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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2011年2月

古紙 持ち去り対策見直しの必要性も 条例・罰則も抑止効果薄

行政回収等からの古紙の持ち去り(抜き取り)が後を絶たない。日資連を中心に回収業界と問屋業界でかねてより資源物の持ち去り問題への対応策を協議、連携して対策が講じられてはいるが、今のところ決め手となる方策はない。地域ごとに事業者と住民、行政が資源回収のルールをつくり回収システムを維持させているなかで、そこからの持ち去りは既存のルートやシステムの維持・存続にも関わるものとなる。
東京・杉並区では持ち去り防止の条例化にいち早く取組み、当初は相応の成果をあげたが、周辺地域での取組みが強化されるにつれて発生の多い同地域での抜き取りが再び増加した。地元組合を中心にパトロールを強化するなど対策を講じているものの、他地区で摘発された業者が何度も警告、摘発を受けるなど、条例自体の抑止効果も機能していない状況にある。直近でも区条例違反で摘発された抜き取り業者で、罰金支払いを拒否して刑事裁判に発展したケースが1件出ている。
現在、回収業界、問屋業界と東京都がより実効性の高い抜き取り対策の構築に向け協議しているが、同時に各地域でも現行の体制を見直すなど抑止効果を高めるような対策を検討していく必要がありそうだ。


故繊維 「よみがえり」に特別賞 横浜の新ブランドの創出で

よみがえりマリアージュ

よみがえりマリアージュ


横浜の新名物、新たな横浜ブランドをつくる運動「ヨコハマ・グッズ」の第14期審査会で、故繊維リサイクルのナカノ㈱(神奈川県横浜市・中野博恭社長)が開発した古着由来の特殊紡績手袋『よみがえりマリアージュ』が特別賞に選ばれた。 『よみがえりマリアージュ』は、新たな故繊維需要の創出と環境負荷低減の一助とするため同社が開発、発売した製品で、市民のリサイクル意識の高まりから、環境負荷を極力抑えた製品設計と素朴なデザイン性などが女性を中心に広く支持され、販売実績を伸ばしてきた。
一方、「ヨコハマ・グッズ」は横浜の新名物・新ブランド創出をめざした運動として1989年にスタート、2年に一度の審査会も今期で14回目となる。選考対象は食品から衣類、日用品など多岐にわたっており、今期の市長賞には地域の地ビール『横浜ビール』が選ばれている。同社の古着由来特殊紡績手袋は、経済性と環境保全を両立させた製品設計が支持されただけでなく、他の商品と同様に製品としての優位性が評価されたことの意義は大きい。
一般にリサイクル製品は環境保全や資源の有効利用といったコンセプトが注目される反面、製品としての優位性で他商品との競合性に欠ける嫌いがあるが、これらのコンセプトに加えて製品としての優位性で支持を得ることによって広く汎用性を持ち、継続した販売実績が確保できる。とりわけ原料需要の狭小化が指摘されつつある故繊維業界にとっても、今回の同社の受賞は朗報となった。


ガラスびんリユースシステム 汎用性拡大が重要に レンタルP箱の現状と課題

ガラスびんリユースシステムの在り方でびんメーカー、利用事業者、リユース業界等関係者による検討会が立ち上げられた。第1回会合では、リユース業界の現状と課題が報告されているがその中で、レンタルP箱の現状についても報告された。びん入り商品と空びんの回収にはプラスチック製の専用容器が不可欠だが、中身製品の販売形態の多様化や市中の回収ルートが疲弊しつつあることからP箱の不足感が恒常的に指摘されており、それがびんリユースの大きな障害となっている。
P箱不足の要因としては、段ボール出荷された製品や自治体回収のバラびんなど、出荷時にP箱を使用していない空びんの回収に使用される場合などが指摘される一方、新びん価格の低下やびん自体の需要減などで、回収ツールであるP箱も流通しずらくなっているとした逆の指摘もある。インターネット販売の普及で商品の流通が広域化していることも、この流れに拍車をかけている。
こうした流れは消費者の購買形態の変化に由来する部分も大きいだけに、この方向性は今後も続いていくものと見られており、その中でのP箱の利用拡大策が喫緊の課題となっている。今後、びんリユースが期待される分野は中・小容量のびんとされることから、これらに対応したP箱の規格化も必要とされている。


農水省 既存取り組みへの配慮求め バイオマス活用計画の留意点で通知

昨年末のバイオマス活用推進基本計画の閣議決定を受け、農水省では各都道府県、市町村によるバイオマス活用推進計画策定に当たっての留意点についての通知を行った。一昨年に施行されたバイオマス活用推進基本法と、法に基づく基本計画では、 都道府県がそれぞれ「バイオマス活用推進計画」を策定、実施するよう求めている。農水省では、推進計画の円滑な策定と実施に向けて各都道府県、市町村が計画を策定する際に留意すべき事項を定め、それぞれ担当部局に宛て通知した。
都道府県が活用推進計画を策定する際には、バイオマス活用を推進する必要性と意義を計画に明記することや、計画期間を原則10年とし、少なくとも5年ごとの見直しと必要に応じた変更を行うこととしている。また、各都道府県でのバイオマス賦存量と利用量、利用形態、これまでの取組などバイオマス活用の現状についても計画に記載することとし、計画期間の最終年度での利用量、利用率目標を設定することとした。
なお、目標の設定には当都道府県内市町村の取組状況を考慮し、食料の安定供給と既存木材利用に影響を及ぼさないよう配慮するよう求めている。


中央環境審議会 小型家電全種が対象 リサイクル制度と希少金属利用で小委員会

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の第48回会合が開かれたが、そのなかで、小型家電リサイクル制度と有用金属再生利用に関する小委員会設置についての審議とともに、改正廃掃法関連、第2次基本計画、産廃不法投棄状況、プラ製容器再商品化他の下部委員会等での審議結果、審議経過等が報告された。このうち小型電子機器リサイクル小委設置の件については同日、環境大臣より中環審に対し「小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済み製品の有用金属の再生利用の在り方」について諮問があったことを受け、廃棄物・リサイクル部会に専門の小委員会を設けることについて同部会に諮ったもの。
現在、ベースメタル、貴金属、レアメタル(レアアース含む)等の有用金属の有効利用が期待されているが、現実にはリサイクルに関する特別な法制度がない使用済製品は、鉄やアルミなど一部の金属は回収されるものの、一般廃棄物として処理される場合が多い。通常の処理では処理されにくい有用金属が含まれる製品のうち、家電4品目とパソコン、自動車は法制度に基づき一定のリサイクルが行われているが、その他製品には現状、特別な法制度がない。
このため、有用性・希少性の高い金属資源が高濃度に含まれる小型電気電子機器についても、循環型社会の形成を推進する観点から、使用後のリサイクルのあり方を検討していく必要性が高まっている。また、家電リサイクルの対象品目やパソコン、自動車についても現行制度に基づいた有用金属リサイクルが行われているが、レアメタルを始めとする一部の有用金属のリサイクルは進んでいないことから、小型電気電子機器のリサイクルのあの方を検討するに当たり、家電やパソコン、自動車のリサイクルの取組みとの整合性についても検討する必要がある。
審議の対象には家電リサイクル法対象品目以外の全ての電気電子機器が想定され、このうち、①基盤等有用金属を高濃度で含む部品を含み、②比較的小型で他品目と同時に一括回収が可能なもので、③現時点でリサイクルされていないもの、を条件に、具体的な品目を特定していくこととしている。因みに、いわゆるリーマンショック以前のデータで、一年間に排出される使用済み製品のうち一部品目に含まれるベースメタル・貴金属は金額ベースで300億円程度、レアメタルは50億円程度とされている。 現在、使用済み小型電気電子機器の多くが自治体で「不燃ごみ」「大型ごみ」として収集されているが、収集した使用済み機器から金属資源を回収している自治体は全体の6割程度で、特にアルミ、銅以外の非鉄金属の回収を行っている自治体は全体の2%に過ぎない。


環境省 環境経費は1兆2091億円 廃棄物リサイクルではバイオ、海外展開支援など

環境省のまとめによると、関係府省の23年度環境保全経費は総額で1兆2091億円となった。環境保全経費は国の経費のうち地球環境の保全、公害防止、自然環境の保護・整備に関する経費の総称で、関係府省の環境保全施策が国全体として効率的で効果的に展開されるよう、環境省が各府省の概算要求に先立って見積り方針の調整を行うこととなっている。


環境保全経費の内訳と主な新規事業を見ると、「地球環境の保全」関連は総額で5833億円となり、国交、文科、環境、経産各省で環境・ストック活用や全球地球観測システムの構築、次世代エネルギー・社会システム実証、国内排出削減量認証制度活性化等の事業が計画されている。また、「大気環境の保全」(総額2304億円)では経産省と環境省が、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策、越境大気汚染対策、自動車等大気環境総合対策、東アジア酸性雨モニタリングネットワークへの拠出等を行う予定としている。
さらに、「廃棄物・リサイクル対策」(総額717億円)では環境、農水、経産各省が、廃棄物処理施設整備、産業廃棄物不法投棄等原状回復措置、バイオマス地域利活用、日系静脈産業メジャーの育成と海外展開の促進、資源循環実証等を行う計画としている。


古紙再生促進センター 問題解決に共通認識を 古紙回収推進のための報告会開催

財団法人古紙再生促進センターでは、日本再生資源事業協同組合との共催によりこのほど、東京ガーデンパレスにおいて「古紙回収推進のための報告会」を開催した。同センターでは、2010年度に古紙回収推進事業の一環として、古紙回収に携わる関係者や消費者に対しての紙リサイクルに関する意識調査、センター自主事業として地方自治体紙リサイクル施策調査を行っている。また現在、製紙・古紙業界で課題となっている昇華転写紙問題に対して、関係者が解決を図るための取り組みを行っている。
今回の報告会は、アンケート調査結果に対して行われている取り組みについて報告を行い、現状の共通認識を図ることを目的として開催された。報告会の開催に当たり、古紙再生促進センターの木村重則専務理事が趣旨説明を含めて開会の挨拶を行い、各報告の後は活発な意見交換が行われた。具体的な調査報告に関しては、古紙再生促進センターからは資源回収業者や消費者の意識調査や、地方自治体のリサイクル施策調査などで、日本再生資源事業協同組合連合会からは古紙の持ち去り問題についての報告が行われた。


横浜市資源R事業協同組合 新規事業などで報告会 古紙バイオはコスト面に課題も

東京都包装容器R協会

横浜市資源R事業協同組合の報告会


横浜市資源リサイクル事業協同組合(髙田哲二理事長)ではこのほど、2月度の4支部合同支部会を開催し、そのなかで同組織内に設置されたリサイクルデザインタウン推進委員会(栗原清剛委員長)で取りまとめた成果報告が発表された。同協組では、2008年度に「りくみビジョン2020」を策定し、そのなかで、リサイクルデザインタウンの構築を目標に掲げた。このリサイクルデザインタウン構想は、業界の技術力、情報発信力、アイデアを市民に投資、時には市民と協働することで、市民にとって業界が必要不可欠な存在であると感じてもららえる街をつくるというもの。
報告会では、複数の検討事項やテーマについての議論などに関する成果が示されたが、そのなかで、新規パイロット事業の研究テーマとして「古紙のバイオエタノール化次世代商品化の可能性研究会」での検討内容について発表が行われた。それによれば、古紙からのバイオ燃料については、国が検討している基準となる「LCA上のCO2削減水準となるガソリン比50%以下」をクリアする44%との数値が示されたことから、社会環境や供給への考え方次第で十分に原料としての可能性があるとしたものの、当初5億円程度と想定していた精製供給面でのインフラが、採算ベースに乗せるには100億円ほど必要と試算されるなど、コストや運用面での課題も示された。また、今後は横浜市内の余剰古紙15万トンの域内循環を中心とした低コスト方式の模索といった点が検討課題となる。


また、地域Rびんリユースシステムの事業化については、助成金制度の廃止から調査研究を一時中断する方針が示された。同組合では、リサイクルデザインタウン推進委員会を今年度で終了し、次年度からは戦略会議に移行して取り組みを進めていく方針。



東京都包装容器R協会 汎用リユースびん「Rドロップス」開発 関連3団体が連携

東京都包装容器R協会

東京都包装容器R協会の講習会


汎用リユースびんの開発と普及システムの構築などをテーマとする講習会が今月1日(木)、東京・八重洲冨士屋ホテルで開かれた。主催は東京包装容器リサイクル協同組合(笠井仁志代表理事)。酒類・飲料を中心とした中身製品の不振に加え、流通形態の多様化など、他素材容器にシェアを奪われるかたちでガラス容器類の使用量が減少し続けている。とりわけリユースびんについては減少が著しく、リサイクル促進協のまとめでは、平成5年の国内ワンウェイびん使用量195万トンに対しリターナブルびん使用量(使用回数分を従量換算)780万トン、リターナブル比率80%であったものが、平成20年にはリターナブル率は5割に落ち込み、翌21年には全体の5割以上をワンウェイびんが占める状況となった。
こうした事態を憂慮し、同組合は(社)全国清涼飲料工業会、びん再使用ネットワークと連携、3者で新たな汎用リユースびんの開発・流通モデル事業を目的としたプロジェクトを立ち上げた。国が進める3R施策では、リユースはリサイクルの上位に位置づけられ、関係者にも相応の取組みが求められている。一方、国ではリユースシステムの振興につながるような具体的な対策は進まず、減少にも歯止めがかからない状況が続いている。
「極めて小さな行動ではあるがびんリサイクルの現状に一石を投じたい、国の方向性と社会的な認識のズレを指摘し、より良い方向に向かわせる一助となれば」(笠井代表)との思いから、関係3団体が協調、同組合の中小企業活路開拓事業としてプロジェクトを実施した。今回の講習会では新たな開発、実証実験が行われた『Rドロップス』開発の経緯と普及システム構築に向けたビジョンのほか、ガラスびんの現状と普及に向けた取組み、モデル事業で実施した一般のモニターを対象としたアンケート結果、地域で実践されているリユースびん普及活動の事例報告等をテーマに講演が行われた。
Rドロップス

Rドロップス


プロジェクトは07年3月に始動、『Rドロップス』初期モデルのデザインは同年7月に決定された。スタイリッシュなデザインをというコンセプトから若者に支持された「雫型」を採用、500ミリリットルPETボトルに対抗するため表面にプラスチックコーティングを施した軽量びん(容器175グラム、中身300ミリリットル)とした。また、利便性からリキャップ可能なスクリューキャップを採用、小型ラベルでクリアー感を協調したデザインとした。短期間、小ロットながら大学、生協等でのテスト販売(容器デポジット)が行われた。
この初期モデルでは、リキャップ用のスクリューキャップとしたことでびんの口が傷つきやすくなり傷びんを探知する装置にコストがかかること、またデザイン性を重視した余りびん形の生産ラインへの適正が極めて低くなり、実用化は困難との結論となった。そこで、初期モデルを改良、より実用化可能性の高い容器とするため、2010年度事業として初期モデルの改善プロジェクトを実施したもの。具体的には、飲料事業者が生産しやすい仕様とするため、びん形の生産ライン適合性を向上させ、口部をスクリューキャップから王冠仕様に変更した。併せて、空びん輸送に不可欠な現行P箱使用の確認等の作業も行っている。また、中身には炭酸飲料、果汁飲料・緑茶飲料等を想定、耐圧性・耐熱性でそれぞれの充填が可能なスペックとした。 試作びんは強度試験を経てテスト充填(サイダー)が行われ、大学生協や市民団体で試飲・アンケート調査が行われた。
これらの結果から、特に使用後の空びんの回収効率などを考慮し、「地域密着ルート」「特定ルート」での導入が効果的と判断された。地域色を打ち出した商品を観光地やイベント等で販売する場合や、学校施設・生協などクローズドシステムの構築が可能な状況での採用が期待されるとしている。さらに、今後の可能性として、環境保全寄付金付商品への採用提案や、業務用での汎用性を活かした共同購入・回収効率化など、利用拡大に向けたさまざまな取組みが考えられるとしている。


廃棄物処理法 今年4月に改正法施行 規定厳格化で実効性を向上

昨年、成立した廃棄物処理法が今年4月に施行される。今回は4年ぶりの改正となるが、処理業界から改正が強く求められていた処理業許可に関する欠格要件の見直しや優良処理業者の育成をめざした更新期間等特例の創設、多量排出事業者に求められる減量化の取組みへの担保措置など、改正内容は多岐にわたり、処理業者はもとより排出事業者にも相応の対応が求められるものとなった。


今回、改正された内容のうち排出事業者による適正処理を確保するための対策強化では、産業廃棄物を多量に排出する事業者に課せられる産業廃棄物減量等計画の作成・提出義務に、現行法にはない担保措置を創設、制度の徹底を図るとした。また、処理業者に対しても建設廃棄物の元請業者への処理責任一元化や、事業所外保管の事前届出制度の創設、従業員等が不法投棄を行った場合の事業主法人への量刑引き上げなど、より厳しい対応が求められている。
一方、廃棄物処理業の優良化を進めるための取組みとして、一定の要件を満たす優良処理業者を対象に許可の更新期間の特例を創設したほか、従来の処理業許可の欠格要件を見直し、廃棄物処理法上特に悪質な場合を除き許可の取消しが役員を兼務する他の業者の許可取消しにつながらないよう措置された。その他、適正な循環的利用を行うためのものとして、廃棄物が輸入できる者に現行の自ら処理する者に加え、「国内で処理することに相当な理由が認められる場合で、国外廃棄物の処分を産業廃棄物処分業者等に委託して行う者」を追加した。さらに、焼却時の熱利用の促進をめざしたものでは、焼却時に熱回収を行う者で一定基準に適合するときに都道府県知事の認定を受けることができるとした制度を創設している。



物質・材料研究機構 レアメタルゼロの集積メモリー アルミ系プロセスを開発

物質・材料研究機構 (NIMS=潮田資勝理事長) はこの程、 希少金属を使用しないオールアルミ系抵抗変化型メモリ素子の集積化プロセスを開発したと発表した。 同機構・元素戦略プロジェクト (原田善之、 木戸義勇) チームが成功したもの。集積メモリ技術は、 高度情報化社会には欠くことのできない技術。 今回の新プロセス開発で、 次世代半導体デバイスにおけるレアメタル使用量の削減に繋がる技術として期待されている。
従来型の抵抗変化型メモリ素子は、 次世代ユニバーサルメモリ材料として期待されているが、 これにはニッケル、 亜鉛、 コバルトの二元酸化物や、 イットリウム系三元酸化物が、 配線材料にはプラチナ等のレアメタルが通常使用されている。

同機構が開発したオールアルミ系の集積化プロセスは、 「ありふれた汎用素材を使用し、 構造を工夫することで同等の機能を発揮する材料を開発する」 とのアプローチで取り組み開発されたもの。
また、 今回の研究成果によって、 配線やメモリ素子にレアメタルを使用しなくても同等の機能を発揮することが可能となったため、 今後は半導体デバイス中のレアメタル使用量を大幅低減できる可能性が開けたことになる。


温暖化対策推進法 早期での取り組みに成果 都道府県の実行計画等の状況を公表

地方公共団体の「地球温暖化対策推進に関する法律」施行状況について、環境省ではこのほど、平成21年12月1日現在の地方公共団体の「実行計画」策定状況等をとりまとめた。都道府県の実行計画については茨城、新潟、兵庫、山口などが平成9年度に計画を策定したのに始まり、平成20年度に山梨が策定したことで、全都道府県で温室効果ガス排出削減等実行計画が策定されている。
直近の改定を含め、21年度から24年度の目標年度で排出目標が設定されているが、直近(17年度~20年度)の排出量測定結果では、平成9年度にいち早く計画を策定して対策に取組んだ山口県が24年度目標=3万7119トン―CO2(基準年度排出量・2年度=4万4722トン)に対して、20年度測定時で3万9130トンと、削減率17%としているほか、12年度策定の北海道が22年度目標=32万1392トン―CO2(基準年度排出量16年度=38万4891トン)に対し、19年度測定時30万8597トン・削減率16・5%とするなど、早期に取り組みをスタートさせた都道府県で高い効果を挙げている。このほか、島根県が基準年比で削減率15%、潟県が12%、神奈川県が同10・6%となっているほか岩手、東京、長野、京都、愛媛、高知がいずれも10%の削減率となっている。
また、国の改正温対法(平成20年3月閣議決定)に対する全国都道府県の対応状況については、ほとんどの都道府県が現時点の実行計画に①太陽光、風力その他の自然エネルギー導入促進(全体の96%)、②地域の事業者、住民による省エネその他排出抑制推進(91%)、③公共交通機関(94%)、緑地その他地域、④環境整備・改善循環型社会の形成(89%)──等項目を盛り込み、取り組みを行っている。