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WEB資源新報BackNumber 2018年1月

品質向上に一層の努力を 関東商組が新年賀詞交歓会

関東製紙原料直納商工組合(大久保信隆理事長)ではこのほど東京都荒川区の「ホテルラングウッド」において新年賀詞交歓会を開催した。
新年会では、斎藤大介副理事長が司会進行役を務めた。藤川達郎副理事長が開会の辞を述べたのに続き、大久保信隆理事長が挨拶した。このあと来賓を代表して富田茂之衆議院議員(資源リサイクル推進議員連盟幹事長)、松原仁衆議院議員(資源リサイクル推進議員連盟事務局長)、湯本啓市経済産業省製造産業局素材産業課課長、田口満古紙再生促進センター関東地区委員長、 西川太一郎荒川区長はじめ各氏より祝辞が続いた。
懇親会では、栗原正雄全国製紙原料商工組合連合会理事長の発声で乾杯して懇談となった。 定刻には、梶野隆史副理事長の中締めが行われ、近藤勝副理事長が閉会の辞を述べた。

【大久保理事長の挨拶(要旨)】
組合員の皆様、明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、穏やかな輝かしい新年をお迎えになられ、謹んでお慶び申しあげます。昨年は組合の諸活動と各事業そして支部活動、ブロック活動にご理解とご協力して頂き、誠に有難うございます。まず本年の活動にも一層のご支援とご協力の程お願い申し上げます。
昨年を振り返ってみますと、総選挙が行われ野党の自滅から安倍政権が継続し、日本経済は基調によると景気は緩やかな回復基調が続いています。先行きについては、雇用・所得環境に問題があり、各種政策が行われています。中小企業にはまだまだ行き届きませんがこれから回復していくことが期待されております。そして今後なんとか景気が上向きデフレ脱却に向って行くことを願っております。
外を見ると昨年、米国トランプ大統領の来日がありましたが、中国と朝鮮半島の緊張と動向等・海外経済の不確実性、為替相場の変動や変化の影響で今年も一層複雑な一年になるのではないでしょうか。
その中で、 古紙業界はどうなるのか?古紙再生促進センターの互礼会で経産省・湯本素材課長は国連が2015年に採決した17項目 「持続可能な開発目標(SDGs)」 経済や社会の持続可能な発展には課題があり、今後は一層、社会の質を高めていくとおっしゃられていました。紙・板紙は現在すでに持続的に事業が行われ成熟期にありますが、我々は消費と生産のバランスをとって質を持続的に向上させる努力をしております。
その結果、昨年は関東32社の年間仕入、販売を見ると、新聞は入荷も販売も前年比93%、 雑誌も同比96%、段ボールの仕入、販売は102.5%で、在庫は新聞が前年比99.4%、雑誌が107.0%、段ボール104.4%、三品合計で4万2365トン、在庫率17.1%、前年比103.8%と一昨年とほぼ同じでした。
昨年7月、中国の環境政策の一環から、ナショナルソードの固形再生廃棄物24品目にミックス古紙が入っており、 昨年暮れより輸出がストップになり、雑誌古紙の需給バランスが崩れ出しました。その結果が問屋の昨年末の在庫状況ですが、まだ適正在庫の範囲内です。未だに中国の輸入状況ははっきりしませんが、早計な判断は危険です。中国では必要量だけの古紙はまだ集まらないと確信します。しかし中国はミックス古紙を輸入しません。 これをどう対処するか今年は検討し、改善して対処しなくてはなりません。
そのようななか、自治体はごみ減量を進め、雑紙の回収量を増やしていくと思います。再利用可能な雑紙を排出者に排出してもらう方法を、製紙メーカーとの間で一致させていかなくてはなりません。排出方法については多数の排出者にわかりやすくする必要があります。これを検討し、行政にも理解できる古紙品質基準をメーカーと共に改定し、より良い品質の古紙を作り製紙原料商として初期分別の大切さをPRしていきましょう。
今年も主力は国内の7.5で、海外需要は対2.5です。揺れ動くアジア市況ですが、我々は絶対に今までの古紙の品質をより一層高め、海外メーカーにもJブランドを認めてもらいましょう。また今年も自治体と協力の上、GPSを仕掛けていき、「持ち去り間題」の撲滅に継続的に取組み、我々は正業の正しい仕事として、次の時代に向かって規範のしっかりとした業界にしていくべきですので、本年も皆様の一段のご協力とご支援をお願いいたします。


非鉄業界 中国輸入規制の先にあるもの ―不法投棄、埋め殺しへ

循環型社会の構築を目指す関係省庁の政策が頓挫する懸念が強まっている。ここに来て具体化し始めてきた中国の雑品スクラップに対する輸入規制強化の下で、国内マーケットが売り先を失ってしまったからだが、現場にはこの雑品市場の先行きについて「再び低品位非鉄スクラップの不法投棄や事実上の埋め殺し問題が続出する」という状況を想起する向きが多くなってきている。
非鉄金属リサイクルの内、廃被覆銅電線の低品位物(歩留り30%以下や分別仕分けにより手の掛かる電子・弱電関連部品由来のもの)がこれまでは中国向けとして処理されていたが、これらが中国側の輸入規制の下で国内市場に還流してくる事態となった場合、国内市場でどう処理するかという問題だ。
そもそもの生産サイドである電線メーカーや、これらを使用して製品を販売している電気・弱電メーカーサイドも、低品位廃被覆銅電線の行方に密かに関心を強めているという段階にあるようで、これらを所管する中央省庁の担当課部局の関係者も頭を抱える事態を迎えそうだ。
現時点で現場のリサイクル業者サイドの「想像の域を出ない」話をまとめると、その答えの大半は「買わない、入ってくれば廃棄物として形の上では埋め殺しを余儀なくされるのではないか」(某専業事業者)というものになっており、これらの問題に対する対応策がそれぞれの業界団体、所管窓口に求められている。


安定供給担い変化に対応 軽金属同友会が賀詞交歓会

軽金属同友会賀詞交歓会

軽金属同友会賀詞交歓会


アルミニウム専業者の集まりである「軽金属同友会」(会長=川部久雄㈱川部商店社長・川崎)は19日、中央区銀座のサンミ高松7丁目店に会員、合金メーカー・商社の賛助会員他100余名が参加して、恒例の新年賀詞交歓会を開催した。
冒頭挨拶に立った川部会長は「昨年も自然災害が発生し、今尚不自由な生活を余儀無くされている方々にお見舞いを申し上げます。また同友会でも3名の方々とお別れを致しました。謹んでご冥福をお祈りいたします。同友会におきましては昨年創立50周年の記念事業に対する会員各位へ御礼を申し上げます。昨年は相場的にも明るい材料が多く、押し並べて仕事のし易い年でありました。しかし、我々業界を取り巻く環境は刻々と変化しており、なお予断を許さない状況が続いているのが実情です。昨年中国が発表したリサイクル原料に対する様々な輸入規制の問題。また国内的にはバーゼル法・廃掃法の改正問題等、今後の成り行きが注目されますが、少なからぬ影響が出てくるものと考えております。このような状況の下で昨年は分析器のデモを実施、今後もより良いリサイクル原料の安定供給を前提とした合金業界とのより良い関係を構築するための研修会やグローバル環境の情報収集に努めて変化に対応したいと考えております。より一層の会員・賛助会員各位に一段のご協力をお願います」(要旨)と挨拶した。


真のワンストップへ メジャーヴィーナス・ジャパンが東京エコファクトリー内に新施設

東京エコファクトリー開所式

東京エコファクトリー開所式


リバーHDと大栄環境が出資するメジャーヴィーナス・ジャパン株式会社(本社・東京都千代田区。以下、「MVJ」)は、同社のリサイクル工場「東京エコファクトリー」(江東区新木場)内に、建設廃棄物やアスベスト、廃蛍光灯などを受け入れる新施設を竣工させ、11日、開所式を開催。同日から営業を開始した。
新施設の敷地面積は、約1600平方メートル。受け入れた廃棄物は建屋内で展開し、手選別により、リサイクル可能な金属、紙ごみ、木くず、廃プラ、コンクリートガラなどを取り出し、東京エコファクトリー内や近隣のグループ会社、提携会社などで再資源化、リサイクル率20%を目指す。選別残渣はベーラーで圧縮梱包して、大栄環境などに運搬。更なる再資源化・処理を行う。
従来、東京エコファクトリーでは、金属などの有価物をメインに扱っており、廃棄物の受け入れは限定的なものだった。この施設の完成により、今後、建設廃棄物を中心に積極的な受け入れを行っていく。なお、新施設の処理能力は約2600トン/1日。当面は400トン/1日の処理を目指していく。
開所にあたり、MVJの鈴木孝雄会長は「かつて静脈産業はリサイクル業と廃棄物処理業に分かれていた。この工場のコンセプトはそれらを統合する『ワンストップサービス型』。ワンストップサービスは排出者にとっての利便性を高め、より高度なサービスを提供できるだけではなく、資源循環をスムーズにさせる。今後、静脈産業はこういったスタイルが主流になってくるだろう。我々はこの工場をその象徴と位置付けて、事業をスタートさせた。この地での試みが成功すれば、更に拡大して取り組んでいきたい」と、今後、全国への展開も視野に入れていることを明らかにした。


テーマは「ハーモニー」 ナカノ㈱がニューイヤーパーティー

ナカノニューイヤーパーティー

ナカノニューイヤーパーティー



ナカノ株式会社(本社・横浜市)は13日、ホテル横浜キャメロットジャパンにて、毎年恒例となるニューイヤーパーティーを開催した。
今年は「ハーモニー」をテーマに、同社社員によるバンド演奏で幕開け。冒頭、挨拶に立った中野博恭社長は「古着を中心とする海外事業に関しては、昨年も厳しい状況が続いた。底を打った感はあるものの、まだまだ厳しい状況は続くだろう。見通しは不透明だが、我々一同努力して、次のステップに向かっていきたい」と述べた。続いて乾杯の挨拶に立った中野聰恭会長は「このように多くの人をお迎えできているということは、うちの従業員が我々の見えないところで頑張っているのだな、と感心しているところ。とは言え、まだまだ至らないところもあると思うので、皆様のご尽力を賜ってまた1年、皆様とともに栄えていくことができたら」と述べた後、「おめでとうございます」の発声で乾杯となった。
パーティには、国内外10以上の営業所・拠点から多くの社員が参加したほか、取引先企業や業界関係者ら来賓も多数参席。各地から集まった社員による地元の名産品や各営業所独自の業務に関わる備品などを使った余興大会やビンゴゲームなどが催され、盛大な宴となった。
閉会の挨拶には窪田恭史事業企画室室長が登壇。「今回のテーマは『ハーモニー』。冒頭にバンド演奏があったが、我々は1人1人違う音色を持つ楽器だ。好き勝手に音を出してもそれは雑音である。しかし、それがひとつの調和を保ったとき、人の心を揺さぶることができる。当社は価値観として『エコソフィー』を掲げ、環境と経済を人間の知恵でもって繋げていこう、ということを合言葉にしている。その基礎となるのがこの『ハーモニー』だ」と述べ、同社独自の締めの音頭「ヨイヨイヨイショ」(創業事業である故繊維業の荷役の掛け声が由来)で散会となった。


品質の維持・向上を 古紙センターが新年互礼会

公益財団法人古紙再生促進センター(渡良司代表理事)ではこのほど、東京都千代田区の「ホテル・グランドパレス」において新年互礼会を開催した。
新年互礼会の開催に当たり渡代表理事が年頭の挨拶を述べた。次いで来賓を代表して湯本啓市経済産業省製造産業局素材産業課長が祝辞を述べ、来賓の大坪清日本製紙連合会副会長(レンゴー株式会社会長兼社長)、羽山正孝日本製紙連合会理事長の紹介が行われた。このあと大久保信隆副理事長の発声で乾杯して懇談となった。定刻には、長谷川一郎副理事長が中締めを行った。

【渡代表理事の挨拶要旨】
「我々の業界を取り巻く経済環境は国内外を問わず厳しい状況が続いているが、平成29年の我が国の古紙回収率は80%、利用率は64%を超え、高いレベルを維持している。古紙利用率の新目標である65%を達成するためには、利用率向上に向けた古紙品質の維持・向上が重要となる。板紙分野での古紙利用が限界に近い中、紙分野で使用できる良質古紙の回収増、雑誌系古紙の雑がみ化、禁忌品の混入防止などへの対応が肝要となる。欧米では、紙・板紙の消費構造の変化、段ボール古紙の発生が事業所から家庭にシフト、シングルストリームの回収が主流の中、家庭から回収される段ボール古紙のごみ化、ミックス古紙化による回収量の減少が懸念されている。中国の古紙輸入規制の強化については、 我が国における古紙の品質改善を行うことが急務であり、さらなる高品質化に向けたチャンスと捉えることが重要と考える。こうした規制強化は、中国の製紙メーカーのみならず、世界的な古紙需給への影響も甚大と考えられ、正確な情報の収集に努めたい。我が国の紙リサイクルの健全なる発展を図るため、行政、製紙業界、古紙回収、流通業界、学術団体等、様々なレベルで多様な交流を推進、相互理解を深め、古紙市場、経済動向についても知見を深め、今後とも安定した紙リサイクルを目指したい。」


東京非鉄新年懇親会 変わる業界環境に対応

東京非鉄新年懇親会

東京非鉄新年懇親会


東京非鉄金属商工協同組合(理事長=小林秀之秀邦金属社長)は12日午後6時から、 文京区後楽の「後楽園飯店」に組合員70余名が出席して平成30年の新年懇親会を開催した。
冒頭、 挨拶に立った小林理事長は「昨年は様々な意味で変動の年となり、この影響はこれから様々な影響を及ぼすことなる。第1は国内市場における変化で黄銅棒メーカーにおける黄銅ダライ粉に対する需要家の購入枠制限強化の動き。第2は中国が発表したほぼ全ての再生資源に対する輸入規制強化の方針が打ち出されたこと。第3は先の問題にも少なからず関係するバーゼル法・廃掃法改正の動きだ。我が業界に直接関係するこれらの問題がどのような形で非鉄業界に波及してくるのか、立ち位置が難しい状況の中での対応を迫られることになりそうだ。個々の具体策についてはそれぞれ今後の決定事項を精査する必要があり、情報の広報に積極的に取り組んで行く。また5月には組合の改選絡みの総会、6月には東京幹事の全連60周年事業と目白押しの行事が控えておりますので組合員各位のご協力をお願いします」(要旨)と語った。


バーゼル法 省令整備へ方針まとまる 規制対象は給湯器含む36品目に

中環審と産構審は9日、バーゼル法に関する合同会合を開催。先の改正で省令において規定されるとされていた特定有害廃棄物等の定義や再生利用等事業者等の認定制度について、昨年11月の検討会において取りまとめられた案を審議した。
検討会取りまとめからの大きな変更点はなく、概ね了承され、特定有害廃棄物等の定義については、改正廃棄物処理法における「有害使用済機器」と同範囲の家電4品目、小電28品目に加え、それらと同種の業務用機器、の給湯器、配電盤など、計36品目が指定される見通し。給湯器に関しては、旧式熱交換器の表面に鉛メッキが使用されていることや、電線被覆から、バーゼル法基準値(0.1%)を超える鉛を検出していることが理由。配電盤に関しては、各種の遮断器類、保護継電器、計器等が設けられていることや、電線被覆、コネクタ等が使用されていることが理由とされている。
輸出者の資力保証に関しては、輸出承認に際し、「申請者が特定有害廃棄物等の再輸入又は代替措置を確実に実施する経理的能力を有していること」が基準として設けられた。具体的には、資金調達方法・貸借対照表・損益計算書や、(シップバックが発生した場合の運搬単価+処分単価+保管単価)×輸出特定有害廃棄物等の量×安全係数(=1.2)の計算式で算出される見積りの提出が求められている。また、輸入国又は条約の締約国である通過国が特定有害廃棄物等の輸入又は運搬について保険、供託金若しくはその他の保険を義務づけている場合には、当該措置を講じたことを証明する書類の提出が求められる。
そのほか、環境汚染リスクが低い廃電子基板等の輸入手続の簡素化に関連して、輸入事業者及び再生利用等事業者の具体的な認定基準が規定されている。また、試験分析目的での輸出入の円滑化に関連して、輸出入承認基準などが規定された。
これら取りまとめは、今後、経産・環境両省内で省令案として整理。2月~3月頃にパブリックコメントが行われ、今春にも公布される予定。順次、各種規定・ガイドライン等も整備されていく見通しとなっている。なお、バーゼル法は今年10月1日から施行される。


退蔵減り対策急務 小型家電リサイクル会合で厳しい意見相次ぐ

経済産業省と環境省は12月22日、小型家電リサイクルに関して、都内で合同会合を開催した。
小型家電リサイクルに関して国は、平成27年度までに年間回収量14万トンの目標を設定していたが達成できず、昨年4月には目標年度を平成30年度に先延ばしとなっていた。また、昨年11月には総務省から経産・環境の両省に対し、目標達成に向け、優良事例の情報提供や、運搬費低減のための取組などを行うよう勧告がなされるなど、課題は山積する。
今会合では直近までの小型家電リサイクル制度の施行状況を振り返るとともに、今後の制度推進に向けた取組について議論が行われた。
経産省の調査報告によると、平成29年7月現在、小型家電の回収・処理の取組を実施しているのは1315市町村(75.5%)で、前回調査(70%)よりも5.5ポイント増加した。北海道(88.8%)、関東(88.7%)、中部(81.4%)で高く、いずれも80%超え。他方、四国(53.7%)、九州(56.3%)は60%を下回るが、四国は前回調査の46.3%から7.4ポイント増加している。
実施市町村のうち、回収方法については、「ボックス回収(58.8%)」が最も多く、次いで「ピックアップ回収(44.7%)」、「清掃工場等への持ち込み(28.4%)」となった。回収品目について、最も多いのは「制度対象品目全て(47.1%)」。以下、「特定対象品目全て(24.6%)」、「特定対象品目のうち、特に高品位の品目のみ(14.8%)」となっている。
人口規模別に1人あたり回収量を見ると、人口3~5万人の市町村が716gと最も多い。一方、1人あたり回収量は人口規模が大きくなるほど、減少する傾向が見られ、人口100万人以上の市町村では31g/人と最も少なかった。大都市からの回収をいかに増進していくかが、大きな課題となっている。
委員からは「自治体ピックアップ回収に関して、1kg以上を回収している市町村が激減していることからもわかるように、家庭での退蔵が無くなりつつあり、回収量は今後もっと減っていく。対策を考えていかなければならない」、「促進法として成立したが、一部品目に関しては義務化を考えていかなければならないのでは」といった厳しい意見が相次いでいる。また、(一財)家電製品協会の星野委員からは、小売店による小型家電の回収については、特定商取引法の販売訪問の規制から除外するよう、意見要望が行われた。現状、同法で販売訪問が規制されているため、事前に申込のあった品目しか回収することが許されず、訪問先で追加の要望があった場合、断らざるを得ないという。

細田委員長による総括(要旨)
一般廃棄物の排出量のうちに占める小型家電の割合は決して少なくない。最終処分場の残余年数が頭打ちになっているなか、小電リサイクルがなかなか進まない状況は好ましくない。また、今、貴金属や銅などの資源価格が反転し上昇している。こういった価値のある物を捨ててしまっていいのか、という問題もある。この2つの観点から小電の扱いを考えていく必要がある。
もう少し精密に「なぜ集まらないのか」という問題について、調査・解析していかなければならない。なぜ、認定事業者に物が回らないで、リユースや適正処理が他の事業者に回っているのか。そのあたりを解析していかなければならない。コストの問題もあるだろうし、市町村としても個別に理由があるはずだ。そこをしっかり見なければ前には進めない。回収し、精錬所に持って行くまでのフローのなかで、どこにどのようなインセンティブがあればしっかり回っていくのか、探っていく必要がある。
また、東京五輪のメダルプロジェクトについては、残念ながら回収した小電から作った金・銀・銅を組織委員会に無償で提供することになっている。廃掃法の規制を緩めるかわりに小電でビジネスをしてくださいという小電R法の精神が無視されてしまった。根性論では集まりようがなく、インセンティブという問題を無視すると将来に繋がっていかない。