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再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2011年1月

鉄鋼蓄積量調査 59年ぶりのマイナスに 09年度累計は13億1857万トン

(社)日本鉄源協会(会長・谷口進一新日本製鉄副社長)ではこのほど、2009年度末における我が国の鉄鋼蓄積量について発表を行ったが、それによると、2009年度の推定鉄鋼蓄積量増分は、前年度の539万トンから比較して570万トン減のマイナス31万トンとなり、2009年度累計鉄鋼蓄積量は13億1857万トンとなった。蓄積量増分がマイナスとなるのは、1950年以来59年ぶりのこととなる。
蓄積量増分の内訳は、生産量が対前年度968万トン減少し、輸入が104万トン減、輸出が219万トン増加したことから、対前年度で1291万トンという大幅なマイナス要因となった。プラス要因は鉄スクラップ消費量が721万トン減少したことのみで、その結果、蓄積量増分は対前年度570万トン減となっている。
輸出を見てみると、鉄鋼輸出は対前年度485万トン増の3900万トンと過去最高で、鉄スクラップ輸出も271万トンの増加となった。また、鉄スクラップの輸出量の約50%を老廃スクラップとみなした場合、2009年度の推定老廃スクラップ回収量は2403万トンとなり、回収率は1・82%と対前年度を0・47ポイント下回る等、回収率も1971年以降の最低水準を記録している。


電線リサイクル協議会 変わるナゲット業環境 積極的な対応で再資源化へ

使用済み電線リサイクル(ナゲット処理)業者の集まりである電線リサイクル協議会(会長・山崎文栄山崎商店社長)はこのほど、東京都中央区の鉄鋼会館において恒例の賀詞交歓会を開催した。冒頭あいさつに立った山崎会長は「銅箔向けなどナゲット銅に対するニーズの高まりや、アルミ製ワイヤーハーネスの出現など、被覆電線母材の多様化が進み、ナゲット処理をめぐる環境は大きな変化に晒されている。先行きは銅価の上昇など明るい材料が取りざたされているが、今年も会員一同積極的に事業に取り組んでいきたい」と述べた。
電線リサイクル業界を取り巻く環境は、経済産業省が23年度予算で要求した車載ワイヤーハーネスリサイクルシステムの公募案件や、需要業界におけるアルミ製ワイヤーハーネスの搭載がトヨタ向け市販車でスタートする等、電線のナゲット処理・分別技術に新たな課題を投げかけており、今後同定される銅とアルミが混合した廃被覆電線の分別システムの開発が求められる等、従来にも増して複雑な廃電線処理と回収金属の分・選別技術の向上が求めらている。
また、国内電線リサイクル市場の実態は、低品位被覆電線の処理コストなどの問題から、年間20万トン以上と推定される低品位の廃電線類が中国等に輸出されており、主要ベースメタルのうち国内有用資源としての銅の海外流出が高いレベルで続いているというのが実情。このため、マーケットの中には銅、鉛、亜鉛などの主要ベースメタルや中国の輸出規制以降表面化したレアアースやレアメタルの供給確保問題などの観点からも、現状のシステムを見直す必要があるのではないかとの声が官民から聞こえ始めている。


産業廃棄物 4%減の4億366万トン 平成20年度の排出・処理状況

環境省が行う全国の産業廃棄物の排出及び処理状況調査によると、平成20年度の全国の産業廃棄物総排出量は約4億366万トンで、前年度の約4億1943万トンに比べて約1600万トン(約4%)の減少となった。業種別では電気・ガス・熱供給・水道業(下水道業を含む)からの排出量が最も多く、約9628万トンで全体の23・9%を占めた。
次いで農業、林業の約8797万トン(同21・8%)、建設業の約7646万トン(同18・9%)、パルプ・紙・紙加工品製造業の約3358万トン(同8・3%)、鉄鋼業の約3196万トン(同7・9%)、化学工業の約1422万トン(同3・5%)となっている。これら6業種からの排出量が全体の約8割を占めた。また、廃棄物の種類別では汚泥の排出量が最も多く、約1億7611万トンで全体の43・6%となり、以下動物のふん尿約8770万トン(同21・7%)、がれき類約6119万トン(同15・2%)となった。これら3種類からの排出量が全排出量の約8割を占めた。さらに産業廃棄物の排出量を地域別に見ると、関東地域が約1億356万トンと全体の25・7%)を占め、以下、近畿地域の約6581万トン(同16・3%)、中部地域の約5815万トン(同14・4%)、九州地域の約5737万トン(同14・2%)、の順となった。中部地域の排出量が増加、近畿地域が減少している。
総排出量約4億366万トンのうち、中間処理されたものは約3億578万トンと全体の76%を占め、直接再生利用されたものは約9069万トンで同22%、直接最終処分されたものは約718万トンで同2%となった。また、中間処理された産業廃棄物のうち約1億7045万トン分が減量化され、約1億2581万トンが再生利用、約952万トンが最終処分されている。それらの結果、排出量全体の54%にあたる2億1651万トンが再生利用され、4%にあたる1670万トンが最終処分されたことになる。前回調査時からは再生利用率が2ポイント上昇、減量化率、最終処分率はそれぞれ1ポイント減少している。
処理の状況を種類別に見た場合、再生利用率が高いものは動物のふん尿(再生利用率96%)、がれき類(同95%)、金属くず(同95%)、鉱さい(同87%)等で、逆に再生利用率が低いものは、汚泥(同10%)、廃アルカリ(同32%)、廃油(同33%)、ゴムくず(同33%)等となる。また、 最終処分の比率が低い産業廃棄物は動物のふん尿(最終処分比率0%)、廃アルカリ(同2%)、動植物性残さ(同2%)、廃酸、金属くず、動物の死体(いずれも同3%)、汚泥、がれき類(それぞれ同4%)等で、逆に比率が高いのはゴムくず(同44%)、燃え殻(同25%)、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(21%)、廃プラスチック類(20%)等となっている。 前回の調査時から最終処分量が大きく減少したのは汚泥(118万トン減)、ばいじん(66万トン減)、廃プラスチック類(48万トン減)等となった。


容器包装リサイクル ガラス、PETで着実な伸び 第6期の分別収集計画

環境省はこのほど、容器包装リサイクル法に基づく平成23年度を始期とする、以後5年間の全国市町村の分別収集計画の策定状況を取りまとめた。容リ法では、市町村は3年ごとに5年を1期とする分別収集計画を策定することとされており、制度がスタートした平成9年度の第1期分別収集計画が策定されて以降、平成20年度を始期とする第5期分別収集計画まで、これまでに5回にわたって策定されてきた。今回の23年度を始期とする計画は第6期となるもの。
第6期計画は全国1750市町村(特別区を含む)すべてで策定されており、来年度以降の5年間ですべての市町村がいずれかの容器包装廃棄物の分別収集を行うことになる。また、平成9年度の制度開始当時から分別収集・再商品化の対象となっているガラス製容器とペットボトルについては、引き続きほとんどすべての市町村が分別収集を実施する見込みとしている。
ちなみにペットボトルの分別収集を実施する見込みとしているのは平成23年度で1719市町村(全体の98・2%)、27年度で1730市町村(同98・9%)となり、分別収集量は23年度で30万1000トン、27,年度で30万8000トンがそれぞれ見込まれている。ガラス容器についても27年度時点で全体の98%超の自治体が分別収集を実施する予定としている。また、平成12年度から分別収集・再資源化の対象となったプラスチック製容器包装と紙製容器包装についても今後の5年間で実施市町村数、分別収集見込量ともに拡大していくものと見られている。
プラスチック製容器包装分別収集実施市町村は23年度で1379市町村(全体の78・8%、78万5000トン)、27年度で1411市町村(同80・6%、86万6000トンと計画されており、紙製容器包装分別収集実施市町村は23年度で879市町村(全体の50・2%、12万8000トン)、27年度で920市町村(同52・6%、13万9000トン)と計画されている。なお、分別収集される容器包装のうち、比較的市場性の高い品目については依然として各市町村が独自処理ルートで処理する割合が高く、分別収集量に占める比率は無色ガラスで6割超、紙製容器包装で7割超などとなっている。


日本鉄リサイクル工業会 新年賀詞交歓会を開催 中辻会長「日本の強みを世界へ」

挨拶する中辻会長

挨拶する中辻会長


(社)日本鉄リサイクル工業会(会長・中辻恒文 中辻産業社長)はこのほど、東京の鉄鋼会館において会員など約320名を集め、新年賀詞交歓会を開催した。冒頭、挨拶に立った中辻会長は「08年の国内スクラップ発生量は4350万トンあったものが、09年年には3260万トンと1100万トンも落ち込んだ。ただ、10年は推計で3650万トンほどの発生があったと見られ、多少の回復は見られた。この3650万トンは、1998年から2000年以前に我々が経験してきたものだが、当時は価格も低く、総合リサイクルを目指そうというのが業界の1つの指標であった」。
「そして業界が目指すこれからの方向性は第一に日本の位置付けの明確化を図りたいと考えている。09年に世界の鉄スクラップ発生国で日本は中国、米国に次ぐ3番目に位置しており、世界の鉄スクラップ発生量の10%、輸出余力では世界の25%を占めている。我々はこうした世界第3位の規模を誇る業界に身を置いていることを忘れずにいることが重要だ。第二は、この業界で培ったノウハウを他業に展開し、総合リサイクル化を図ること。第三は新興国に成長がシフトする中で、我々が蓄積したノウハウを成長市場に注いでいくことを提案したい。巨大市場には大企業があるが、日本は中小企業ベースである。しかしこのことが日本の優れた点と言え、中小が連携することの強みを活かし、今後、業務提携や販売ネットワークを国内外に構築することも重要ではないか」と述べた。
また、次に挨拶に立った栗川勝俊普通鋼電炉工業会会長は「電炉は需要減で生産が落ちており、余剰生産能力を成長の続く海外へ向けることが重要」と述べ、谷口進一日本鉄源協会会長は「世界の粗鋼生産は伸びており、我々の活躍する余地はまだある。世の中は大きく変わっており、動かなければ取り残されるだろう」と述べた。


環境省 排出者は「安全性」重視 リユース研究会が第2回会合

環境省では家具や家電、衣類、書籍等各種使用済製品のリユースの促進を目的とした研究会を設置しており、昨年末にその第2回会合を開いている。研究会では、本年度の事業として①使用済み製品の流通フローやリユース推進による環境保全効果等の調査、②市町村収集ごみからのリユースに関するモデル事業、③リユース業者の環境意識向上のための基礎調査──等を行う計画としている。今回行われた第2回会合では、リユース市場流通物の排出・流通実態についての消費者アンケート、リユース事業者アンケートの結果や、市町村が取組んでいるリユース事業についての取組みの概要と進捗状況等、リユース業者の環境意識高度化に向けて実施した消費者、大口排出者へのアンケート等の結果がそれぞれ報告されている。
大口排出事業者(リース・レンタル業、引越し業、ビル管理業)へのアンケートの結果では、リユース業との連携については「連携している」もしくは「連携に興味がある」とした回答が多く、連携先を選定する際の基準では「コンプライアンス体制」や「引取りのタイミング」などを重視する傾向が強い。また、リユース業に求める要件としては、「引渡し後のトレーサビリティの確保」や「第三者による優良業者認証」のほか、引取りのタイミングや数量、リユース不適品の同時引取りといった、きめ細かなサービスを挙げる回答が目立っている。
研究会は近く開催予定の第3回会合で、これまでの成果を元にリユースの推進に伴う環境保全効果や経済へのインパクト、市町村事業の効果と住民意識のへの影響、リユース業者の環境意識高度化に向けた推進方策等を協議し、3月中にも全体のとりまとめを行う予定としている。


産業廃棄物 279件が新たに判明 平成21年度の不法投棄状況

環境省が毎年度実施している産業廃棄物不法投棄、不適正処理事案等調査によると、平成21年度に新たに判明した不法投棄事案は全国で279件となり、前年度の308件からは29件の減少となった。不法投棄量は合計で57000トンで、前年度の20万3000トンからは14万 6000トン減少している。全国都道府県から報告された新たな不法投棄事案のうち、投棄量が5000トン以上の大規模事案は2件で、件数ベースでは全体の0・7%に過ぎないものの投棄量は2件で19000トンとなり、投棄量全体の32・3%を占めている。
不法投棄された廃棄物は、件数ベースで建設系廃棄物が192件(がれき類103件、建設混合廃棄物51件、建設系木くず31件等)と、全体の7割近くを占めている。投棄量ベースでは、建設系廃棄物が42000トン(建設混合廃棄物14000トン、がれき類13000トン、建設系汚泥9000トン 等)と、全体の7割強となった。
新たに判明した不法投棄事案のうち、現に支障が生じていることが報告されたものはなかったものの、支障のおそれがあると報告されたものが10件あったほか、支障等調査中と報告されたものが8件あった。現時点で支障等はないと報告されたものは261件で全体の9割以上を占めた。支障のおそれがあると報告された10件の今後の対応では、5件について支障のおそれの防止措置を講じるとし、4件で状況確認のための定期的な立入検査、1件で周辺環境モニタリングを実施することなどが報告されている。
なお、21年度末時点での不法投棄等の残存件数は全国合計で2591件となっており、前年度末時点の2675件から84件の減少となっている。ただし、残存量については合計で1730万5000トンとなり、前年度末時点の1726万トンから45000トン増加している。


古紙再生促進センター 新年互礼会を開催 上質古紙の回収増を

挨拶する栗原副理事長

挨拶する栗原副理事長


財団法人古紙再生促進センター(石田隆理事長)では、東京都千代田区のホテルグランドパレスにおいて、平成22年度の新年互礼会を開催した。製紙連合会、全原連、関係者多数を招き盛会となった。
白井部長の司会進行により開会した。理事長挨拶では体調不調により欠席のため、同センター副理事長の栗原正雄全原連理事長が挨拶した。「不況から脱し得ない中、古紙の需要は円高環境にありながら国際マーケット旺盛、低位在庫が続き1%増となった。新規ヤード開設が全国で展開され、仕入れの過当競争により収益はままならない。現在、古紙需給委員会では安定した古紙リサイクルについて懸案している。古紙輸出が400万トンを超え、このまま推移すると在庫が低位となり、緊急事態の場合、対処できない状況にある。古紙センターでは古紙の品質向上・安定供給をメインテーマに取り組んでいる。事業仕分けが行われる昨今、広域財団法人の資格を申請している。古紙リサイクルシステムが万全となるよう努力する所存です。」(要約)
来賓祝辞では、経済産業省製造産業局紙業生活文化用品課の坂本敏幸課長が次のような内容で挨拶した。「古紙リサイクルは現代社会において重要であり、安定継続させることが必要。皆様の活躍により、回収率は高く、利用率は62%となっており、深く感謝している。中国需要は旺盛で輸出価格高騰は国内価格アップにつながっている。中国の古紙リサイクル関係者28名を日本に招き、10日間の研修を実施し、製紙連および古紙センターのご協力を戴いた。また勉強をせず、ポスト62を超える利用率を高くしたいと思ったが、古紙回収、使用は限界に近づいている。上質古紙の回収を増やすことが課題である。一方、過当競争により古紙リサイクルシステムは危機に瀕しており、昨年多摩地区で情報交換を行った。本年は埼玉等広げると聞いている。行政の回収量が増えるよう努力される中、皆様方のご協力を一層お願いしたい。」(要約)
乾杯は馬城文雄副理事長が行い、同センターに尽力されてきた「熱い心のDNA」を受け継ぎ、発展されることを祈念して乾杯した。中締めは木村重利氏が行い、先進的な古紙リサイクルシステムを若い世代につなげ、活躍されることを込め手締めを行った。


温室効果ガス 基準年比4.1%の減少 景気後退や原子力利用率上昇で

環境省のまとめによると、09年度の温室効果ガスの総排出量(速報値(注1))は12億900万トンとなり、京都議定書の規定による基準年総排出量と比べ4・1%の減少となった。産業部門をはじめとする各部門の二酸化炭素排出量が減少したことなどから5・7%の減少となった。
前年度から減少した原因としては、08年10月に発生した金融危機の影響による景気後退で、産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少が09年度も続いたことや、原子力発電所の利用率の上昇で電力排出原単位が改善したことなどが挙げられている。
温室効果ガスの各種別排出状況のうち、二酸化炭素(CO2)は、09 年度は11 億4500万トンで、基準年と比べ0・03%(40万t―CO2)増加している。部門毎の増減を見ると、産業部門(工場等)の排出量は3 億8600万トンで、基準比19・9%(9620万t―CO2)の減少、前年度比7・9%(3310万t―CO2)の減少となった。基準年からの大幅な減少については製造業、非製造業からの排出量が減少(それぞれ18・5%減、36・8%減)したことによるもの。
また、運輸部門(自動車・船舶等)は排出量2 億2900万トンで基準年比5・4%(1180万t―CO2)の増加、前年度比2・5%(590万t―CO2)の減少となった。した。運輸部門は90年度から01年度までは増加傾向にあったが、その後は減少傾向が続いている。その他、業務その他部門(商業・サービス・事業所等)は2 億2000万トンで基準年比33・6%増、前年度比6・6%減、家庭部門は1億6200万トンで基準年比26・9%増、前年度比5・5%減となった。


ダイオキシン 前年比では18%の減少に 焼却施設からの発生量

環境省のまとめによると、平成21年度に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類総量の推計は、約68グラムで、うちわけは一般廃棄物焼却施設からのものが約36グラムで前年比約6グラムの減少)、産業廃棄物焼却施設からのものが約33グラムで前年比約9グラムの減少となった。合計では前年比約18%の減少となった。ダイオキシン特措法の削減計画では、「22年の廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出量を15年の145グラムに比べ約30%削減する」としていたところ、21年実績が約53%減と、目標を大きく上回る結果となった。
一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度については、市町村の一廃焼却施設で測定を行った2138 炉のうち、排出基準を超過した施設は2炉に留まった。また、.事業者の設置する一般廃棄物焼却施設76 炉については、全て排出基準に適合していた。一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量は約36gと推計され、前年の約42gから約6gの減少となった。施設の設置者別では、市町村が設置する施設からが約36g、事業者が設置する施設からが約0・1gと推計された。一方、産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度については、測定結果が得られた1580炉の99%で基準に適合していた。
産廃焼却施設は平成9年12月1日時点で5757施設あったものが平成22年3月31日までの12年あまりで4433施設が廃止し、稼働中と休止中を合わせた供用中の焼却施設は、平成9年比67%減の1905施設となっている。なお、前回調査では直近1年間に全2028施設の18%に当たる364施設が休・廃止しているが、今回調査では直近の1年間に全1978施設のうち86施設が廃止、休止中の328施設を含めると、全体の2割強にあたる414施設が休・廃止したという結果になった。本年4月1日現在の稼動施設数は1577施設となっている。全国の産業廃棄物施設全体での推計年間焼却量は約2214万トン(前回約2230万トン、前々回約2190万トン)となっている。


廃家電4品目フロー推計 排出台数は2809万台に 退蔵品由来調査で精緻化図り

産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電子・電子機器リサイクルWGと中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の第19回となる合同会合が先ごろ開催されたが、そこにおいて、法改正においても問題点となった使用済み家電製品4品目のフローの把握について、新たな調査を実施し、推計の精緻化を図ったものが公表された。今回のフロー推計では、前回審議会で指摘された、壊れるなどして1年以上使用されていないものといった退蔵品からのフローの調査も実施。具体的には、フリーマーケット、知人譲渡、ネットオークション、不用品回収業者への排出について、アンケート調査にて把握し、リユース向け販売に追加を行ったとしている。
それによれば、平成21年度の家庭・事業所からの使用済み家電製品4品目排出台数は2809万台となり、うちリース・レンタル業者由来のものが39万台、退蔵品由来のものが184万台となった。また家電リサイクルルート上の処理については、小売業者による引取1659万台(うち退蔵品由来78万台)、引越業者引取(同1万台)、建設解体業者引取42万台(同4万台)で、更に不法投棄分13万3000台と合わせた地方公共団体の引取21万5000台から製造業者による再商品化に回った台数が1879万台となっている。
一方、リユースなど、家電リサイクルルート以外の販売や処理については、リユース業者による引取が154万台(うちリース・レンタル業者由来が28万台、退蔵品由来が11万台)、回収業者による引取が463万台(退蔵品由来55万台)となり、ここに引越業者や建築解体業者からのものも合わせた中古品取扱業者や廃棄物処理業者、資源回収業者にわたった廃家電4品目は648万台となった。
また、直接売買されたものなども含めたリユース向け販売は771万台となり、うちフリーマーケット・知人譲渡が201万台(退蔵品由来17万台)、消費者からのネットオークション14万台(同1万台)、で残るリユース業者による販売のうち、449万台が国内、108万台が海外輸出となった。さらに、廃棄物処分業者による資源回収が127万台(国内95万台、海外32万台)、資源回収業者による資源回収27万台(国内7万台、海外20万台)、地方公共団体による一般廃棄物としての処理が5万9000台などとなっている。
なお、日本貿易統計による家電4品目の輸出台数は約250万台となっており、今回推計されたリユース向けの海外108万台とは142万台のかい離がなお見られ、国内向けにリユース販売されたはずのものが最終的に海外に渡るケースもあると見られる。このため、委員からはより正確なフロー把握の必要性も指摘されるところとなった。


3R推進団体連絡会 成果を次期計画に反映 自主行動計画09年実績を報告

3R推進団体連絡会の成果報告会

3R推進団体連絡会の成果報告会


ガラスびんリサイクル促進協議会、スチール缶リサイクル協会など容器包装リサイクル関連8団体で構成する3R推進団体連絡会が先ごろ、「容器包装の3R推進のための自主行動計画」の10年度フォローアップ報告を行い、事業者による3R推進の09年度実績を報告した。
連絡会はさきの容R法改正を契機に、関係する事業者の意見を集約する場として、あるいは共通の目標に統一的な行動を起こしていくための機関として05年に設立された。翌年3月には自主行動計画を公表、8団体がそれぞれに10年度を目標年次として容器包装3Rについての数値目標を掲げ、その実現に向けた取組みを進めているところ。また、個別の取組みとは別に8団体主体間の連携につながる取組みとして共通のテーマを掲げ、それに沿った具体的な行動を進めている。毎年1回、計画の進捗状況の点検とフォローアップのための報告会が開かれており、今回はその4回目。
会を代表して経団連環境本部長・岩間芳仁氏は、「行動計画は当初目標に向かって着実な進展を見せ、事業者の取組みを報告していくことで関係者や消費者とのコミュニケーションも広がった。これまでの成果を踏まえ、次期行動計画の一層の充実につなげたい」とした。
8団体はそれぞれ2010年度を目標年次に3R目標を設定している。リデュース(原料使用量の削減、発生抑制)では容器の軽量化や薄肉化等や適正処理の推進、詰め替え容器の開発等が、リサイクルではガラスびんを中心にリターナブルシステムの調査・研究がそれぞれ行われた。また、リサイクルの分野ではリサイクル率や回収率、再生原料利用率の維持、向上に向けた取組みのほか、易リサイクル型容器の開発、効率的な排出や回収方法の研究とや発活動など多岐にわたる取組みを行っている。
また、主体間の連携に向けた行動では、8団体共同でフォーラムやセミナーの開催、ホームページの隣家など情報提供の拡充、イベントへの共同出展などが行われている。各団体の09年実績については、一部ですでに記者発表や団体ホームページ、インターネットなどで報告されている。このうちリデュースに対する取組みでは、ガラスびんで09年に新たに6種16品目が軽量化され、1本あたり平均で1・8%軽量化されたほか、PETボトルでも主要15種中13種で0・3から15・0%を軽量化、8種については目標としていた3%の軽量化が達成されている。