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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2012年4月

アルミ缶 リサイクル率は92.6%に CANtoCAN率は68%台に

アルミ缶リサイクル協会はこの程、平成22年度の飲料用アルミ缶リサイクル率(再生利用率) についての概要を取りまとめたが、それによるとアルミ缶の再生利用重量は27万4242トン(171億3千万缶)で、前年度比0・2%の微増となった。直近のピークとなった19年度の27万9406トンに比較すると1・8%の減少だが、20年度以降は3年連続のプラスとなっている。
リサイクル率は92・6%で前年から0・8ポイント低下したが、これは後述する韓国向け輸出の増加によるもの。CANtoCAN率は68・3%で前年の62・5%から大きく上昇した。このCAN率の上昇は2次合金、脱酸向け等他の用途向けが落込んだことによるものだ。また、22年度は韓国向けに使用済みアルミ缶が約926トン輸出されたと推定されており、組成率を掛けた輸出量は826トン。これが全て国内で再利用された場合のリサイクル率は92・9%となった。
なお、飲料用アルミ缶の24年度需要見通し量は、空缶・実缶の輸出・入量を合算して、188億缶と推定されており、ここ数年のリサイクル率実績92~93%で推定したリサイクル量は22年度を上回る172~175億缶と推定される。


サントリー 再生樹脂100%ボトルを導入 協栄産業と共同でBtoB拡大

サントリー食品インターナショナル株式会社ではこのほど、メカニカルリサイクルによる再生PET樹脂を100%使用した「リペットボトル」を実用化し、4月よりサントリーウーロン茶の一部に導入すると発表した。今後は伊右衛門などに順次拡大を図り、国内での資源循環を推進する。
同社は、栃木県小山市の協栄産業株式会社(古澤栄一社長)のメカニカルリサイクルにより製造された高品質な再生PET樹脂を用い、これまでロールラベルや再生樹脂50%を使用したリペットボトルを国内で初めて導入し、国内において数々の賞を受賞している。今回の100%再生樹脂を使用したリペットボトルの取り組みも国内初で、これにより新たな石油由来原料を全く使わないペットボトルの製造が可能となる。
また、高品質な再生原料を供給する協栄産業でも、メカニカルリサイクルによるBtoBが拡大を見せつつあることから、小山市内に第二工場を建設、製造ラインを増設することで、需要家のニーズに応えていく構えだ。同社のリサイクルの特徴は、アルカリ洗浄した再生フレークを、真空・高圧環境下再縮合重合反応させることで、異物を徹底的に除去。更に固有粘土をコントロールすることも可能で、再生樹脂を様々な用途に活用する道を開いた。


社団法人日本RPF工業会が始動 業者間の連携など広範囲に活動

このたびの新公益法人制度改革に基づき、平成15年4月より任意団体として活動を続けてきた「日本RPF工業会」はこのほど旧団体を発展的に解消し、事業を継承する法人として、「一般社団法人日本RPF工業会」(関勝四郎会長─㈱関商店・埼玉県)が新たに設立された。
RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)は、再生紙として利用困難な紙くずや木くず等のバイオマス由来のものと、基本的にマテリアルリサイクルが困難なためこれまで焼却や埋め立て処分されていた廃プラスチックを徹底的な選別等の工程を経て破砕・混合・形成し、石炭やコークスなどの化石燃料相当に発熱量を調整した高品位な固形燃料。平成12年頃より化石燃料価格の高騰や京都議定書に基づくCO2削減義務への取組などを背景に、製紙メーカー等の発電用ボイラー燃料としての利用が増えている。
化石燃料の代替材としての需要は年々増加し、現在では製紙工場や繊維染色工場等で広く利用されており、需要規模は年間100万トン程度となっている。さらに、平成22年にはJISの認定(Z7311)を取得するなど、廃棄物再利用燃料から工業製品燃料へと評価も向上し、輸出産業としての期待も高まりつつある。関会長は、「日本における今後のRPF事業の拡大を目指し、需要動向等さまざまなデータの蓄積、事業者間の情報共有の場として当会を設立する。個々の事業者が地域に埋没することなく、ネットワークを活用して関連情報の共有と施策充実に取組み、業界と会員企業の健全な発展、ひいては循環型社会の構築に貢献していきたい(要旨)」と設立の趣旨を述べた。
会ではRPFに関する行政、関連業界の動向調査や品質高度化、製造設備・燃焼機器等に関する技術開発・研究のほか、各種コンサルティング、広報活動等を広範囲に展開していくこととしている。設立時会員数は20社で、会員企業全体でのRPF製造規模は年間36万トン強。国内RPF製造企業は現在、200社程度とされており、これら事業者に参加を呼び掛けるなどして賛助会員も含め、会員数100社規模を目指すとしている。


特別措置法 国の管理対象から除外 警戒区域見直しで一部を改正

東電福島第一原発電事故による警戒区域と避難指示区域等の指定で、昨年12月の原子力災害対策本部決定に基づき川内村、田村市、南相馬市の解除等見直しが行われるのに伴い、放射性物質汚染対処特措法施行規則が近く改正される。国の処理計画では、特措法で警戒区域や計画的避難区域に指定された福島県内自治体から発生する廃棄物は県内での処理を原則に、国が直接管理、処理することとなっている。
今回の改正により、空間線量の低い地域では指定解除前にも事業活動が再開され、相当量の廃棄物が生ずることが想定されている。一方、従来の計画では再開された事業活動から発生する廃棄物で対策地域内の廃棄物である場合は国の直轄処理となり、その場合に対策地域外の事業者との競争上の不公平が生ずることが考えられる。改正案では、事業活動から発生する廃棄物を対策地域内廃棄物から除外し、排出した事業者が事業系一般廃棄物または産業廃棄物として自ら処理を行うこととしている。国や地方公共団体が行う災害復旧事業(道路復旧事業等)については事業の迅速性を重視する観点から、従来通り国が対策地域内廃棄物として処理する。
放射性物質汚染対処特措法は福島第一原発事故に起因する放射性物質拡散による環境汚染に対処するため、国や自治体、関係原発事業者が講じるべき措置等について定めたもので、昨年8月公布され、今年1月1日より全面施行されている。


JX金属がレアメタルリサイクル 敦賀で電池・家電他3設備竣工

銅製錬大手のJX日鉱日石金属はこの程、 同社の100%子会社であるJX金属敦賀リサイクル (福井県敦賀市) で、 レアメタルリサイクルを目的とした3つの設備を竣工したと発表した。完成した設備は①使用済みリチウムイオン電池 (LiB) 等からレアメタル等を回収する設備。 ②使用済み小型家電等を処理する設備 (定置炉の能力増強)。 ③レアメタル含有汚泥からインジウム、 コバルト等を回収する設備で、 設備投資額は合計12億4400万円。 経済産業省の希少金属利用産業高度化推進費補助の交付対象となっている。
リチウム電池のリサイクル設備は、 経産省の委託事業として行った 「使用済みリチウムイオン電池等からのリチウム、 コバルト、 ニッケル、 マンガン等を回収する実証試験」 の結果をもとにプロセスの改善やコスト削減等を行い、 不純物の除去強化や乾燥・梱包等のための新設備を導入している。 処理能力は正極材の処理量が月間50トン。 メタル回収量は炭酸リチウム10トン (月間)、 コバルト10トン (同)、 ニッケル6トン (同)、 マンガン6トン (同) となっている。
小型家電処理の定置炉では、 従来から4基の炉を使用して基板、 電子部品からのレアメタル回収を行っているが、 能力を増強するため2基の炉を増強し、 同時に排ガス・排水処理設備を導入している。 この結果月間の処理量は従来の400トン (月間) から600トンに増強された。汚泥からのレアメタルリサイクルについては、 電子材料の排水工程から発生する汚泥から回収するもので、 インジウム、 コバルトを回収。 処理能力は30トン (月間) となっている。


日本製紙連合会 「環境行動計画」を策定 持続可能な社会への貢献理念に

日本製紙連合会ではさきごろ、 「環境行動計画」 を発表した。日本製紙連合会では1997年に 「環境に関する自主行動計画」 を策定し、 地球温暖化対策と循環型経済社会の構築に努めてきたが、 このたび 「環境行動計画」 において、 会員企業は紙板紙製品を将来にわたり安定して供給する責任があり、 環境問題に積極的に取り組むことにより環境と経済が調和する持続可能な社会の構築に貢献することを環境理念に、 2020年度までの目標を策定したもの。具体的には5つの環境方針 (①低炭素社会の実現、 ②自然共生社会の実現、 ③循環型社会の実現、 ④環境リスク問題への対応、 ⑤環境経営の着実な推進) を定め、 会員企業はその達成に向け最大限努力し、 毎年実施するフォローアップにより計画の進捗を確認して結果を公開するとしている。
環境方針のうち、 ①の低炭素社会の実現では、 CO2の削減として、 燃料転換、 省エネルギー設備の導入により、 2005年度比で2020年度までに化石エネルギー由来CO2排出量を139万トン削減する。 また、 吸収源の造成として、 2020年度までに所有又は管理する国内外の植林地の面積を、 1990年度比で52・5万ヘクタール増の80万ヘクタールとすることを目標として掲げている。③の循環型社会の実現では、 古紙利用の推進として、 DIP設備能力の維持向上、 オフィス古紙・雑がみ等の利用技術の向上、 RPF化等による低質・難処理未利用古紙のサーマル利用の推進を図り、 2015年度までに古紙利用率64%の目標達成に努める。 また、 産業廃棄物の最終処分量の削減と有効利用の推進として、 2015年度までに産業廃棄物の最終処分量を有姿量で35万トンまで低減することを目指すとしている。 さらに、 ⑤の環境経営の着実な推進では、 会員企業は世界の製紙業界での資源問題・環境問題の取り組みに積極的な役割を果たすとして、 環境マネジメントの定着と国際貢献の推進に努めるとしている。
国際貢献の推進では、 東アジア経済圏10ヶ国 (日本、 中国、 韓国、 台湾、 フィリピン、 ヴェトナム、 タイ、 マレーシア、 インドネシア、 インド) を始めとする各国の製紙業界と協同して省エネルギー技術や古紙利用システムの普及・交流を推進するため、 製紙連合会が中心的な役割を果たすとしている。


処分場整備状況に地域差 関東、中部で1割強を県外処理

環境省が年度毎にまとめている一般廃棄物処理状況よると、国内の一般廃棄物最終処分場の残余容量は平成10年度以降12年間続けて減少してており、最終処分場施設数でも8年度以降は概ね減少傾向が続いている。近年、各種別のリサイクルシステムの進展や中間処理技術の高度化、とりわけ景気動向に連動した廃棄物発生量自体の減少から最終処分量は減少傾向にあることなどから残余年数は増加しているものの、新たな施設の確保は厳しく、ひっ迫している状況に変わりはない。特に、関東ブロック、中部ブロック等での最終処分場の確保が十分にできない状況が続いている。
22年度末時点で供用可能とされていた一般廃棄物最終処分場数は全国で1775施設(うち22年度新設9施設、稼働前4施設)で、残余容量は1億1445万8000立法メートルとなっている。この時点での残余年数は全国平均で19・3年、首都圏では23・3年、近畿圏では15・0年となり、最終処分場整備状況は各都道府県単位で見ると地域的な偏りが大きい。全市区町村1750の約18%にあたる316市区町村が自区内に最終処分場を持っていない。
また、22年度統計によると、都道府県外の施設に最終処分を目的に搬出された一般廃棄物は約29万6000トンで、最終処分量全体の約6%に相当する量となっており、特に埼玉、千葉、神奈川、山梨、愛知、栃木の6県からの搬出が約21万トンと、域外移動全体の7割強を占めた。関東ブロックでは最終処分される廃棄物の15%強が、中部ブロックでは12%強がそれぞれ都道府県外に搬出されている。
最終処分場の整備状況については特に関東、中部ブロックでブロック内での十分な処分先の確保ができていないことがこれまでも指摘されていたところで、ブロック内での新たな処分場の確保に加え、例えば廃棄物を処理過程で溶融スラグ化し、公共工事に再生利用することなど、それぞれの地域ごとに安定的な最終処分先を確保していくことが急務とされている。


一般廃棄物 平成9年度比で6年連続減少 1人当たり排出量もピーク比17・6%減

環境省のまとめによると、平成22年度の一般廃棄物総排出量は4536万トン、1人1日当たりのごみ排出量は976グラムとなった。総排出量は12年度以降継続的に減少し、ベースラインとされる平成9年度5310万トンを6年連続で下まわっている。1人1日当たり排出量ではピーク値の12年度から約17・6%減少した。生活系ごみが2966万トン、事業系ごみが1297万トンで、生活系ごみが全体の65%を占めている。
一方、総処理量4279万トンのうち焼却、破砕・選別等で中間処理された量(中間処理量)は3996万トン、再生業者等へ直接搬入された量(直接資源化量)は217万トンとなり、ここまでで総処理量の98・5%(減量処理率)を占める。また、中間処理後に再生利用された量(処理後再生利用量)は455万トンで、これに直接資源化量と集団回収量を合計した総資源化量は945万トンとなる。また、中間処理で減量化された量は3124万トン、中間処理されずに直接最終処分された量は66万トンで、直接埋立率はごみの総処理量の1・5%となっている。
容リ法に基づいて市町村等が分別収集したものの再商品化量は278万トンとなるが、これについては総資源化量(945万トン)に含まれる。また、家電リサイクル法対象4品目の再商品化等処理量は89万トン、再商品化量は75万トンで、これを含めた総資源化量は1020万トンとなる。市区町村の分別収集で直接資源化された量と中間処理後に再生利用された量の合計は672万トン、住民団体等の集団回収で資源化された量は273万トンで、総資源化量は945万トン、リサイクル率は20・8%となった。総資源化量は前年から減少しているが、ごみ総排出量の減少でリサイクル率は微増となった。


容器包装R法 小委員会で取組状況報告 PET有償化も509市町村が独自ルート

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会─容器包装3R推進小委員会の第12回会合がこのほど開かれた。容器包装3Rに関して、市町村での分別収集取組の状況やPETボトルの内外市場動向を踏まえた再商品化の状況、ブラ製容器包装の動向など容R法に基づく再商品化の取組状況、検討が進められているびんリユースシステムのあり方に関する検討会概要等が事務局から報告された。また、個別の素材毎の容器包装リサイクルの進捗状況について、リサイクル8団体による3R推進団体連絡会がさきごろ取りまとめた第一次自主行動計画2011年フォローアップ報告をもとに、それぞれの状況について報告を行っている。
容R法に基づく市町村の分別収集の取組は、多くの品目で高い実施割合となり、スチール・アルミ缶、PET、ガラスびん(茶色)がいずれも95%超となる一方、紙製容器包装(35・8%)、ブラ製容器包装(74・5%)が依然として他の品目に比べて低い実施率にとどまっている。また、海外での需要動向の影響を受け、指定法人ルートによる処理率が伸び悩んでいるPETボトルに関しては、市町村による分別収集実施量が堅調な伸びを示すものの、協会引き渡し量との差異が縮まらない状況が続いている。
内外市場動向を勘案し、PETボトルの再商品化については「有償引取」(再商品化事業者が有価で買い取る)が導入されており、23年度の買取価格はトン当たり4万7860となるなど指定法人ルートへのインセンティブも拡大しつつあるが、依然として輸出向け再生原料の市中実勢価格との差異が指摘されている。23年度の計画による指定法人ルートの割合は全体の67・7%と前年からはほぼ横ばいで、残りの約32%(9万5000トン)が独自ルートにより処理されている。市町村別では、952(57・1)の市町村が指定法人ルートを、509(30・5)の市町村が独自ルートを選択し、両ルートを併用する市町村も全体の12・4%(206市町村)あった。
また、容R法に基づく再商品化事業で導入されている拠出金制度では、「想定費用」と「実費用」との差額が再商品化合理化への寄与度に応じて市町村に配分されることとなっている。平成22年度事業結果によると紙製容器包装、PETボトル、ブラ製容器包装で量費用の差額が発生、総額約99億7100万円が市町村に拠出されている。


使用済み製品 連携継続の意向強く 民間リユース業者の知見活用など

使用済製品のリユース促進策を検討するため環境省は今年度、市町村と民間事業者との連携によるリユースモデル事業を行ってきたが、このほど開かれた使用済製品等リユース促進研究会(第7回)で成果報告を行った。今年度の調査によると、市町村の粗大ごみのうち2~3割程度が中古品として使用可能で、リユースを進めることで廃棄物処分量の大幅削減が期待できる一方、市町村が使用済製品リユースを進めるには、人員体制や保管施設の問題やノウハウ不足などが課題とされる。
その対応策の一つとして民間リユース事業者の知見の活用が効果的とされた。モデル事業では、使用済製品の流通(買取・販売)等に対応できる地元業者を自治体がリストアップして住民に情報提供する「地域内事業者リストアップ方式」と市町村が粗大ゴミとして収集したものの中から再使用可能な使用済製品をリユース市場に投入する「市町村回収後選別方式」でそれぞれ、4市区町と2市で実施された。
このうちリスト化方式については、各地域とも市町村等による事前PRの成果が集客数に反映されている等、事業者サイドから効果を指摘する意見が聞かれ、今後の連携意向も見られたが、さらに周知活動の拡大や住民へのインセンティブ策など課題も指摘された。回収後分別方式についても、自治体との調整以外に追加的負担がないことなどから事業者には概ね好評で、地域によっては排出削減効果を評価できる程度の数量実績が得られた。


NEDO 北京で高度自動車リサイクル 豊田通商が実証事業を展開

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ではこのほど、経済発展に伴い自動車登録台数が急増している中国に日本の先進的な自動車リサイクルシステムの導入を目指す研究開発・実証プロジェクトに着手すると発表した。使用済み自動車を精緻に解体し、有価物回収・再利用率の向上、廃棄物の適正処理化を図り、さらには高効率かつ経済性のあるシステムを開発するもので、プロジェクトの実施を豊田通商株式会社に委託している。
中国においては、非正規リサイクル業者によって多くの使用済み自動車が処理されていると想定され、それらに含まれる有害物質は不適切な処理が行われる傾向にある。こうしたことから、今回の研究開発・実証プロジェクトは、中国北京市で発生する使用済み自動車を、中国での有価物の回収・再利用の状況に合わせて解体し、有害物質の適正処理化を図り、さらには経済的に処理するシステムを開発するもの。実施期間は2011から2012年度で予算規模は4億7000万円。
主な実施項目は、①高リサイクル率の達成手法の開発、②解体作業の効率化を図る作業ラインの開発、③フロン等の有害物質処理モデルの検討、 ④パーツリサイクルによる経済性の検討、など。


びんリユース 検討会が成果報告 モデル事業の成果を報告

「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」の第7回会合がこのほど開かれ、今年度のびんリユースシステム構築に向けた実証事業の成果報告が行われた。検討会では、新たなびんリユースシステム構築の可能性をさぐるため、既存の国内リユースシステム等の現状と、拡大もしくは新たなシステム構築のための課題等についての検討を行っている。リユースシステムの現状分析では宅配商品や特定地域、会員向けの販売商品などエリアや対象を絞ったびんリユースシステムで高い回収・再使用が確保されるなど多くの成功例が報告されており、物流コストや環境優位性の観点からも対象地域、購買者層を限定したクローズドのシステムに成功の可能性が伺われるとした検討結果が得られている。
さらに検討会では、こうしたこれまでの検討結果を踏まえ、本年度の事業としてリユースモデル実証事業プランを公募、選考の結果、①東日本復興支援「郡山地区容器リユースモデル実証事業」、②丸正900mlびんのリユースシステム構築事業、③「十万馬力新宿サイダー」開発サポート事業、④九州県におけるびんのリユースシステム構築事業──の4事業を採択している。今回、各事業の実施主体から事業の成果と併せ、今後の事業拡大のための課題点などが報告されている。
各事業を通じて見られた共通の課題としては、使用済み空びんの回収ツールの充実・強化があげられるが、その他にもリユースびん入り商品自体の訴求力の向上や、びんリユースへの誘引策(商品券やポイント制度)なども安定した回収率を確保するためには重要な要素となることなどがわかった。また、今回の会合では今年度のまとめとして、地域や回収ルート、商品を限定した単発的な実証事業とどまらず、例えば特定の地域で複数のびん入り商品で同時にリユースシステムを導入するというような、広域的な拡大可能性の検証につなげるための実証事業についても検討するよう提案する意見などが聞かれた。なお、検討会は今年度の検討結果と事業等の結果を踏まえ、来年度も引き続き継続して行われることとなっており、実証事業についても新たな対象を選定して行っていく案などが示されている。