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廃バッテリー 国内市場は深刻なひっ迫 韓国向け輸出初の大台乗せ

我が国からの廃バッテリー輸出が急増し、 3月の財務省・関税局統計による輸出通関量は初めて1万トンの大台を突破するという事態を迎えている。この輸出通関量の内全体の98・9%を占めているのが韓国向けで、 この傾向は廃バッテリーの韓国向けが本格化し始めた07年以降一貫して高い比率を維持している。 このため、 国内の廃バッテリーを母材とする再生鉛の2次精錬業界や三井 (神岡)、 三菱 (細倉)、 東邦等の大手鉱山の原料担当は国内から発生する廃バッテリーの現物確保に苦慮するという、 深刻な原料問題を抱えている。

国別輸出で各月共に高い比率を維持する韓国向けは、 月によっては100%に達することもあって、 2次精錬事業が活発な韓国の廃バッテリーに対するニーズは、 距離的にも近いという地理的要因も重なって、 韓国向け輸出の実態は2012年以降に急増、 13年暦年合計では8万7000トン (月平均=7300トン)、 14年暦年も9万8000トン (同=8100トン) と高いレベルで推移、 殆んどの月で98%台以上という輸出比率を維持している。

3月の1万トン台乗せについては、 昨年8月の5000トン台から10月の3000トン台という輸出通関の低下の反動で2~3月に急増したと見る向きもあるようだが、 急増した理由については明らかになっていない。市場関係筋が指摘する背景として 「①昨年前半の月間8000トン台維持から後半に急減(3000トン台)した通関量の反動による増加、②鉛相場下落によるコスト要因による買い出動、③韓国国内2次精錬業界全体でのニーズの高まり」 等が挙げられている。問題は季節的要因で発生が増加した2~3月の国内需給が、 今後の発生減環境を控えて市中の中小2次精錬から大手精錬メーカーまで、 国内リサイクラーの多くが韓国輸出増の反動による廃バッテリーの現物不足に悩まされることになりそうだ。

総合Rセンター黒田 戸別回収で地域密着 会員数1万2千世帯「もったいない倶楽部」

総合リサイクルセンター黒田

総合リサイクルセンター黒田

自治会の衰退や高齢世帯の増加などから、大都市圏を中心に行政サービスの一環として廃棄物や資源物の戸別回収に取り組む自治体は近年増加傾向にあるが、これに民間ビジネスとしていち早く取り組んだ企業が山梨県富士吉田市にある。 今年創業55周年を迎える(株)総合リサイクルセンター黒田(黒田光秀社長)が取り組む「もったいない倶楽部」は、会員登録制の資源物の戸別回収事業だ。会員は1〜2週に1度設定された回収日に玄関先へ古紙や缶、衣類などの資源物を出しておくと、同社が訪問回収に来て重量に応じてオリジナルプリントトイレットロールが貰える。もちろん会員登録料は無料。字面だけ見ると、目新しいのは会員制ということのみで、往年の「ちり紙交換」のようにも見えるかもしれない。しかし、人口5万人の富士吉田市を中心に現在、周辺5市町村にまで事業は拡大。その会員数は1万2000世帯を超え、地元都市ガスの契約者数より多いという。実際に回収日の朝、当該地域を歩いてみると、各戸の玄関先には資源物がずらりと並んでおり、行政で戸別回収を行っていると錯覚してしまうほどだ。ここまで地域に浸透した理由とは一体なんなのだろうか。

黒田社長はキーワードとして「人」という言葉を挙げる。およそ12年前、この事業を始めた当初は営業に回っても、けんもほろろな対応されるのが常で、会員申し込みの電話が鳴ることも少なかったという。しかし、ひとたび申し込みがあればどんな遠隔地でも回収に出かけた。当然、輸送コストを考えると、採算ラインは大きく下回ることになるが、その小さな一つの「点」はやがて大きな「円」になる。一軒の家庭から口コミで評判が広がり、現在では集落全ての家庭が会員という地域も珍しくない。

また、「もったいない倶楽部」では資源物の回収のほか、不用品の処分、古物の買取、蜂の駆除なども受け付ける。一廃・産廃の収運・処理、古物商、家電リサイクルなどの各種許認可を持つだけでなく、資源物全般を取り扱い、環境衛生機器や健康食品等の販売など、幅広い事業を手掛ける同社ならではの強みだ。さらに、「電球取替えて」、「タイヤ交換をお願い」など会員からの細かなリクエストにも可能な限り対応している。こういったサービスを通じて築きあげた信頼関係は、戸別回収以外の仕事に直結する。「もったいない倶楽部」をきっかけに、会員の勤め先から大口の仕事が舞い込むこともあった。 いまや「もったいない倶楽部」は、資源物回収という枠を超え、営業・情報収集ツール、社員研修ツールとしても活用され、同社事業の中核をなしている。黒田社長は「人口減少で資源物・廃棄物ともに発生量のパイが縮む中、減少分を補うため、こちらから仕掛けていかなければいけない時代だ。大手が大規模集約化を進めるなか、中小は地域の人と人との繋がりを大事にしていかなければ」と語っている。

全国産業廃棄物連合会 資格制度設立へ具体化 人材育成方策に関する調査 

(公社)全国産業廃棄物連合会(以下、「全産連」)では、人材育成し技術力を向上させることにより、業界のイメージアップを図るため、業界における人材育成方策について調査を進めており、このほど昨年度の成果を発表した。全産連では一昨年、タスクフォースを立ち上げ業界振興策について議論を重ね、昨年、「受け手としての“廃棄物の処理・処分”から創り手としての“資源とエネルギーを製造する”業界へと引き上げていくべき」とする報告書を取りまとめた。この報告書では、資格制度の設立やアカデミーの創設など人材育成に大きくスポットが当たっており、今回の調査はこれらの具体的な実現に向けての足掛かりとなる。

調査では、47 都道府県協会に対してアンケートを実施し、平成 27 年度開催の研修事業、ニーズが高かった研修会、研修が必要と考えられる業種、レベルアップを必要とする対象者など、業界の人材育成の現状について把握。さらに、産廃処理事業者にヒアリングを行ったほか、他業界の資格制度などについて状況調査を行っている。 また、収集運搬、中間処理、最終処分の業態カテゴリごとに、中小企業では社内教育が難しいL2(=主任レベル相当)における人材育成のニーズの高い業務を特定し、業務遂行に必要な能力・知識表を作成した。これに基づき、研修カリキュラム案も作成し、実際に3月にはモデル研修会を開催している。資格制度もL2を対象として、資格制度のイメージを、目的、分野、レベル・難易度、名称、取得・維持の仕組み、取得の要件等の様々な観点から検討した。

全産連では「資格制度の創設は、産業廃棄物処理に従事する者に誇りとモチベーションを与えるとともに、排出事業者、地域社会からの信頼を得る手立てとして、非常に重要」として、今後、資格制度の早期樹立や、L1(担当者レベル相当)、L3(課長レベル相当)の資格制度についての検討、中間処理における処理方法の違いによる区分化などの実現に向け、さらなる深堀に取り組んで行く。また、今年発覚した食品転売事件を受け、産業廃棄物処理業に対する信頼が失われることが懸念されることから、資格整備の対象として、廃棄食品の適正処理の業務管理を行う者も含める必要があるとしている。