日刊資源新報購読お申し込みはこちら

再生資源・リサイクル業界の専門紙

日刊資源新報

WEB資源新報BackNumber 2011年4月

放射線問題 古紙業界でも対応へ 関東製紙原料直納商工組合が検査講習会を開催

関東商組の講習会

関東商組の放射線問題に関する講習会


東日本大震災とそれに伴う福島第一原発からの放射性物質の漏出といった重大事故発生以降、放射能汚染を恐れ、海外への再生資源物流の停滞が指摘されるところとなっている。特に、放射能問題に過敏に反応しているとされる中国向けでは、地域等によってバラつきは見られるものの、0・25μSV/h+バックグラウンドという数値に基づいた現地での放射線検査強化を図っており、日本国内の再資源化マーケットにも大きな影響を及ぼすこととなっている。
特に輸出について中国向けの依存度の高い古紙業界では、これまで放射能汚染への警戒が少なかったことから、原発問題発生以降、一部商社が東日本からの出荷を見合わせや、古紙を積んだコンテナ船がシップバックされ、日本で再検査しようやく入港されるといった事態も発生。関東地区の有力古紙問屋で構成される関東製紙原料直納商工組合(大久保信隆理事長、以下、関東商組)でも、中国国内での混乱を背景に輸出の繰り延べを表明するに至った。
しかし、ここにきて古紙業界でもこの放射線問題への対応に乗り出す動きが活発化している。関東商組では放射線問題に対応すべく講師に資源新報社の大橋記者を招き、会員各社を集めた講習会を開催した。関東商組では、放射線問題による輸出繰り延べについて、かねてよりしっかりとした体制を整備した後に輸出を再開する方針を示しており、今回の講習会はそれに向けてのものとなる。
講習会の冒頭、大久保理事長は「原発問題は極めて重大なことで、今後、放射性物質の飛散等、どのようになっていくか注視している。古紙輸出は80%が中国向けを占めており、また、昨年の中国向け輸出ライセンスの更新時にも放射線の検査が求められることとなっている。今般、世界でもこの放射線問題が大きく取り扱われ、少々過剰反応を起こしていると見られることから、4月の輸出共販事業を繰り延べることとなったが、我々の事業を進める上では冷静な判断が必要だ。中国向けの古紙が止まれば、業界は荷余りに苦しむことになるが、我々はプロ集団であるという自覚と誇りを持って、しっかり荷物の検査を行い、中国企業に日本の良質な古紙を供給するため、この放射線問題を良く理解し、乗り越えていきたい」と挨拶した。
なお、講習会では、放射能によって再資源化業界にどのような問題が起き、各業界でどのような対応や動きが起こっているのか等についての講演が行われたほか、古紙輸出の検査時における放射線測定の実施方法について討議が行われた。


故繊維 現場の混乱懸念で業界から意見 「廃衣類」の広域処理対象追加に

環境省はさきに、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物の広域的処理特例制度の対象として「廃乳母車」「廃乳幼児用ベッド」「廃幼児用補助装置」「廃衣類等」を追加する案を公表、パブリックコメントを行った。「広域認定制度」は、製造事業者等が自社製品の再生や処理の工程に関与することで再生・処理しやすい製品設計につなげることをめざした制度。対象品目の見直し、追加が数次にわたり行われている。
今回、追加が検討された「廃衣類等」いわゆる故繊維については、近年の原料価格の低下で再生原料市場が疲弊していることや低価格製品の増加で衣類の大量生産~大量廃棄という流れが進んでいること、製品素材に大きな割合を占める合成繊維の再生利用の取組が発展途上にあることなどから対象品目への追加が検討されたもの。加えて、製造事業者等を中心に効率的な再生利用スキームが検討されていることから、広域認定制度の活用が必要と判断された。
これに対しさまざまな意見がある中で、故繊維業界からも意見が出されている。特定制度の対象とすることについては、故繊維はすでに古紙や金属、空びんなどとともに市町村域を越えた広域的な再生リサイクルシステムが構築されていることから新たに特例制度に加える必要性はないとしており、逆に新たな枠組みがつくられることで現場での混乱が懸念され、既存のリサイクルシステムを阻害する要因になるの危機感を示している。


サントリーと協栄産業 ボトルtoボトル実用化へ 原料50%に再生PET樹脂を適用

使用済みペットボトルのボトル原料への利用が本格的にスタートする。酒類、飲料大手のサントリー食品インターナショナル㈱は、国内飲料業界としては初となるペットボトルのボトル原料利用、いわゆるボトルtoボトル実用化をスタートさせる。国内で回収されたペットボトルを原料に、新たなペットボトルを再生した「リペットスタイルボトル」を5月以降、商品の一部に導入すると発表した。
現在の国内での使用済みペットボトルの用途は衣料品や内装材などが主で、バージン材との競合もあって需要規模は伸び悩んでいるのが現状で、回収された使用済みペットの大半は資源として海外へ流出している。さまざまなリサイクル手法が検討されるなかで、ボトル材原料への転用技術についても研究が進んできたが、ボトルtoボトルは実際には普及せず、実用化段階での実績はなかった。今回の試みは、使用済みペットボトルの国内循環への貢献を目指し、同社とペットボトルリサイクル大手の協栄産業㈱とが進めていたプロジェクト。サントリーが協栄産業㈱が提供する再生ペット樹脂を原料の50%に使用、飲料用容器「リペットスタイルボトル」として実用化する。
さらに同社では、再生ペット樹脂の含有量を高め、従来のケミカルリサイクルによるペット樹脂も使用することで100%ボトルtoボトルリサイクルを目指すとしている。ペット樹脂の原料となる石油由来資源の約90%削減、さらにCO2(製造時排出量含む)の約60%削減が可能としている。


災害廃棄物 処理完了までは3年 倒壊ごみだけで阪神の1・7倍に

今回の震災では、被災地域の廃棄物処理施設にも甚大な被害が発生している。環境省のまとめによると9日現在の処理施設の被害状況は、焼却施設に限っても岩手県で26施設中5施設、宮城県で24施設中6施設、福島県で29施設中7施設、茨城県で36施設中4施設が稼動を停止している。一方、今回発生した災害廃棄物は宮城、岩手、福島の東北3県で約2490万トンと推計されている。阪神大震災の約1450万トンの1・7倍に相当する量となる。
環境省では他の自治体に処理の協力を要請するなどし、今後3年で処理を終えたいとしている。衛星画像等をもとに推計された災害廃棄物は宮城県が約1600万トン、岩手県が約600万トン、福島県が約290万トンとされたが、これは倒壊した家屋やビルなどで自動車や船舶、ヘドロなどは含んでいないため、実際にはさらにこれを上回るものと見られている。施設の稼動停止や輸送体制が整わないなど既存の処理体制では対応できないため、緊急対応として大規模仮置き場を各地に設置し、順次処理を進めていく計画とされている。
仮置き場は岩手県で71ヵ所、宮城県で65ヵ所、福島県では112ヵ所が設置されている。宮城県では沿岸部に新たな用地の準備も進められるなど、当面の受け入れには対応できるもようだが、岩手、福島についてはさらに用地の確保が必要と見られている。なお、廃棄物の仮置き場への搬送については、関東を中心に各都県で支援体制が進んでおり、東京都でも早ければ数日中に第一陣が現地に向かう予定となっている。阪神大震災では災害廃棄物の処理に3400億円の費用を要し、今回はこれをはるかに上回る規模と見られているが、当時と廃棄物の組成が異なることなどもあり、現段階で具体的な費用の試算はできていない。


関東鉄源協同組合 風評防ぐ4重チェック 1トン5円で被災地を支援

関東地区の有力鉄スクラップヤードディーラーで構成される関東鉄源協同組合(渡辺淳理事長)では、福島第一原発からの放射性物質の漏出問題に対応するため、4重のチェック体制をとることを表明した。これは、金属スクラップの放射能汚染といった風評被害が少なからず拡がっていることに対応するための措置。
具体的には、①出荷前検査、②船積み港でのゲートモニター検査、③港でのトラック上での検査、④船積み後の船上検査、といった4段階の検査を行うことで、同協組が出荷する鉄スクラップが汚染されていないことを海外に対して示していくとしている。また、このチェック実施に当たり、これまで積み出しを行ってきたお台場13合地から、ゲートモニターのある川崎港や船橋港に変更する。
更に、同協組では今回の東日本大震災で被災した方々を支援すべく、日本赤十字社を通じて100万円の寄付を行っている。具体的には組合員が同協組に出荷する鉄スクラップに対し、1トン当たり5円を拠出するというもの。同協組の船積みは年間20万トン程度となることから、トータルで100万円寄付することとなった。渡辺理事長は「これまでに経験したことの無い大規模な震災であり、組合として何かすべきではないかという考えの下で、今回の支援を決めた。被災地の復興に役立てていただきたい」とコメントしている。


対中輸出 シップバックの可能性否定できず 厳格な中国側検査で

福島第1原発事故による放射性物質の拡散を契機に再生資源物資の対中輸出マーケットの混乱が続いている。最近のケースでは中国国内での検査において、「日本からの貨物の一部にβ(ベータ)線量の基準値を超えたものが検出された」との報告が日本側で検査に携わる当事者から公表される等新たな問題が出現している。
同筋によれば、中国側の規定では、γ(ガンマ)線量の他、ベクレルで示されるα(アルファ)線(基準値0・04ベクレル/平方㎝)、β(ベータ)線(同0・4ベクレル/平方㎝)の面積単位毎の表面汚染密度の測定を実施しているというもの。但し、α、β線はγ線の測定よりも難しいことから、8日現在同筋はβ線の放射線源について、中国での事実関係の調査を進めているとし、詳細が判明した段階で輸出に携わる日本側の当事者に報告するとのコメントを公表した。また同筋は、「中国国内における放射線測定が非常に厳格であるため、日本で測定した結果合格となった貨物でも、中国の検査で不合格となり最悪の場合シップバックを要求される可能性は残念ながら否定できない」とし、中国検査部門との確認・調整の下で、より正確な放射線測定に努めるとしている。
3月11日に発生した東日本大震災と福島第1原発の事故に伴う放射性物質の漏出以降、同筋が中国の基準に基づいて行った我が国からの輸出検査では、40ロットが放射線量の基準を超えたことから不合格になったとしている。また、中国側関係機関からの報告では、「4月1日までに中国各地の検査当局において、放射線量基準値を超えた日本からの貨物は10ロットあるが、この内2ロットは貨物そのものから、8ロットはコンテナや船等の輸送手段そのものの不合格となった」ものだ。
「原発事故の収束が何時か」未だその目処さえ立たない状況で矢継ぎ早の難問が立ちはだかっている輸出市場だが、現場の当事者はシップバックのリスクを負いながらも再資源化物資の輸出ビジネスに取り組んでいる。2国間の異なる規制の下で、本来基準値の摺り合わせや双方が納得するガイドラインを提示すべき立場にある当局者は、震災から1ヵ月を経ても、風評被害の拡大を理由に未だに明確な方向性を示せないでいるという異常事態が続いている。


軽金属同友会・第2支部 需給考慮し輸出シフトへ 国際価格とのバランス前提で

軽金属同友会第2支部(支部長・久保哲雄㈱鈴商社長)は5日、「東日本大震災」以後の関連生産拠点における被害を背景にした国内需要環境の悪化を受けて、今後国内向け販売量の数量制限や、内・外アルミ原料市況の格差拡大等の動きがあった場合、共同でアルミ原料スクラップの輸出に取り組むことを決めた。
アルミ原料の輸出は、リーマンショック後の需要環境悪化から有志による共同輸出が行われた経緯があるが、東日本に未曾有の被害を与えた今次震災と、その後の福島原発における重大事故の下で、川上生産拠点の稼働停止による購入量削減の動きや放射能汚染に係る風評で東西市場の物流面にも変化を及ぼしている。
第2支部では、今後予想される自動車減産に伴う2次合金需要の減退や脱酸向け(住金鹿島)の売り先難の一方で上昇傾向を維持する海外アルミ相場とのバランスを考慮して、ビス付、UBC、ダライ粉等について、韓国、マレーシア、タイ等を対象とした輸出商談に積極的に取り組む考えだ。


対中輸出 チェック強化で及び腰 放射能だけでなく禁制品のリスク高まり様子見に

先の見えない福島原発事故を受けた放射能汚染問題は、わが国からの雑品、ミックスメタル、廃電線、込み真鍮等再生資源全般の対中輸出通関面に多大の影響を及ぼしている。中国側が0・25μシーベルト+バックグラウンド値を放射線基準値として厳格な放射線測定を行う措置をとって以降、荷揚げ地での検査方法の変更や一部コンテナ検査の見送りによる滞貨等物流面での障害が依然として続いている。
一例を挙げると、船積み通関で新たに行われているのは、台州市海門(ハイメン)港で行われている「雑品を保税区のヤード1メートルに積み上げ、放射能検査を厳格化するというケース」で、ここでは、放射線測定に合わせて雑品に混入している輸入禁制品の黒モーターや廃家電、OA機器等のチェックを厳しくする等の具体的な規制強化が行われている模様だ。また、張家口では船積み雑品が、船舶の放射線の基準値超えにより通関を拒否されるケースや、雑品そのものから規制値以上の放射能検出(海門)でシップバックされる可能性を指摘されているケース等も挙げられている。
こうしたなか、輸出業者には「放射能問題もあるが、僅かに混入する禁制品のチェックによって、全量がシップバックさせられる事態の方が怖い」(某輸出業者大手筋)と語る向きが多くなっている。中国側からもシップバックリスクに備えた要求を日本側企業に求めているケースも見られ、仮にシップバックされた場合、滞船費用から用船費用までの負担を余儀無くされることになることから、過大なコストアップ要因を抱えることで、適正なビジネスまでが及び腰になっているのが実情だ。
更に海運業界では、先の見えない放射能問題海外にが広がる中で、用船契約に入港制限という付帯条件が付けられる事態を想定する向きもあるが、既にイーストジャパン(静岡以東)については放射能リスクが高まったとして寄港制限地域としてリストアップされているとの情報も入り始めている。


古紙持ち去り問題対策協議会 認定制度の活用など 具体的な行動指針示し

東京都の「古紙持ち去り問題対策協議会」は行政と製紙メーカー、リサイクル業界が連携して実効性ある対応策を検討・実施していくために昨年立ち上げられ、これまで数次にわたって協議が行われてきた。このほど、関係業界や行政が抜き取り問題に対応するため今後行っていく具体的な取組みとして、「持ち去り根絶に向けた4つの行動」が示された。
従来から行われてきた①多様な回収ルートからの地域特性に応じた選択、②持ち去り禁止条例の制定拡大──については引続き着実に進めてくこととし、そのうえで新たな持ち去り防止システムを構築するための取組みとして、③古紙業界の認定精度を活用した持ち去り古紙の排除、④関係者間の情報共有──等を行っていくとしている。
持ち去り古紙排除に向けた取組み行動では、日資連が昨年、国内の製紙メーカーや輸出業者など原料古紙需要業界に対し不正流通古紙阻止運動への賛同を呼びかけ、ほぼすべての事業者から賛同の申し出を受けている。同時に連合会加盟の回収業者に対しても同様の呼びかけを行い、都内業者の約95%の賛同を得た。また日資連では現在、回収業者の的確性、信頼性を認定する「再生資源回収事業者認定制度」を導入しているが、これに新たに「持ち去りを行わない事業者である」旨の要件を加えるなど、制度の認定要件を改正していく方針としている。
さらに、全原連が導入している「古紙商品化適格事業所認定制度」についても、現行の遵守項目「計量法」「消防法」の2項目に加えてコンプライアンス面の審査基準を導入していくなどの方向性が示された。一方、需要サイドの取組みでは、製紙メーカーが①持ち去りに由来する古紙は扱わない、②自治体、関係業界の取組みを支援、積極的に協力する、③直納問屋等に不正古紙を扱わない旨の宣誓書を求めるなど違法古紙排除を徹底する──等としている。輸出商社については、全原連の「適格事業所」を目安に購入することなどを、個々の事業者に協議会として働きかけていくこととした。


放射線問題 コンテナ貨物の責任論も 検査強化で搬送経路見直す動き

福島第一原発からの放射線問題の影響で、東日本を中心とする再資源化業界では、金属スクラップを中心とした域内メーカーなどの購入制限や輸出先であるアジア圏での放射線検査強化による物流の停滞が続いている。こうしたなかで0・3μシーベルトと厳しい放射線基準を示している中国では、原発事故以降に日本から出荷された再生資源を積んだコンテナが中国の港で放射線基準値が超えたとして即シップバックされたという情報も入った。ある輸出企業幹部は「中身である品物の放射線基準が問題無くとも、コンテナが陸送或いは船送り中に放射性物質が付着してしまうことは十分あり得ることで、これではとても輸出などできない」と語る。
既に中国側でも放射性物質による汚染を恐れ、港湾での検査を大きく見直す動きも伝えられる。日本からの多くの再資源化物資が荷揚げされる寧波のリサイクル工業団地に工場を持つ企業からは「これまで鎮海(チンハイ)で検品されていた日本からのコンテナ貨物は今後、北侖(ベイルン)に回されることになったようだ。北侖はコンテナふ頭にゲート型の放射線検知器が設置されており、ここで徹底して検査を行うということだろう」といった情報も寄せられている。
東日本では一部に中国向け輸出を再開する動きは出てきているものの、業界内の企業では放射線問題の責任の所在を明らかにしておくべきといった動きが拡がっており、今後、船会社や運送業者に対しても放射線の影響の無い航路や運送経路の見直しなどを求めた上で、慎重に輸出再開のタイミングを計っているという向きが大勢のようだ。


日本アルミニウム協会 計画停電見直しや放射能問題で要望 安定供給と非汚染認定で

(社)日本アルミニウム協会(会長・石山喬日本軽金属社長)は3月29日、経産省の鈴木正徳製造産業局長あてで「計画停電の見直しについてのお願い」および「原子力発電所の震災に伴う貿易障害対策のお願い」と題する文書を提出した。同協会では、現行の計画停電では、生産そのものに大きなロスが生じ、アルミニウムの安定供給が大きく損なわれる可能性が大であるとし、また、会員企業が中国向けに輸出したアルミ製品が港湾当局に荷揚げを拒否されるといった状況も発生していることから、今回、要望書を提出したもの。
アルミニウム協会では要望なかで、計画停電の見直しについては、①大口需要家による自主的かつ計画的な操業停止あるいは減電②夜間電力の効果的な活用③土曜、休日操業のための通電確保④サマータイム制度の導入、などといった方策の検討を求めている。
また、放射能汚染については、放射線に関する問い合わせや放射性物質による汚染がされていない旨の証明書の添付といった要望がでている。特にこの放射能汚染の問題については、アルミ製品に限らず、日本からの製品全てに共通するものであり、今後諸外国で同様の扱いを受けることも予想されることから、国のしかるべき期間による非汚染の認証体制確立を早急に立ち上げるよう求めている。


国内メーカーを最優先 業界3団体がメッセージ発信 古紙流通の安定化に向け

今回の東日本大震災により、古紙リサイクルの分野でも今後、市場の大幅な変動と混乱が危惧される事態となっている。我が国古紙リサイクルは、市民と業者、地域社会、行政それぞれの協力と支援に支えられており、古紙に関わる全ての関係者がこの未曽有の危機にあたって国民生活の安定化と国家・社会の復興に向けて一丸となり、古紙リサイクルの安定化に向けた取組を進めていく必要がある。
全国製紙原料直納商工組合連合会(栗原正雄理事長)と日本再生資源事業協同組合連合会(上岡克己会長)、財団法人古紙再生促進センター(石田隆理事長)はこのほど、3団体連名でメッセージを発信した。古紙のリサイクルに関わる全ての関係者がこの方針の下で最大限努力し、古紙の回収、流通、利用の安定化を通じて社会、経済の安定化に努めていくとした。
なお、全原連では経済産業省との議論を踏まえ、先の理事会で国内古紙の流通安定化に向け、国内メーカーに優先的に原料古紙を提供していくという方針を決めた。会員企業各社に対して、以下の通り協力要請を行うこととしている。①支援物資の梱包材、衛生用紙、情報用紙などの不足が予想されるため、原料古紙は優先的に国内メーカーに供給する②国内製紙メーカーに優先的に出荷するため、仕入れ価格は国内価格に準拠した適正な価格とする。