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再生資源・リサイクル業界の専門紙

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WEB資源新報BackNumber 2018年3月

登録制度利用し差別化も 東京非鉄がバーゼル・廃掃法改正でセミナー

東京非鉄セミナー

東京非鉄セミナー


3月23日夕、 東京非鉄金属商工協同組合は4月1日から施行される廃掃法と10月1日からの施行が予定されているバーゼル法が係わる非鉄リサイクル業への影響等についてのセミナーを開催した。 両法改正に関わる政府の検討会に非鉄業界の代表(非鉄全連・リサイクル環境推進部会)として参加していた福田隆東港金属社長が講師となり、これまでの経緯と今後の対応策について両法を対比させながら解説した。
この問題に対する非鉄業界の関心は、昨年7月に発表された中国による雑品類等の輸入規制の強化とこれによる低品位非鉄含有スクラップ類の国内市場への還流問題とも絡んで極めて高く、組合員他55名が参加する盛況となった。
同セミナーは非鉄全連が名古屋で開催した理事会に先駆けて行われたものの東京版で、共通するテーマは「今次の法改正による様々な規制は、事前の事業者登録や取扱ヤードの様々な要件を満たした整備を行っておけば、逆に取扱量が増える等、我々業界にとっての大きなビジネスチャンスである」と福田氏は語っている。
4月1日から施行される廃掃法では、有害使用済み機器に含まれる家電4品目や小型家電28品目等が含まれる雑品を取り扱う場合、それぞれの事業者は所在する各自治体に対して「保管」か「処分=破砕・切断・解体・溶断・圧縮等」の届け出(6カ月の猶予期間あり)が義務付けられる他、有害使用済機器を取り扱うヤードについてはコンクリート等床面の不浸透措置や囲い、掲示板、飛散防止、騒音・振動、悪臭等の防止その他の規制がある。しかし、この場合も鉄箱を使用する対応策等もあり、やり方一つで対応できるものもある。また、届け出の種別も保管以外に処分があり、「処分」の届け出を行っておけば、業務用等の規制対象機器でも取り扱うことが可能になって、手分解や機械解体等、非鉄業界の精度の高い分別で新たなリサイクル商品の開発にも繋がるとする前向きな取組みを提案した。


回収びんの20%が輸入品「その他色」8割強が海外由来か ガラスびん3R促進協調査

輸入びん

今回調査した輸入びん(提供:ガラスびん3R促進協)


ガラスびん3R促進協議会は先ごろ、川崎市の資源化センターにおいて回収したびんにおける輸入びんの含有率について調査を実施した。
ガラスびんは近年、白(無色)や茶以外のいわゆる「その他色」の構成比が上昇傾向にあり、この一因にワインなどの輸入びんの増加があると見られている。また、ほとんどが製びん用途に使用される白・茶と違い、その他色は製びん原料としての取り回しが難しいため、主にグラスウールや建材など、製びん以外の用途に原料として利用されてきた。しかし、そもそもの製品需要が少なく、その他色の利用拡大が長年の課題となっていた。今回の調査では、その他色のびんtoびん用途での利用拡大に向けての基礎的調査として実施されている。
資源化センターの運営を受託する三栄ガラスの協力のもと実施された調査では、調査総量4607kgのうち898kgが輸入びんで、構成比は19.5%。輸入びんのうち、78.8%、707kgがその他色だったことが明らかになった。平成28年度に川崎市が収集したガラスびんのうち27%がその他色であったことから類推すると、その他色のびんのうち、およそ8割強が輸入びんで占められていることが推測できる。
その他色の大部分を占めるが緑色だが、輸入びんの「緑」は実に多種多様で、黒に近い緑もあれば、茶に近い緑もあり、びん原料としては組成の安定性に欠ける。このあたりの課題をいかに解決していくかが、その他色の製びん利用の拡大に向けたボトルネックになりそうだ。


読売リサイクルネットワーク 青梅市で「花粉の少ない森づくり」の植樹活動

植樹活動

「読売の森」植樹活動


読売新聞社とその販売店、および古紙回収業者から運営されている読売リサイクルネットワーク(以下YRN)では社会貢献活動の一環として、2013年度より「読売の森」植樹活動を行っているが、3月14日、東京・青梅市において植樹活動を実施した。
当日は関係者約50名が参加し、花粉の少ないスギやヒノキに植え替える植樹を行った。
YRNではこれまで2013年度より、岩手県宮古市(1年目、2年目)、山梨県甲斐市(3年目)、宮城県大崎市(4年目)で、主に広葉樹の植樹活動を実施してきた。
今回は、東京都と(公財)東京都農林水産振興財団が進める「花粉の少ない森づくり運動」の一環として、花粉を多く発生する多摩地域のスギ・ヒノキ林を伐採し、花粉の少ないスギ等に植え替える花粉発生源対策として行われた。
YRNでは、新聞古紙を回収して新聞用紙に再生することが森林資源を守ることにつながるのみならず、森林再生事業を支援することがさらなる地球環境の維持、改善に役立つとして「読売の森」植樹活動に取り組んできており、今後も社会貢献事業としてこのような植樹事業を続けていきたいとしている。


板紙メーカーの堅調続く 2017暦年製紙メーカー別古紙消費量

(公財)古紙再生促進センターではさきごろ、2017暦年の製紙メーカー別の古紙消費実績をまとめた。
それによれば、2017暦年の製紙メーカー全体の古紙消費量は、前年比で8万6578トン増加の1711万8008トンとなったが、上位20社では12万4573トン増加の1462万5613トンとなっており、率にして0.4ポイントの上昇となった。
順位について見ると、2017年は2016年とほとんど順位が変わらず、上位20社では前年17位であった㈱エコペーパーJPと同16位であった中越パルプ工業㈱の順位が入れ替わったのみであった。
数量に関しては板紙の好調を反映し、段ボールの消費量の多いメーカーが前年比で古紙消費量プラスとなる状況が継続した。
また、主要3品目の品目別のメーカー消費量は、雑誌は対前年比0.3%減にとどまったが、新聞については同比3.4%のマイナスとなった。これに対し段ボールは同比2.7%のプラスとなっている。
我が国の古紙消費は2007年の1931万トンをピークに、リーマンショック後の2009年には1679万トン、東日本大震災の翌年の2012年には1677万トンにまで落ち込んだ。2014年に1709万トンと1700万トン台に乗った後、2015年には1698万トンと1700万トン台を割り込んだが、一昨年(1703万トン)、昨年(1712万トン)と再び1700万トン台に乗せている。
製紙メーカーの2017年古紙消費量
製紙メーカーの古紙消費ランキング2017年



振興方策提言でシンポジウム 細田氏、リバーHD、白井Gらが業界のビジョン示す

振興方策提言シンポ

振興方策提言シンポジウム


環境省は昨年発表した「産業廃棄物処理業の振興方策に関する提言」に関して普及啓発のためにシンポジウムを、7日、東京・大手町にて開催した。
この提言は産業廃棄物処理業の「家業からの脱却」を目指し、成長と底上げ、両面からの振興方策を提言したもので、細田衛士慶応義塾大学経済学部教授を座長とする検討会で平成28年度から議論されてきた。シンポジウムでは細田座長の基調講演「産業廃棄物処理業への期待」の後、先進事例としてリバーホールディングス株式会社の今井佳昭新事業開発室室長、白井グループ株式会社の白井徹代表取締役社長が自社の取組などを紹介した。
「循環型社会の実現に向けて―日本発!リサイクルメジャーを目指して―」と題されたリバーHDの発表では同グループの変遷と概要、成長戦略について紹介。目指すべき「リサイクルメジャー」の姿として、「あらゆる廃棄物を扱うとともに全国47都道府県あらゆる場所から排出される廃棄物を受入処理できる」ことや、「回収・中間処理だけではなく、川上・川下産業を統合して、顧客に付加価値の大きいサービスを提供し、静脈産業における、社会インフラとしての役割を担う」企業であることなどが示された。同グループではこの実現のため、自治体ごみ行政の参画提案、資格や技術・経験を有する企業との業務提携・M&A、新素材のリサイクル技術開発などに取り組み、ワンストップ体制の構築を目指す。また、「資源供給会社」の構築を目指し、資源調達パートナーとしての動脈産業に対しての地位向上などに取り組んでいくという。
白井グループの発表は「収集運搬業者が夢見る東京廃棄物マーケットの未来」。廃棄物発生量の減少傾向、人手不足、最終処分場の枯渇、中国ショックなど様々な要因による費用負担増、後継者問題などの現状を分析し、白井グループでは拡大ではなく収集運搬に特化した生き残り戦略を模索し、海外事業とAIやIoTを活用した収集運搬に活路を見出した。売上増に囚われない価値の創出と新たなビジネスを生み出すイノベーションが重要とまとめ、鍵は「全ての情報を電子化し超高速のインターネット網につなぎプラットフォーム化すること」にあるとした。
続いて登壇者によるパネルディスカッションも行われ、リバー今井氏からは「数年内にCO2排出削減量が、排出事業者が処理業者を選定する際の大きな決定要因になるのではないか」といった見解が示されるなど、示唆に富んだ議論となった。なお、このシンポジウムは東京のほか、福岡、金沢、名古屋、仙台の全国4会場で開催されている。


古紙センター関東地区委員会平成29年度集団回収感謝状贈呈式 初期分別が紙リサイクルの原点

集団回収感謝状贈呈式

集団回収感謝状贈呈式


(公財) 古紙再生促進センター関東地区委員会(田口満委員長)による「平成29年度集団回収感謝状贈呈式」が2月下旬、東京・千代田区のホテルグランドパレス芙蓉の間において行われた。
この贈呈式は、古紙センターが古紙の回収活動を継続的に実施している集団回収実施団体に対し感謝状を贈呈する、紙リサイクル普及事業の一環で、これまでに感謝状を贈呈された団体は1987年の開始以来700団体以上にのぼる。
贈呈式では冒頭、田口委員長が次のように挨拶し、集団回収実施団体に感謝状・記念品の贈呈が行われた。

[田口委員長の挨拶要旨]
「受賞者の皆様まことにおめでとうございます。皆様に集団回収で集めていただいた古紙は、 屋・メーカーの需給両業界でリサイクルして紙・板紙製品として消費者に還元するという紙のリサイクルの輪が出来上がっています。 当センターでは、31年前から表彰制度を始めていますが、3000万トン近い紙・板紙のうち80%が回収され、製紙原料の64%に古紙が利用され、 15~20%が中国、東南アジアに輸出されています。集団回収では、天気の問題、品質の管理、量の確保、役員の皆様の高齢化などの課題に対応をして、古紙を継続して集めていただいていますが、家庭で最初に分ける初期分別が、高品質である日本の古紙のリサイクルの原点であり、これからもその心と文化を継承していただきたいと思います。世界でナンバー1の古紙の回収・リサイクルをさらに促進していきたいと存じます。」
なお、 感謝状を贈呈された団体は次の通り。
▽栃木市立合戦場小学校PTA(栃木県栃木市)、▽川口市内障害者施設運営団体連絡会(埼玉県川口市)、▽小倉台小学校父母と教職員の会(千葉県印西市)、▽寺谷小学校区小域福祉ネットワーク(干葉県市原市)、▽平野一丁目団地自治会(東京都足立区)、▽渋谷氷川会(東京都渋谷区)、▽南親会(東京都立川市)、▽弥生ヶ丘自治会(東京都町田市)、▽都営富士見住宅自治会(東京都小平市)、▽青梅市藤橋自治会連合会(東京都青梅市)、▽滝山団地自治会(東京都東久留米市)、▽長竹自治会(環境美化部)(神奈川県相模原市)