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WEB資源新報BackNumber 2012年6月

日本鉄リサイクル工業会 新会長に影島一吉氏 海外会員の入会認める

鉄リ工第37回通常総会

鉄リ工 第37回通常総会


一般社団法人日本鉄リサイクル工業会の第37回通常総会、第24回全国大会が6月8日、京都市内「ホテルグランヴィア京都」で開催された。会員、関係者ら550名あまりが参加し、盛会となった。
役員改選が行われ、中辻恒文会長(中辻産業社長)が退任し、影島一吉氏(影島興産社長)が新会長に選任された。西川明副会長(西川商工社長)の退任に伴い、鈴木徹関東支部長(鈴徳社長)が第一副会長に、金村成健関西支部長(京阪メタル社長)が第二副会長に、それぞれ支部長兼任のまま就任した。平成24年度の理事改選も行われ、金村成健氏、鈴木徹氏、重松憲治氏(産業新聞社専務)、半田茂(日本自動車研究所専務)の各氏が新たに理事職に就任した。
また、今次総会では海外会員の入会を認め、関連する定款、規則の改正を行った。タイの日高洋行(日高泰雄社長)が海外法人入会の第一号となった。中辻前会長はあいさつの中で、6年間の会長職を振り返り、「リーマンショック、東日本大震災など大きな試練に直面したが、会員諸兄の明るい力強い業界運営によって困難を乗り越えることができた。個人的な感想を言えば実に楽しい6年間だったと思っている」と語った。

新任の影島一吉会長は「よい社員、よい会社、よい品質が私のモットーだったが、加えてよい業界の実現を目指したい。自信と元気をもって鉄リサイクル業にまい進していこう。会員諸兄の積極的な業界運営への参加を期待する」と会長就任にあたっての意気込みを示した。
全国大会では業界功労賞の表彰が行われ、全国各支部から推薦された30名が受賞。山田啓二京都府知事の来賓あいさつがあり、㈱独立総合研究所社長・青山繁晴氏の「祖国は甦る―原子力災害、大震災、世界危機からこそ」と題する記念講演が行われた。


容器包装リサイクル 86億4000万円を拠出 PET、紙製容器包装の有償入札収入

日本容器包装リサイクル協会ではこのほど、23年度分のPETボトル、紙製容器包装の有償入札収入の総額約86億4000万円を市町村に拠出した。PETボトル、紙製容器包装の再商品化では、有償入札(再商品化事業者が協会に料金を支払う)による収入を市町村へ拠出している。資金の性格を踏まえ、入札で有償となった特定分別基準適合物を当協会に引渡した各市町村・一部事務組合に対し、落札価格に応じて拠出することが適切との所管省庁の見解に沿ったもの。
なお、今回の拠出は昨年4月から今年2月までの収入発生分、拠出額:約79億8000万円(PETボトル約78億3600万円、紙製容器包装約1億4100万円)と、今年3月収入発生分の約6億6000万円(PETボトル約6億5000万円、紙製容器包装約1300万円)。
個別市町村(一部事務組合含む)への拠出は、素材(PETボトル、紙製容器包装、ガラスびん各色)ごとに、年度初契約委託単価が有償である市町村を対象に、各支払時の拠出対象金額の発生期間ごとに、一定の計算式に基づき算出された金額を拠出(支払)する仕組み。拠出額は年度初の契約委託費用全国計に占める個別市町村分の割合を拠出総額に乗じた金額(振り込み手数料を除く)となっている。なお、今年度分以降についても、上記に準じた処理が行われる。


古紙 都内26自治体で条例 持ち去り防止への取り組み進む

古紙の持ち去り問題では、東京都リサイクル事業協会(上田雄健会長)の呼び掛けにより、関係団体と行政の話し合いが実現、都が設置した対策協議会での議論を経て行政・製紙メーカー・リサイクル業界および警察等による「実効性のある具体的な対策」が取りまとめられている。これによって初めて、持ち去りの根絶に向けた新たな社会的枠組みがつくられたことになる。その後、新たに条例を施行するなど積極的な対応に乗り出す自治体や、取引先の問屋に対して持ち去り由来古紙を扱わない旨の宣誓書提出を求める製紙メーカーの動きが見られるなど、官・民それぞれに対策が大きく進展しており、そうした点からも着実な成果につながった。
一方、これまでは個々団体内での取組みや一部団体間での情報交換、連携策の協議という段階に留まっていた業界の取組みについても、昨年6月には古紙リサイクル関連7団体による意見交換会が立ち上がっており、従来の個々の取組みの連携や発展・拡大を模索する動きにつながるなど、大きな進展が見られる。こうした流れのなかで、東リ協会ではこのほど、昨年6月の対策業議会とりまとめ公表後の関係各主体の取組状況をまとめている。
それによると、23年度中に立川・武蔵野・町田の3市が新たに持ち去り行為の禁止条項と違反者に対する罰則等を盛り込んだ新条例を施行している。また、従来から区条例で対応してきた世田谷、杉並では新たに発生した持ち去り行為に禁止命令や告発、行為者の使命公表等の措置を講じている。さらに、多摩地区の自治体では持ち去り行為者を追跡して受入れ問屋を特定、関係団体を通じて当該の問屋に対して是正要望を行っている。
現在、都が推奨する禁止条例を策定している自治体は都内全53区市町村中約半数の26自治体で、うち18自治体が罰金・過料等の罰則規定を設けている。業界内での取り組みでは、各団体加盟業者への宣誓書提出要請や各種啓発活動による持ち去りの防止と持ち去り由来古紙の流通排除が進められているが、加えてアウトサイダー問屋業者を経由して輸出市場に流通する古紙に対しても、輸出検査業務の段階での対策(宣誓書提出要請)等の具体化に向けた協議が進んでいる。


厚生労働省 安全性の確認求め 再生プラスチック材の使用でガイドライン

厚生労働省医薬食品局安全部はこのほど、「食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用に関する指針(ガイドライン)」を作成、全国都道府県と政令指市、特別区区に通知した。PETボトルやPSPトレイなどのリサイクルが進むなかで、再生プラ材を食品用器具・容器包装に利用する際の食品衛生上の安全性の確保が不可欠となるため、新たにガイドラインを作成し、食器・容器等の製造・輸入業者に同ガイドラインに基づく所要の手続きを求めることとしたもの。原料として使用する使用済みプラに混入する化学汚染物質が最終製品に残存、食品中に移行して健康被害を引き起こすこと等のないよう、そうした製品の市場への流通を防止するための措置となる。
食品用器具や容器包装の製造・輸入業者等が製品に再生プラ材を使用する際は、製品ごとに①原料の管理、②原料の情報、③生じうる汚染物質が除去されることの証明と製造品質管理に関する情報、④食品衛生法への適合、⑤最終製品に関する情報、⑥海外での使用状況──等を記載した書類を担当部局あて提出することが求められる。このうち、原材料の管理では、原料(特に使用済みプラ製品)の保管方法や汚染品、他材質との選別の状況、再生工程(汚染除去工程)、成型加工工程等の状況や、使用済みプラ製品の材質、由来、使用量、使用割合等についての詳細な記載を求めている。
また、最終製品に関する情報では、最終製品の仕様、用途(使用温度、使用食品の種類、食品と接触する時間(保存期間等)および使用回数(繰り返し使用、単回使用等)の情報、食品メーカーや消費者への注意喚起事項とその方法──等の提示を求めている。


エディオン 小型家電リサイクルを開始 木村メタル産業など3社共同で

家電流通大手の株式会社エディオンではこのほど、木村メタル産業株式会社および三井物産株式会社との共同出資により、パソコン・携帯電話等の情報通信機器のリユース事業および使用済み小型家電製品における希少金属(レアメタル)等の有用金属を回収・販売するリサイクル事業を行うために設立した株式会社イー・アール・ジャパン(本社・広島県福山市、松山保夫社長、資本金1億円)が今月1日より事業を開始したと発表した。
これにより、同社ではこれまで愛知県春日井市にあるエディオン春日井センター内にてパソコンや携帯電話のリユース業務を行ってきたが、今後、同業務をイー・アール・ジャパンに移管し、「イー・アール・ジャパン福山リユースセンター」にてリユース事業を行っていく。また、リサイクル事業については、平成25年度を目途に中間処理施設を稼働する予定となっている。
エディオンは平成24年3月期の連結売上高で7590億2500万円、従業員数はグループで1万6261名、店舗数はフランチャイズ店も合わせると1176店舗にのぼっており、同社では今回の事業開始で循環型社会構築に向け、本格的な環境ビジネスに取り組んでいく方針。なお、イー・アール・ジャパンの出資比率は。エディオン55%、木村メタル産業30%、三井物産15%となっている。


古紙 中部圏で「持ち去り」急増 震災後の発生減で昨年夏から

東京と首都圏周辺で問題となっている古紙を中心とした資源物の持ち去りが昨年来、中部圏で急増している。中部圏では近年、従来の古紙集荷システムに加え、振興の事業者による無人ステーン回収システムなど新たな集荷スタイルが広範囲に拡大しつつある。景気情勢の悪化により発生自体が長期的に減少傾向にある中で、集荷のツールが多様化し、従来ルートからの発生が減ってくるのと同時期頃から、それまで見られなかった「持ち去り」の発生が顕著に見られるようになってきた。
愛知県名古屋市では地域業者組合による独自の取組として、市内全域を学区割を基準としたエリアに区分し、買取料金も含む統一的な回収ルールを設定して資源全般の拠点回収を行っている。戸別回収との併用により、市内のほぼ全域をカバーする機能いきな集荷体制が構築されている。その名古屋市でも、震災後の昨年夏頃から古紙を中心とした「資源の持ち去り」が激増しているという。
既存の集荷ルートに関わる事業者は概ね組合事業に参画していることもあり、持ち去りを行う不正業者は他地区からの流入によるものと見られているが、行為者や持ち去り由来の古紙のその後の流通ルート等についても現状での特定は困難な状況にある。こうしたことを受けて名古屋市は昨年11月、持ち去り行為の取り決まりを強化する目的で、罰則規定を盛り込んだ禁止条例を制定しているが、その後も事態に目立った改善は見られない。また、名古屋市以外でも愛知県内で資源物の盗難事件が報告されているが、郊外などで業者が少なく業界として組織化されていない地域では、対策も個々の業者レベルにとどまっており、対応に苦慮している現状が伺える。


横浜市資源R事業協同組合 第20期通常総会 髙田理事長「資源循環都市構築へ」

髙田理事長

髙田理事長


横浜市資源リサイクル事業協同組合ではこのほど、第20期の通常総会を開催し、平成23年度事業報告ならびに平成24年度事業計画案などが承認された。
総会後の懇親会で挨拶に立った髙田哲二理事長は「我々の組合が目標としているのは、業界だけでなく、市民、行政の協働の下で、資源循環都市いわゆるリサイクルデザインタウンを構築するということです。リサイクルデザインタウンは我々だけではなく、市民と行政の三位一体とならなければ実現することは出来ないでしょう。また、国内の景気はなかなかデフレを脱却できないなど厳しい状況が続いております。しかしながら我々リサイクルに携わる者は景気の良し悪しに関係なく、手を休めることは出来ません。我々組合はこれまでも様々な社会貢献活動などを通じ、リサイクルデザインタウンの構築に取り組んできましたが、我々の力だけでは限界もあります。今日お集まりの皆様にも、お知恵とお力を我々の組合にお貸しいただければ大変ありがたく思います」と述べた。
また、挨拶に立った横浜市資源循環局家庭系対策担当部長・大川敏彰氏は、組合のリサイクル事業や環境問題に関する啓発活動に対する謝意が示されたほか、横浜がG30プランに続き進めている横浜スリムプランに基づくゴミ資源量削減と、全面集団回収への移行、持ち去り対策の強化について組合に協力を求めた。
同組合では、CSR戦略ビジョンに基づき、これまで様々な活動を実施しており、毎年夏休みに市内の小学生に参加してもらう「環境絵日記」は昨年1万8690作品と一昨年比で4000件も増加するなど、大きな成果を挙げている。こうした活動は高く評価され、横浜型地域貢献企業の最上位認定を受けているが、このほかにも、古紙のバイオエタノール化調査研究などの先進的な事業にも取り組んでおり、引き続き、同組合の更なる活躍が期待されるところだ。


全国製紙原料商工組合連合会 量から質へのシフトを 松山で第35回通常総会を開催

全原連第35回総会

全原連 第35回通常総会


全国製紙原料商工組合連合会(栗原正雄理事長)では今月24日、愛媛県松山市の松山全日空ホテルにて、第35回の通常総会を開催し、平成23年度の事業報告や、平成24年度の事業計画、役員改選などの各議案が承認された。以下は総会の冒頭で挨拶に立った栗原理事長の挨拶。
「昨年は、3月11日に発生した東日本大震災、大型台風による被害、欧州の債務危機とそれに伴う円高など、日本にとっては戦後最大の危機とも言える状況に陥り、我々の業界でも、震災で東北の組合員も多くが被災した。また、古紙の動きについても、年度はじめは市況がタイトであったものの、ギリシア危機以降、国際マーケットが弱含み、価格は下落。国内段ボール価格も反動で値下がりを見せている。年末の製紙メーカー在庫は84万トンであったが、1月末に87万トンに増加、5月末には90万トン近い在庫になると見られ、国内の上限在庫が100万トンとされるなかで、極めて高い在庫水準となっている。我々の業界でも在庫も増加傾向にあり、過当競争による経営悪化が続いている。こうしたことから、車間距離の確保、適正価格の維持を図ること、量から質を競う方向にシフトする必要がある。この課題については、皆様と力を合わせてやっていきたい」。
「全原連では、政令市含む多くの自治体が参加している経済産業省の紙リサイクル委員会にも協力を行っているが、ゴミ減量や古紙の余剰化対策などには、地方自治体の協力が不可欠である。また、自治体側からも古紙の抜き取りに関する問題も指摘され、連合会では、4月の理事会で対応を明言化し、解決に向けてメーカーや回収業者と協力して進めていきたい。古紙近代化事業も進展しており、先に行われたリサイクルアドバイザー認定試験も1800名ほどが受け、95%が合格するなど、品質向上に大きな効果が表れている。日本の古紙の競争力を高めるためのJ―BRANDも、夏以降に関東を中心に運用されることにもなり、海外ユーザーに日本の古紙の良さを証明できるものと考えている。全原連では引き続き、業界の発展と社会的地位向上のため努力を続けていくので、皆様のご指導ご鞭撻をお願いいたします」。
なお、総会後に開催された懇親会では、来賓として訪れた愛媛県知事や松山市長から業界のゴミ減量とリサイクルの取り組みについて謝意が述べられたほか、経済産業省の船橋氏より、リサイクル法の見直しによる古紙利用率の向上には、家庭系古紙への対応が重要であり、雑がみの分別回収促進などについて、業界への協力が求められた。

持ち去り問題 全原連が決議案採択 より具体的な防止策構築を
現在、古紙の抜き取りについては、全国規模の自治体で大きな問題となっており、経済産業省や環境省、警察庁などでこの問題に対する協議が行われているほか、各自治体でも独自の罰則条例を策定、取り締まりを強化する動きが拡大しつつある。こうした抜き取りに関する問題意識の拡大のなかで、抜き取り古紙の流通防止を図るため、国内だけでなく、海外に輸出される古紙に対しても、業界ならびに自治体関係者が、一定の規制をかけるような働きかけも散見されるのが実情だ。
この抜き取りに関しては、自治体などから、抜き取り古紙を買う問屋の存在が常に問題視されており、問題の拡大と業界への風当たりが強くなっている。こうしたことから、今回の全国製紙原料商工組合連合会の総会で、古紙の持ち去り行為撲滅決議案が採択されたことは、業界の社会的信用の回復への第一歩と言える。ただ、連合会会員以外への対応や、具体的な防止策など、そう単純に解決できる問題ではないことも事実だ。しかしながら、これ以上問題を放置させれば、業界の社会的評価と信用は更に喪失させることにもなりかねない。今回の決議案を胸に、古紙業界にはより具体的な抜き取り防止対策の構築を1つ1つ着実に進めていくことが望まれる。


災害廃棄物 推計量の見直し実施 県外処理量は大幅な減少に

東日本大震災による災害廃棄物は震災発生直後、倒壊した家屋等の災害廃棄物量から推計され、23年4月時点の沿岸市町村発生量は岩手県約600万トン、宮城県約1600万トンとされた。その後、発生量が比較的少なく仮置場への搬入が概ね終了した市町村で搬入済量から推計値の見直しが行われ、今年5月7日時点では岩手県約480万トン、宮城県約1570万トンとされていた。
平成26年3月末までとされる目標期間内での処理を確実なものとするためには正確な発生量の把握が重要なことから、環境省が岩手・宮城両県に要請、廃棄物推計量の見直しが行われた。その結果、岩手県の災害廃棄物発生量は当初推計量435万3000万トンから525万トンに、宮城県は当初の1107万トンから676万トンへとそれぞれ見直されている。
岩手県では仮置場搬入済量による推計値見直しで既に実態に近い数字となっていることもあり、今回の見直しでは不燃混合物中に含まれる津波堆積物を新たに計上したことや、海から引き揚げられた災害廃棄物量の計上、不確定だった大型建築物等の計上等で全体量としては増加したものと見られている。また、宮城県については、石巻市をはじめ災害廃棄物の発生量が極めて多く仮置場搬入済量に基づく推計値見直しが遅れていることもあり、当初推計された家屋等の相当数が津波で海に流出したとや解体せず補修する家屋が相当数あったこと、県への処理委託予定分の一部が市町の独自処理で処理されたこと等から全体としては減少となったもの。
今回の推計量の見直しにより仮置場への搬入率は岩手県で78%、宮城県で81%となり、処分率は岩手県11・3%、宮城県18・4%となった。福島を含む3県全体の処理進捗率は15・5%となる。岩手・宮城両県では県外自治体への広域処理の協力を求めているが、これまで401万トンとしていた県外処理量についても今回の見直しで247万トンに減少している。ただし、現時点で受け入れを表明している自治体の受入れ予定量は合計で141万2000トンにとどまり、両県の希望数量には届いていない。


びん 日本酒16年ぶり前年増に 「震災特需」後を懸念する声も

昨年一年間の国内の酒類生産統計によると日本酒系では清酒、本格焼酎ともに前年度から微増となり、対前年比では実に16年ぶりの増加となっている。近年の若年層を中心としたアルコール離れ、特に日本酒の需要減少が顕著となっているなかで、漸くにして減少傾向に歯止めがかかったとも見ることができる。
ただし、こうした現象について、さきの東日本大震災の発生と関連付けて分析する見方もあり、ことに被災地が灘・伏見と並ぶ酒どころの地域であることも踏まえれば、震災復興支援で東北産の製品需要が高まったことも大きな要因と見られている。実際に、東北の清酒・焼酎用びんの流通動向を見ても、震災被害でびん商や地蔵メーカーに保管されていたびんが多く割れたことを勘案しても東北全体での空びん流通には震災発生以降、特需が起こっており、昨年後半には東北全体で一・八リットルびん、特にグリーンびんの手当てに追われる状況が見られた。 こうしたことから、昨年単年だけで日本酒需要の下げ止まりと判断できるものではないとする見方もあり、いずれにしろ今年一年の市場動向が注目されているところ。
また、東北のなかでも沿岸部や原発に近いところでは甚大な被害、もしくは長期にわたり非難を余儀なくされている地域もあり、全体の生産体制は震災以前の規模からは確実に縮小していることから、「復興特需」が終わった後を危惧する見方も根強い。


再生可能エネルギー 新制度導入に論点整理 価格と期間、設備認定基準など

昨年8月26日に成立した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が7月1日から施行されるが、それに向けて経済産業省はこのほど、新たな制度の導入に必要な主要論点をまとめ公表した。主要論点となるのは①調達価格と調達期間、発電設備の区分に関する事項、②買取対象となる設備の認定に関する事項、③買取契約の締結拒否・接続拒否等に関する事項、④電気使用者が負担する賦課金の減免に関する事項、⑤賦課金納付や買取費用の交付に関する事項、⑥その他既存設備等に関する事項──等。


このうち、調達価格と期間については算定委員会の意見を踏まえて経産大臣が定めることと規定され、過日、大臣に提出された調達価格等算定委員会意見に基づき価格と期間、併せて発電設備区分について定められことになる。なお、「調達価格等算定委員会」では太陽光発電でキロワットあたり42円、大規模風力発電で同23円10銭、などとする原案をまとめている。住宅用太陽光発電は現在の「余剰買い取り制度」を維持するため、買取期間も現状10年を踏襲する等の案が示された。
また、買取対象となる設備の認定に関しては、電気事業者(電力会社等)に買取契約を申し込むには事前の大臣による設備認定を受けることが必要と規定されており、買取期間中の安定的・効率的な発電が可能かどうかを判断するための認定基準が定められることになる。さらに、法律では電気事業者が再生可能エネ電気の調達に支払った費用を電気の全使用者に請求することができると規定されているが、一方で、電力使用量が著しく大きい事業者で国の認定を受けたものや震災被災者は一定要件を満たした場合、賦課金の減免が受けられるとされ、その具体的な要件についても別途、検討されることになる。



実用化までに段階別に評価 バイオマス利用ロードマップを策定

農水、環境、経産、国交等関連府省が合同で設置する「バイオマス事業化戦略検討チーム」ではこのほど、バイオマス利活用技術に関する現状や今後の実用化見通しなどをまとめた「バイオマス利用技術の現状とロードマップ」を策定した。

バイオマスには動植物由来の有機性資源のうち化石資源を除いた家畜排せつ物や下水汚泥、生ごみ等廃棄物系、稲わら等の農作物非食用部や間伐材等の未利用系、資源作物、藻類といった多種多様なものがある。これらのバイオマスを熱、ガス、燃料、化学品等に変換するための技術としては、直接燃焼などの単純なものから糖化・発酵、ガス化・再合成などの高度なものまで様々あり、技術到達レベルについても基礎研究段階のものから実証段階にあるもの、既に実用化されているものなど様々ある。
検討チームが策定したロードマップは利用技術の到達レベルや技術的課題、実用化見通しについて関係省庁・研究機関・企業による横断的な評価をまとめたものとなる。技術到達レベルについては現状(2012年)での評価とともに概ね5年後(2017年頃)、10年後(2022年頃)、20年後(2032年)の各時点を想定して研究、実証、実用化の3段階で評価している。今後、関係省庁・研究機関・企業でこのロードマップをもとに研究・実証を進め、実用化技術については事業化に活用するなど、限られた人的・資金的資源を効率的に活用していくことが期待されている。なお、ロードマップは技術開発の進展状況等を勘案した概ね2年ごとに改訂される。


なお、バイオマス利活用については現在、直接燃焼(専焼、混焼)による活用のほか固体燃料化(炭化等)、ガス化(発電・熱利用)、液体燃料製造──等の技術が実用段階にある。