人日本鉄リサイクル工業会(会長・影島一吉影島興産社長)はこのほど、東京・日本橋の鉄鋼会館にて、関係者300名以上を集め、盛大に賀詞交歓会を開催した。
冒頭で挨拶に立った影島会長は「昨年はスーパーイヤーと言われ、各国で首脳が変わり、日本でも年末に総選挙が行われ、新政権が誕生した。ロシアのプーチン大統領や韓国の朴女史は、私と同じ1952年生まれの60歳であり、この世代が世界をリードしていくことで、大きな変化が起きてくると感じています。一方、日本は政治家と企業人との間で意識の隔たりがあるように感じましたが、新政権には大人の政治をお願いし、自立自尊自己責任の私ども鉄スクラップ業界は真っ当な生き様を示していきたいと考えております。スクラップ相場に目を向ければ、昨年は3万2000円から10月に2万2000円まで下落し、惨憺たる一年になるかと思いきや、年末に5000円反発し、今年は昨年のような続落相場にならないのではと期待しています。また、私ども工業会としては、皆様の活動が円滑に行えるよう、労働安全、品質管理、コンプライアンスなどの業界の環境整備のため、一丸となって働く所存でありますが、会費値上げの検討も進める中で、皆様にアンケートを送ることにもなりますので、ご協力のほどよろしくお願いたします。最後に、昨年iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸也教授のモットーは『VW(visionとwork)』だそうで、巳年の一年、業界の展望を描き、一生懸命働きましょう」と述べた。
このほか、来賓として、経済産業省製造産業局鉄鋼課の遠藤健太郎製鉄企画室長、普通鋼電炉工業会の栗川勝俊会長、日本鉄源協会の谷口進一会長らが挨拶を行った。


産業廃棄物 排出減も処分量微増に 平成22年度の排出・処理状況

環境省がこのほどまとめた平成22 年度の産業廃棄物の排出、処理状況によると、同年の全国総排出量は約3億8000万600万トンとなり、前年度から約400万トンの減少となった。排出量を業種別に見ると電気・ガス・熱供給・水道業からの排出量が最も多く、約9557万トン(全体の24・8%)で、以下、農業・林業の約8509万トン(同22・0%)、建設業の約7321万トン(同19・0%)、パルプ・紙・紙加工品製造業の約3341万トン(同8・7%)、鉄鋼業の約2863万トン(同7・4%)となった。これら5業種からの排出が全体の8割超を占め、鉱業と化学工業の順位が逆転しているが、全体では前回結果と同様の傾向を示している。種類別では汚泥が最も多く、約1億6989万トン(全体の44・0%)で、これと動物のふん尿、がれき類の3種類からの排出が全体の約8割を占めている。木くずと廃プラの順位が逆転しているが、こちらも前回と同様の傾向を示している。
これらの処理状況については、総排出量約3億8599万トンのうち、中間処理されたものが約2億9586万トンで全体の77%となり、直接再生利用されたものは約8383万トン、直接最終処分されたものが約630万トンとなった。また、中間処理された産業廃棄物約2億9586万トンは約1億2886万トンまで減量化され、再生利用(約1億2090万トン)もしくは最終処分(約796万トン)されている。全体として産業廃棄物全体の53%にあたる約2億473万トンが再生利用され、4%にあたる約1426万トンが最終処分された。前回結果と比較すると排出量は減少しているものの、最終処分量はわずかに増加している。
なお、廃棄物の種類別で再生利用率が高いのは動物のふん尿、金属くず(いずれも96%)、がれき類(95%)、鉱さい(90%)等で、逆に再生利用率が低いものは汚泥(9%)、廃アルカリ(23%)、廃酸(30%)、廃油(37%)等となっている。また、最終処分比率が高い廃棄物は燃え殻(26%)、ゴムくず(22%)、ガラス・コンクリート・陶磁器くず(21%)、廃プラ類(19%)等となっている。減量化率が高いものは汚泥(88%)、廃アルカリ(75%)、廃酸(68%)、廃油(60%)等。


環境省 安定型処分要件を公布 放射能汚染廃棄物の種類など

放射性物質環境汚染対処特措法の施行規則規定による、環境大臣が定める要件が昨年末に公布された。特措法施行規則では、公共水域や地下水の汚染を生じさせるおそれのないものとして、安定型最終処分場相当の最終処分場に埋め立てることのできる基準適合特定廃棄物(放射能濃度8000Bq/kg以下の特定廃棄物)の要件を環境大臣が定めることとされている。
今回定められた要件では、「埋め立てる廃棄物の種類を廃棄物処理法と同様に廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、コンクリートの破片その他これに類する不要物の5種類に限定」し、「所要の方法による検液を測定してセシウム134・セシウム137が検出されないこと」とされている。また、特定産業廃棄物の要件についても、「同様の測定方法によりセシウム134・セシウム137が検出されないこと」とされた。


東京都 認定制度で新たに84社 健全な産廃ビジネスの振興へ

東京都が優良な産業廃棄物処理業者を認定する第三者評価制度が平成21年度から実施されているがこのほど、24年度認定業者として、産廃エキスパート(トップランナー的業者)、産廃プロフェッショナル(中核的役割を担う優良業者)計84社が決定した。この制度は東京都が全国で初めて創設した産業廃棄物処理業者の第三者評価制度となり、処理業者の任意の申請に基づいて適正処理や資源化・環境負荷低減等の取り組みで優良な業者を第三者評価機関が評価・認定する制度。排出事業者に信頼される処理業者情報の提供や、優良業者の育成と適正処理の推進、健全な産廃処理・リサイクルビジネスの発展──等が目的。
今年度、新たにトライアル認定の創設(認定区分の変更認定─産廃プロフェッショナルの認定業者が有効期間内に産廃エキスパートの認定基準に達した場合に昇格の機会を得る)され、それに基づいて2社が認定されている。また、今年度の認定の状況を見ると、認定業者数の増加や平均得点率の上昇など、認定業者の水準の向上が伺える結果となった。
なお、今回新たに認定を受けたのは「産廃エキスパート」で㈱アルファサポート(埼玉県)、直富商事㈱(長野県)、広陽サービス㈱(東京都)、㈱トベ商事(東京都)他の計42社、「産廃プロフェッショナル」で東電環境エンジニアリング㈱(東京都)、日興紙業商事㈱(東京都)他の42社。


フロン回収・破壊法 平成23年度は3958トンに 回収率は3割程度と依然低迷

経済産業省及び環境省ではこのほど、「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(フロン回収・破壊法」)に基づく、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収量等の集計結果を取りまとめ、公表した。それによれば、平成23年度にフロン類を回収した業務用冷凍空調機器の台数は約123万台、回収したフロン類の量は約3958トンでとなり、前年度と比較して約7万台(約5・7%)、約63トン(約1・6%)増加している。
また、回収されたフロン類約3958トン(約123万台)の内訳は、機器の廃棄時等では約2579トン(約99万台)、機器の整備時では約1379トン(約24万台)となっている。機器の廃棄時等については、前年度と比べ回収台数は約8万台(約9%)、回収量は約183トン(約8%)増加したが、機器の整備時については、前年度比で回収台数は約2万台(約7%)、回収量は約120トン(約8%)減少している。なお、回収フロンの種別では、CFCが約6万3000台で約184トン、HCFCが約53万9000台で2850トン、HFCが約63万台で922トンとなっている。
ただ、両省では業務用冷凍空調機器に係るフロン類の回収は着実に実施されてきているものの、フロン類の回収率は推計値で約3割と依然として低迷していることから、引き続きフロン類の回収徹底への取組が必要としており、各都道府県などと連携して、フロン回収・破壊法の施行強化に引き続き取り組むとともに、今後のフロン類等対策の方向性についての審議等を踏まえ、更なるフロン類の排出抑制に向けて今後所要の検討を進めていくとしている。


3R推進団体連絡会 4品目で目標値達成 自主行動計画に対する実績公表

3R推進団体連絡会

3R推進団体連絡会の会見


3R推進団体連絡会ではこのほど、2015年度も目標年度とする第二次自主行動計画の2012年フォローアップ報告を行い、2011年度におけるリユース・リデュース・リサイクルの3Rの数値目標などの進捗状況について発表を行った。
それによれば、まず、リサイクルの進捗状況として、2011年度の実績では、PETボトル(リサイクル率85・8%)、スチール缶(同90・4%)、アルミ缶(同92・5%)、段ボール(回収率96・2%)の4品目は2015年度の目標値をクリアしており、今後も市況変動の影響を受けることが考えられるとしながらも、引き続きこの水準を維持していくとした。また、今回2015年度目標値に届かなかった紙製容器包装(回収率20・7%)やプラスチック製容器包装(再資源化率40・6%)については、様々な調査を通じて集団回収や店頭回収といった多様な回収ルートの回収量把握を進めているとしている。
他方、素材別に数値目標を定めて軽量化・薄肉化に取り組んでいるリデュースの進捗状況については、2004年度比に対する2015年度目標値でPETボトル(目標値10%/2011年度実績10・5%、2006年度からの累計削減量23万9000トン)、スチール缶(同4%/4・7%、9万5000トン)、アルミ缶(同3%/3%、4万2500トン)、段ボール(同1・5%/2・5%、67万5000トン)の4品目が目標値を達成する水準まで軽量化が進んだとしている。
なお、同連絡会では、今後、容器包装リサイクル制度の見直し論議が開始されるに当たり、消費者・自治体・事業者の三者の役割分担を堅持しつつ、各主体の取り組みの深化を図ること、そしてこの5年間における各主体の取り組み状況の共有し、定量的・客観的指標に基づく評価・検証を行うため、国、自治体、消費者、事業者等の関係者から積極的な情報提供がなされた上で、具体的な制度見直しの検討に入るべきとしている。


PETボトル 9割が独自処理を継続 市町村の分別収集調査で

環境省の調査によると、平成24年度の容器包装リサイクル法に基づく指定法人ルートでの処理計画量は全市町村計画量の67・2%(独自ルートは32・8%)で、前年度とほぼ同程度となった。独自処理を行う市町村で、事業者選定に一定の要件を設けている市町村は全体の61・7%、定めていない市町村は37・9%と、こちらも前年度とほぼ同じ結果となった。容R法では市町村が分別収集した容器包装廃棄物は、「指定法人等に円滑に引き渡す。引き渡されない場合、適正に処理されていることが必要」とされているが、ペットボトルでは多くの市町村で輸出等を中心に独自処理が行われている。こうしたことを踏まえて環境省では、市町村の使用済ペットボトルの分別収集実施状況、処理実態についての調査を実施している。
市町村独自処理の引渡先事業者延べ数は863社(22年度実績)で、「自らフレークやペレットに加工」が54・7%と最も多く、次いで「自ら再商品化せず国内再商品化事業者に販売」が14・9%となった。輸出については、「フレークやペレットに加工して輸出」(7・3%)、「ベール化したものを輸出」(0・5%)を合算した7・8%となっている。国内で再商品化している市町村は「国内でマテリアルリサイクル原料として利用」(57・4%)、「国内でケミカルリサイクル原料として利用」(4・2%)を合算した61・6%となった。一方、「フレークやペレット化されているところまでは把握しているがそれより先は把握していない」(20・3%)、「全部または一部を国外に輸出」(12・4%)を合算すると、最大で32・7%の市町村がペットボトルを輸出している可能性があると見られている。
今後の市町村の意向に関する問いでは、独自ルートを利用していない市町村で「独自ルートで引き渡す予定はない」とした市町村数は97・1%で、前回調査(96・8%)からわずかながら増加している。一方、独自処理を利用している市町村で、「これまで通りとする予定」とした市町村数も91・9%と9割超となった。ただし、「独自ルートでの引渡しはやめる方向」(2・9%)、「独自ルートでの量を減らす方向」(1・8%)など、指定法人ルートへの切り替えの意向を持つ自治体もみられる。


バイオ燃料拡大に期待 国内クレジットへの利用可能に

国内クレジット認証委員会(事務局=経産省、環境省、農水省)の第28回委員会で新たな排出削減方法論を承認され、「化石燃料からバイオエタノールへの切り替え」が排出削減方法論に加わった。新たな方法論の追加により、事業者が化石燃料に代わるものとしてバイオエタノールを製造・導入した場合、それによる二酸化炭素削減量を、国内クレジット制度を活用して譲渡できることとなった。今回の追加で承認された方法論は累計で68件となっている。
国内クレジット制度は京都議定書目標達成計画で規定されているもので、大企業の技術・資金の提供を受けて中小企業等が行う温室効果ガス排出削減量を認証、自主行動計画や試行排出量取引スキームの目標達成等に活用できるとした仕組み。排出削減方法論は、温室効果ガス削減技術や方式(ボイラーの更新、ヒートポンプの導入等)で事業の実施前後の排出量の差(排出削減量)を算定する方法等を定めた雛型。
排出削減事業者が行う排出削減事業の承認を円滑に実施するため、国内クレジット認証委員会が削減技術や方法ごとに排出削減量算定式やモニタリング方法等を定めた排出削減方法論をあらかじめ承認、公開している。排出削減事業はこれら承認された方法論に基づいて計画される。現在までに認証されている排出削減事業は累計で1217件、今年度までの総削減見込量は約167万t―CO2となっている。なお、国内クレジットの認証件数は累計で1119件、国内クレジット量で63万293t―CO2。
農水省では地球温暖化、新産業創出、農山漁村活性化などの観点からバイオマスの活用を推進しているが、今回の方法論の承認でバイオエタノールの一層の利用促進が期待されている。また、農水省ではバイオマス活用の一環として、国内クレジット制度助成制度の利用を促進するなど、引き続きバイオエタノール導入を後押しする。