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アルミスクラップ

様々な利点を持つアルミニウム

アルミ二次合金

アルミ二次合金

アルミニウムは1807年、電気による分離で金属としての存在が確認された比較的新しい金属です。 本格的に精錬が開始されたのは1886年のことで米、仏でほぼ同時に電解精錬法(ホール・エルー式)が確立されてスタートしています。 我が国でアルマイト処理が発明されたのが1929年、アルミニウム精錬が開始されたのは1934年で僅か69年前のことになります。

世界のアルミニウム新地金生産量を見ると、二千万トンを突破しています。我が国では電力コストがネックとなって、国内の新地金生産量は一万トン未満で推移し、大半を海外からの輸入に頼っています。(国内新地金需要は二百三十万トン前後)

アルミは、その金属特性として*軽い*強い*耐食性が強い*加工性が良い*電気の良導体である*磁気を帯びない*熱を伝えるなどの利点から、アルミ建材、自動車のエンジンからボディー、飲料缶、箔などの様々な分野で利用され、最近は特に軽量化を進める輸送機器分野でアルミボディーなどの需要の伸びが目立っています。

アルミリサイクルの特徴

アルミエンジンスクラップ

アルミエンジンスクラップ

アルミのリサイクルに関する大きな特徴としては、ボーキサイトから新地金を作る際のエネルギーと比較して、製品をリサイクルして作る再生地金は30分の1(3%)で済むという極めて省エネ効率が高いということでしょう。アルミ スクラップから再生される「再生地金」は、二次合金メーカーによって国内で再精錬されています。 なお、輸入を含めた二次地金の国内需要は二百万トン近いものがあります。

アルミサッシスクラップ

アルミサッシスクラップ

新地金に比較してコストメリットが高い二次地金・同合金地金のアルミ総需要(400万トンに占める割合は、2000年に156万トンに達し、40%弱を占めるに至りました。 一方、スクラップについて見ると、国内で発生するアルミスクラップとして、建材として使用されるアルミサッシスクラップ、飲料缶を回収したアルミ缶スクラップなど、様々な分野からの回収量は140万トンに達しています。これに輸入量も加えたアルミスクラップ需要量は、年間で150万トン前後で推移しています。

アルミ缶スクラップ

アルミ缶スクラップ

このうち、アルミ缶について見ると、2001年度で174億4千万缶が消費され、このうち144億3千万缶が回収され、その回収率は80%以上と極めて高い水準となっています。 アルミ缶回収は、町内会、老人会、小・中学校やサークルによるボランティア活動と自治体回収が高い割合を占めています。

また、 これら様々な発生形態で流通するアルミスクラップの取り扱いについて、事業に携わっているものに、「軽金属同友会」に代表される、アルミスクラップディーラーの団体があります。