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飛田テック 直江津港から過去最大1万3千トン船積み 輸出等の事業で地域振興 

飛田テックの13000トン船積み

飛田テックの1万3000トン船積み

新潟県を中心に、金属リサイクルや自動車リサイクル、中古パーツ販売など、多角的な事業を手掛ける業界大手の飛田テック株式会社(本社・新潟県上越市、飛田剛一社長)ではこのほど、同社の直江津港シッピングセンター(新潟県上越市黒井2889番地6)より、同エリア及び富山県を含めた日本海側で過去最大となる1万3000トンの鉄スクラップ輸出船積みを実施した。 今回の輸出船積みは、近年日本からの販売先として急拡大を見せるバングラデシュ向けで、HS、H1、H2の1万3000トンとなる。積み込みに要した期間は6月2日からの8日間で既に出港済み。今月末にもバングラデシュに到着予定となっている。同社では、これまでも直江津港にて数千トン単位での船積みに取り組んできたが、今回の1万3000トンクラスは初。業界では日本海側での万トンクラスの輸出船積みについては、一部インフラなどの面で難しさも指摘されるところだが、国際港としての荷役体制を整えている直江津港で今回、1万トンを超える過去最大の船積みが行われたことは、業界にとっても大きな意味を持つこととなりそうだ。

飛田テックでは、今回の輸出船積みが契機となり、県内にある複数の港湾整備の一翼を担うとともに地域そのものの活性化に繋げたいとしている。同社は1953年に富山商会として新潟県上越市で創業。以降、金属リサイクルを中心に地域に根差した事業を展開しながら業容を拡大。2001年には廃棄自動車の適正処理を図るべく新潟オートリサイクルセンターを開設、2011年には中国・天津市で民間企業が手掛けた自動車リサイクル工場の建設に当たっては、同社の優れた技術の供与も行われている。

また、鉄スクラップ等の流通国際化を見据え、2010年に直江津港にシッピングセンターを開設するなど、グローバルな展開を視野に入れた取り組みも進める一方、地域においては、関連会社にて高齢化社会に対応すべく、「生きがいの提供」を可能としたサービス付き高齢者向け住宅「だいにちスローライフビレッジ」の建設・運営も行うなど、多角的に事業を展開しており、今回の輸出船積みといった国際的事業を地域振興に繋げようとする同社の更なる飛躍が期待されるところだ。

三立機械工業 インドで銅回収実証 JICAの支援事業通じワイヤーハーネス処理展開

三立機械工業・中根会長

三立機械工業・中根会長(右)

廃電線等のリサイクル・処理機械の開発製造・販売を手掛ける三立機械工業株式会社(本社・千葉市、中根亮一社長)では、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業 普及・実証事業」(平成26年度補正)に採択され、このほどJICAとの業務委託契約を締結したと発表した。JICAの「中小企業海外展開支援事業 普及・実証事業」とは、途上国の課題の解決に有効に活用できる中小企業の製品・技術の普及のために、優れた提案を出した中小企業とJICAで業務委託契約を締結し、一定規模の資機材調達・据付や継続的な現地活動等による実証活動を通じ、その普及方法を検討するというもの。今回の契約締結は廃電線リサイクルのパイオニアとして、高効率な銅などの資源回収を実現した三立機械工業の優れた技術が内外で高い評価を受けた結果と言えよう。

受託事業は「インド国 ワイヤーハーネスからの銅資源高度リサイクル普及・実証事業」で、インド工業省傘下の国立自動車試験研究開発機構グローバル自動車研究センター(NATRIP GARC)に自動車の廃電線から高度に銅資源を分離・回収するプラント等を導入し、効率的かつ環境に配慮したリサイクルを推進するというもの。実施期間は今年6月からの2年間で、予算規模は1億円以内となる。

NATRIP GARC

NATRIP GARC

インドでは自動車産業の急成長の一方で、車齢15年以上の車両が急増しており、今後大量に廃車が発生することも予想される。現地では、廃車のワイヤーハーネス(電線)から銅を回収ために現地民間リサイクル業者によって行われている野焼きが、土壌汚染など深刻な環境問題を誘発しており、廃電線処理の技術・リサイクルのシステムの構築が喫緊の課題だ。こうしたなかで、同社は廃電線から高い比率で銅資源を分離・回収する技術を有しており、NATRIP GARCと共に、リサイクルシステムの検証及びマニュアル化に取り組み、環境汚染を防ぎ効率的な銅資源の取得を可能にする事業モデルの構築・普及を目指す。

今後の流れとしては、今年7月にインド・デリーにて調印式を実施し、9月にインド・タミルナドゥ州カーンチプラム県に実証プラントを設置。28年度後半よりデータ収集を行い、29年8月頃に現地にてセミナーを開催する。事業完了後は、導入前後の成果データの分析をもとに、銅資源の販売も含めた事業の収支分析等の事業性判断を行うこととなっており、タミル・ナードゥ州周辺企業、さらには他州への普及により、継続的なビジネス展開も期待される。 なお、同社の今回のインド進出に当たって、支援を行ってきた千葉市産業振興財団が、インド大使館を通じた現地ルートやJFEテクノリサーチを技術コンサルタントとして紹介するなどといったハブ機能の役割を果たしたことが大きいとしており、財団としても市内中小企業と各支援機関を繋ぐハブとなり、海外進出を後押しするモデルケースになるとしている。

埼玉県 環境産業合同入社式を開催 産廃業の新入社員定着率向上狙い

埼玉県は6月6日、埼玉県環境産業振興協会と共に、この春、県内の産業廃棄物処理企業に就職した新入社員らを対象に「平成28年度埼玉県環境産業合同入社式」を開催した。 開会に先立ち、埼玉県の環境部長は「産業廃棄物処理業が持続可能な社会に貢献できる環境産業へと発展するための主役となっていただきたい」と挨拶を述べ、また、環境産業振興協会の小林増雄会長は「これから業界を支える若い皆さんに多くの仲間を作っていただきたい」と述べた。

 

入社式では、新入社員を代表して関谷昌大さん(株式会社木下フレンド)と大島歌穂美さん(ウム・ヴェルト株式会社)が「埼玉県の循環型社会を担う一員として、全力を尽くしていく」と誓いの言葉を述べたほか、宮村勝富さん(日本ケミテック株式会社)、渡邉紗斗美さん(株式会社タカヤマ)ら、先輩社員による激励の言葉が新入社員に送られた。 また、NPO法人環境文明21共同代表の藤村コノヱ氏(全国産業廃棄物連合会タスクフォースメンバー)による講演も行われている。

 

「新たな道を切り拓く~処理の『受け手』から資源等の『創り手』への転換」と題されたこの講演では、これからの産廃業界を担う若者たちに向け、近未来の日本の産業構造や世界的な気候変動の事例などを示し、単なる産廃処理業から環境産業への転換の必要性や必然性を説いた。講演中、講師から「この業界や会社を将来どんな姿にしたいか」と問われた新入社員らは「海外で災害が起こった時、すぐに駆けつけて災害廃棄物処理を手助けできるような会社にしたい」、「廃棄物を扱いながらも、自然と共生する企業にしたい」など、各々の夢や目標を語った。入社式終了後には名刺交換会も開催されており、慣れぬ手つきで名刺交換をする新入社員も見られ、会場はフレッシュな空気に包まれた。

日本労働組合総連合会の調べでは、廃棄物処理業の平均勤続年数(男性)は全業種平均の12・9年を大きく下回る8・7年で業種別ワースト3位に入っており、離職率の高さは全業界的課題となっている。埼玉県環境部の担当者は「同じ目標の仲間を持つことや仕事に誇りを持つことでモチベーションを高め、定着率向上につなげたい」と開催の狙いを語る。全国的にも珍しい今回の取組だが、昨年度から県と協会では共同で「環境産業へのステージアップ事業」を進めており、その一環として行われている。同事業ではこれまで、「スマイル、セイケツ、スタイル」のスローガンを掲げる「3S運動」などを展開してきており、今後は業界のイメージアップ事業のみならず、処理技術の研究開発などにも着手していく。